星を見ていた。

思っていることを、言葉にするのはむずかしい・・・。
良かったら読んでいってください。

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2017-04-24 06:33:02 | 日替わり
かつて犬を飼っていたことがある。小学校か中学の頃どういう経緯でそうなったのかはよく覚えていないが父の仕事絡みの知り合いが、二匹のマルチーズを飼えなくなったということで新しい飼い主を探していた。母犬は叔父の家に、生まれたばかりの子犬は家に来ることになった。


生まれたばかりのマルチーズは本当に生きたぬいぐるみの様で可愛かった。毛が真っ白でふわふわして掌に乗るくらいに小さかった。それまで生き物を飼うのは絶対反対だった母でさえあの愛くるしさには敵わなかったのであろう。それに増して世話をしているうちに情が移って余計に可愛くなったようだ。


しかし母の犬に対するしつけは相当なものだった。昭和一桁生まれの母は私のしつけも相当厳しかったが、それは生まれて間もない子犬に対しても変わりはなかった。畳の上に粗相をしようものなら首根っこを捕まえて鼻っ面をその場所に押し付け「誰がやったの‼︎」と鬼の様な形相で怒鳴る。何度拭いてもあの独特の匂いは消えない。母は何を思ったか誰かから海外旅行土産で貰ったらしい高級香水をそこにプシユっと吹きかけた。6畳一間の狭い茶の間に犬のおしっこと香水の混じった異様な匂いが漂うのだった。


母のしつけが功を奏してか、しばらくすると家の中では絶対に粗相をしなくなった。どうしても雨で散歩に行けないときは風呂場に新聞紙を敷き詰めたところで用をさせすぐ洗い流す。また母は人間の食べ物を絶対に犬に食べさせなかった。生まれて間もない時は、鳥のササミを茹でたものをほぐしてあげていた記憶があるが(そのため今でも私は鳥のササミが嫌いだ。どうしても犬のエサに思えてしまう)、そのとき以外はドライフードを与えていた。


一度だけ人間の食べ物を盗み食いしたことがある。ある日ケーキをお客さんから頂いて皆で食べた。一切れ残ったか誰かその場にいない者のためにとってあったかは忘れたがこたつの上にそのひと切れのケーキがあった。ほんの一瞬部屋に誰もいなくなった隙に、ケーキは消えていた。そしてあの子の口の周りはクリームが付いていて舌でそのクリームをぺろぺろと舐めまわしている。たしかその時は叱らなかったように思う。出っぱなしにして目の前に置いておいたのが罪だった、と言うよりもあまりの可笑しさに怒るどころか笑ってしまったのだ。なんだかあまりにも漫画的な展開に皆が大笑いした。


もう死んでから20年近く経つが今でも色々なことを思い出す。犬はその一匹だけしか飼ったことがないけれど大好きだったし家族みたいだった。


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