『園芸家12ヵ月』。チェコの哲学者にして作家のカレル・チャペックが書いたエッセイ(と言っていいか)。これがなんとも軽妙洒脱な文章でとっても楽しい。1月の園芸家、2月の園芸家、、、と月毎に園芸家がいかに寒暖や、日照りや、嵐や、その他諸々の気まぐれな自然と格闘しながら過ごす様が描かれている。出てくる植物の種類もとんでもなく多い。でも、木や花ではなくて、ひたすら土に愛情を注いでいる。黒々としてふっくらと、かつ、しっとりと湿り気をおびて云々とあり、園芸家はそのためにひたすら地面を這いずり回る。ほとんど土フェチといった感じさえする。中でも11月の園芸家の章がすごく好き。これが冬眠だって、とんでもない。下へ向かって育っているのだ。などなど。
ふんだんにある挿絵もとっても素敵。これは画家で詩人のお兄さんヨゼフ・チャペックの描いたもの。
ふんだんにある挿絵もとっても素敵。これは画家で詩人のお兄さんヨゼフ・チャペックの描いたもの。