ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

マレーシアからの見学者たち

2011年09月13日 15時09分21秒 | コンケン 第9特別教育センター
配属先 第9特別教育センターは東北部を管轄する役割をもつ
大きな特別教育センター。
一年中、国内からの見学者が絶えないが、海外からの見学者が訪れることもある。
タイは東南アジア近辺ではリーダー的存在であり、
JICA(日本国際協力機構) をならってTICA(タイ国際協力機構)という機関もつくられ、
すでに近隣途上国に対してボランティア派遣を行っているほどの大国。

タイに青年海外協力隊は必要なの? 
こと、この分野に関して、と常々声に出して尋ねたくなるほど。


この日はマレーシアから国境を越えて、はるばる東北部コンケンまで
見学者のみなさんがやってきた。
     

見学者が来ると、必ずと言っていいほど
「さちえー!」と呼ばれ、自己紹介をするように言われる。
「はじめまして。日本から来たボランティアのさちえです。
タイの名前はサーイと言います。」
とあいさつすると、センターの人たちが
「日本人なのよ。 JICAのボランティアなの。教師よ。特別教育でね。」
と身を乗り出すようにして説明を付け足していく。

このセンターに日本のJICAから派遣されたボランティアが一人いる、ということが
このセンターにとって誇らしいことで、ある種のステータスであるようだ。
どんな活動をしていてもしていなくても、
日本から派遣された日本人ボランティアが「いる」ということが最も重要なのだろうと感じる。
    

ムスリムの信仰のため、ヒジャブ(女性が髪に巻く布)を頭に巻いた女性たち。
ムスリムの世界では、女性は髪の毛やひじ・すねなどを人前に出さない。
       


派遣前訓練を受けた福島の訓練所にも、マレーシア語の先生は
ムスリムの女性で、常にヒジャブを頭に巻いていた。
ジーンズをはいても、Tシャツを着ても、頭にはきれいなヒジャブを巻き付けていて、
語学の休憩中、トイレで一緒になったときにそのヒジャブがきれいだと伝えると
顔をほころばせて喜んでくれたのを思い出した。

マレーシア隊員とも仲良くなった訓練所。
マレーシア隊員は女だらけで、食堂で、廊下で、語学棟で、
訓練の合間によく一緒におしゃべりに花を咲かせた。
みんなそれぞれの任地で今、活動に一生懸命にむきあっているだろう。

そんなことにも頭を巡らせながら、マレーシアからやって来たお客様たちを私も一緒に案内する。
センター長の息子のトノが、流ちょうな英語で始終応対。
お客様たちは珍しげにセンターの中の掲示物や教材を見てまわり、
だけど、滞在時間はほんの1時間程度。
それでどのくらいの収穫があったのかな、英語がもっと思うように話せたら私も聞きたいと思ったのだけど。
最後は定例の記念撮影。 ハイ、ヌン・ソーン・サーム(1・2・3)
     


これだけの国内外からの見学者も受け入れて、
すばらしいセンターでしょうと誇らしげなセンターの人たち。
設備もあるし知識もあるのだという自尊心も誇りも高い。
毎日何かしらで感じとるそういうセンターの人たちの自尊感情。
じゃあここで自分ができること、喜ばれる活動って・・・ と考えると
任期終了まで7ヶ月、正直とってもあせり、そして重たいのだ。