我輩は凛太郎である/そしてその母紗夢猫(しゃむねこ)である+ワン!

凛太郎♂(18歳)ミニチュアダックスとハク♂(13歳)和犬雑種+その飼い主ニンゲンの皮を被ったネコ婆♀が繰り広げる日常

堤 真一さんのこと

2010-12-10 22:09:49 | そしてその母紗夢猫である

本日はいつもと変わって俳優さんのことです。

今年の7月くらいに書いたもので、HPで載せようと思いつつ、そのままパソコンの肥やしになっておりました。本日初お披露目。

少々長いですが、よろしくお付き合いの程をm(__)m

 

最初に堤真一さんのファンの方にごめんなさいと謝っておきます。「姑獲鳥の夏」を見るまでファンでなかった正直な思いから始まります。

彼の顔は好みではなかった。だから出ている映画にもドラマにもまるで興味がなかった。最初に見たのが何だったのかも忘れているし、思い出すこともできないが、とにかく彼が出ている作品を観ようと思ったことがなかった。

京極夏彦氏の「姑獲鳥の夏(2004年)」をレンタルDVDの棚に見つけた。これが堤真一さんとの新しい出会いとなった。

京極氏の本はみな分厚い。まず、その厚さに圧倒される。「姑獲鳥の夏」は、実は今から20余年前の30代始めに年若い青年が面白いと太鼓判を押して貸してくれたのだが、読みこなし切れず、理解も不能、続けて「魍魎の匣」も読んだが頭に入らず、ただ文字を追っただけ、そんな読後感の本だったのだが、何故か心にひっかかっていた。
そして、53歳にして改めて読み直した。すると過去には難解だった物語がすらすらと頭に入り、主人公京極堂のファンになってしまった。

映画化されたことは知っていたような、知らなかったような、もし知っていても、堤真一さんに興味がなかったから、きっとわざわざ映画館に足を運ばなかったと思う。
レンタル屋さんの棚で見つけ、本への興味だけから主演が堤真一さんであることに少し腰が引けたはしたものの、あの本を映画化したらどんなになるのだろうと軽い気持ちで見たのだった。

ところが、ものすごく長い長い台詞を蕩々と喋り演じる堤真一さんを観て、堤真一という役者さんに俄然興味が湧いた。あんなに長いセリフは橋田壽賀子の渡る世間は鬼ばかり以上ではないだろうか、と鑑賞中に思った私。あの長いセリフは全部覚えたのだろうか、それともカンニングペーパーがどこかに張り出してあるのだろうか、、、。そういうことも頭の中で考えながらの鑑賞となったが、とにかくすごいと思った。

役者堤真一さんとの遭遇、時は2008年5月20日(「姑獲鳥の夏(2004年)」実相寺監督、堤真一/原田知世/永瀬正敏/田中麗奈/阿部寛/いしだあゆみ)。

堤氏演じる京極堂は、その本にある通り渋面で、理詰めで、立て板に水のごとし蕩々と話し「この世には不思議なことなど何もないのだよ」と締めくくる。

私の本のイメージ通りの京極堂がそこにいた。そして、DVDを見終えた後、京極堂シリーズを次々と読破していった。本を読み進む私の頭の中では主人公の声も姿形も既に堤真一演じる京極堂になっていた。そして阿部寛さん演じる「榎木津探偵」もすっかりお気に入りとなった(後に阿部寛の出演しているDVDも借りるようになった)。

堤真一さんと阿部寛さんを欠いたらこの後の京極堂シリーズは成り立たないような気がする。木場修太郎を演じた宮迫博之さんも癖の強い木場を上手く演じられていたと思う。

そして鑑賞後、堤真一さんのにわかファンとなった私は、続いて「魍魎の匣(2007年)」も鑑賞(2009年2月21日)。原作がかなりエゲツない描写というか、なんというか。血がいっぱい出てきそうで、ちょっとドキドキして見たが、その辺は適度にしてあったが、そのため原作とだいぶ離れたような気がした。(「魍魎の匣」原田眞人監督、堤真一、阿部寛、椎名桔平、黒木瞳)もっとも原作を越える映画というのはそうそうないというような気もする。

次に見たのは「舞妓Haaaan!!!(2007年)」(2009年3月28日鑑賞)京極堂とは打って変わって、はちゃめちゃで「ああ、この人はこんな役も演じられるのだ」と惚れた弱みか絶賛。主演の阿部サダヲさんは、私的には濃すぎてちょっと好みではないけれど、堤さんがあまりに関西弁が上手いので、ネット検索で兵庫県西宮市出身とわかった(水田伸生監督、阿部サダヲ、堤真一、柴咲コウ、小出早織)。学生服姿にはギョっとしたが、数十年前に見た「疑惑(1982年)」で確か岩下志麻のセーラー服姿があったが、それよりはうんと観られた。岩下さんのセーラー服姿が画面に登場するやいなや、映画館の中のそこかしこで笑いが漏れていた。映画の内容よりセーラー服姿が印象に残っている「疑惑」。

そして有名な「ALWAYS 三丁目の夕日(2005年)」(監督山崎貴、吉岡秀隆/堤真一/小雪/薬師丸ひろ子)と「ALWAYS 続・三丁目の夕日(2007年)」(監督山崎貴、吉岡秀隆/堤真一/小雪/堀北真希)(2009年4月4日鑑賞)を一緒にレンタル。
この2本はレンタル屋さんではずっと人気で上位に入っていた作品だけど、堤さんというだけで敬遠していた作品だった。今やすっかり堤ファンの私、見たらなるほど面白かった。堤さん演じる東京下町のおやっさん。はちゃめちゃ具合は「舞妓Haaaan!!!」とはしっかりと違った味わい。私の笑いのツボは、当時珍しかったテレビが鈴木オートにやってきて、突然映らななったのはコンセントが抜けていただけなのに、向かいの吉岡秀隆演じる東大卒で小説家志望の竜之介が全部分解してしまったところと、いからした肩で建具を蹴散らして?向かい竜之介の家に入る場面。

そして「クライマーズ・ハイ(2008年)」(2009年10月25日鑑賞)タイトルだけでは何のこっちゃと。群馬県御巣鷹山で日航ジャンボ機が墜落した大惨事を取材する地元の新聞記者たちの激動の一週間を、新聞社特有の緊迫感あふれる様子を描いたもので、新聞社に務めたことのある私は違和感なく見ることが出来、また舞妓や三丁目、京極堂のイメージを払拭した新しい堤さんが観られ、この役者さんはものすごく凄い人なんだとつくづく思ったのである。(原田眞人監督、堤真一/堺雅人/尾野真千子/山崎努)

そして、ふと思った。私は若い時に木村拓哉さんのファンだった。その名残で「武士の一分」を見たけれど、演じる木村拓哉さんの劇中の表情が「スマップスマップ」で犬のPちゃんをしていた時と同じ顔だと瞬時に思ってしまった。犬のPちゃんを思い出させない演技だったら良かったのにと。Pちゃんを思い出した時点で映画を醒めた眼でみてしまった。
見るものの勝手といえばそれまでだが、堤さんは見事にみな違う役を演じておられるなーと。

 

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