Sing Listen Travel 〜歌って、聴いて、旅をして〜

リタイアしてから鬱憤を晴らすようにできなかったことをやってきた。でもマンネリ化してる。まだやり残してることをやろう。

迷わずトレドへ行け

2015-09-09 22:22:38 | Spain Travel 2015

 中丸明さんの著作の中にこんな一節があります。
「もしも一一日しかスペインにいられないなら、迷わずトレドへ行け、とよく言われる」
 でも中丸さんは、誰が最初に言ったのかなど、由来までは書いていません。プラドをガイドしてくれた男性がトレドも案内してくれることになったのですが、この人はこの一節には触れませんでした。その代わりに、トレドは日本でいえば京都や奈良のような歴史ある街だという言い方をしました。それからエル・グレコが住んだことも強調しました。
 マドリードから70Kmを走って、バスはソコトベール広場に停車しました。高台からトレドの街全体が見渡せます。タホ川に囲まれた岩山の上に築かれたような街です。
 トレドは西ゴート王国の首都でしたが、711年にイスラム教徒に征服されます。そしてレコンキスタ(再征服運動)で1085年に再びキリスト教徒の街となります。しかし1492年に国外追放令が発せられるまで、ここではキリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒が一緒に生活をしていました。だからトレドの街は様々な文化が融合して発展していったのです。
 ぼくらはバスで街中に入りました。駐車場でバスを降りて石畳の路を歩きます。狭い路地が隅々まで入り組んで迷路のようです。この街並みは16世紀の頃とあまり変わっていないとのことです。やがてトレド大聖堂に着きました。ここは今日もスペイン・カトリックの総本山、つまりカトリック寺院の中で最も権威のある大聖堂です。1226年に着工し、270年の歳月をかけて1493年に完成しました。中は広く、二十二もの礼拝堂、フレスコ画の天井、美しいステンドグラス、グレコやゴヤらの数々の名画などがあって美術館のようです。
 その後はサント・トメ教会に行きました。エル・グレコの最高傑作のひとつ「オルガス伯の埋葬」があるので非常に多くの観光客が訪れるそうです。その画を見たあと、また街中の細い路地を歩きました。刀剣類の並んだ店が目につきます。トレドは鉄製品である剣やナイフなどの生産地だそうです。闘牛で使用する剣も多くはここで作られるとのことです。
 土産物を見ているうちに帰る時間になりました。バスの待つ駐車場まで歩きながら、迷わずトレドに来てよかった、と思いました。

 


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