【甘露雨響宴】 The idle ultimate weapon

 かんろあめひびきわたるうたげ 自作涅槃長編活劇[100禁]

KEITH【117】刺客 ユウ

2009-12-06 | 4-0 KEITH




 KEITH【117】 


「賢いヴィニにしてはおかしい話、外で泥だらけになってそのまま
 西棟に入って3階まで廊下は泥だらけ。おまけに何人かのメイド
 のベッドに乗ったり寝ていたり。ここ数日...一週間ほど毎日だと
 今、ジョージアに聞いた」

フレディが少し青くなって、そんなはずは...。と言った。

「わかってる。ヴィニの意志じゃない。誰か...まさか犬に悪戯でも
 薬盛ったりしたら適切量を知らない限り死んでしまうからそんな
 ことはしないだろうから、故意的かヴィニが可愛くて自分の部屋
 入れたくて、けどそういうことしない犬だから失敗して...か?」

「今までそんなことはなかったから新しいメイド?」

「農夫や兵隊が西棟に入るなんて直ぐバレる。誰かきやあきゃあ
 騒ぎ出すよ。はは...で、ヴィニと親しいのは誰か知ってるか?」

ユウだ。いつもヴィニを見かけては引っ掛ってた」

俺が名前を言った途端アランの顔色が変わった気がした?

アランは笑って話を続けた。

「ユウ?そうか、野良猫も屋内に居たらしいからそれもユウかな
 そこは言っておかないと、そのうち山羊も羊も家の中だ、はは」

アランは、言いに行こう。と言って俺を誘い出した。

そして、部屋を出てから、終に刺客か。と言って笑った。

「刺客?」






こればかりは人目は避けたい。とアランが言って―ユウをアランと俺の待つアランの部屋に呼び出した。

ユウはロマ・シティではない地方区から農園で働きたいと言って遣ってきた大学卒業したばかりの肩書きでバイトに来た24歳の、フィナに似た元気で明朗活発な10人並みの可愛い感じの女の子。

直ぐにメイドの皆と打ち溶けて仲良く遣っていて...刺客かあ。

意味わからないまま俺は同座している。

ユウはてへへと笑って入って来た。

どうやら、バレました?といった感じ。

「左耳の裏、髪の毛あげて見せろ」

そこに『クワロフス』のCの文字に猫耳マークが『クワロフス』印
その刺青があるなら『クワロフス』兵隊の証。

(何故 猫耳かは誰も知らない。『クワロフス』の
 創立、前身に猫が深く関わったということらしい)

ユウは素直にそれを見せて―刺客判明。とアランが言った。

「何でそこまでわかるんですか?」

「その前に、どうして俺たちに言わない?」

「だって自然に入り込んで自然にヤレって命令でしたから」

「アレキサンドルに?」

「はい。直接命令来てびっくりしました。火気倉庫の管理にいて...
 あ、素性は兄に大学出して貰ったので、兄が黒服でそんな成行で
 設定はバイトで農場に入って旦那様に恋して奥様に意地悪を、」

「え゛、ルナルーのためのって意味の刺客?」

「お前、何を今頃気づいてる?」

「あ・・・やっと分かった。刺客って言うから俺を殺るのか
 と。しかし、話がどうも違うなあ と思って聞いてて... 」

アランもユウもここぞとばかりに大笑した。

「アレキサンドルも1年待って結婚続行にNOの突きつけか」

「奥様が掃除して直ぐに犬や猫を放ったんです
 毎日続いたらへとへとになるじゃないですか」

「確かに凄い嫌がらせだ。他には?」

「奥様が集めたゴミをひっくり返したり、ワックス零したり...まだ
 メイドになって半月ですから...奥様の後をつけ回すの大変で!」

「 ...わかったよ」

「あと、お茶や食事の時間にちょっとだけ、旦那様素敵ですね
 といかにも新人メイドらしくほんのりと仄めかし...を撒いて」

「それ効果あるといいね。他に予定は?ないならいっそそれ露骨に
 やっていいよ?キースがユウと特別仲良くしたら他のメイドたち
 が、はああ?って白けるだろうから。キースはユウも無視で」

「それ て...旦那様に恋してる全面攻撃ですか?奥様に?」

「いいんじゃね?いっそのこと実際に皆の前でそれすると気持ちの
 いいもんじゃないからそこはしなくてよくて...旦那様とキスした
 とか抱かれたとかそういうことをルナルーに、勝ち誇ったように
 言うなり匂わすなり。言っておくけど、メイド仲間に言う必要は
 ないからね?んで、ルナルーがキースに直接それを確認しに来る
 ならキースはイエスと返事。ユウに気持ち傾きかけているという
 様子を家の中で感じさせたら追い込み... 」






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