【甘露雨響宴】 The idle ultimate weapon

 かんろあめひびきわたるうたげ 自作涅槃長編活劇[100禁]

ALLION【74】自分の始末

2010-05-05 | 4-1 ALLION




 ALLION【74】 


「自分の始末してから決めるのっ」

「自分で始末出来る?それまた永遠じゃないの?理想追って」

「130年も生きてる私は現実が大好きよ」

「船長は現実だ」

「だから大好きよ」

「そういう擦り抜け、リツコと似てね?」

「うるさい」

「そう...まだ地上に居たいんだろうから船に戻らない
 はいいとして、船長と連絡取らないのはどうして?」

「それが自分でもわかんないから」

「対峙しないで迂回し避け続けて自分にも俺にも船長にも世界事象
 にも。なあ、お前もそろそろ...シオドキじゃないのか?それとも
 地上のひとり暮らしに慣れ過ぎてそこを出るのがイヤ?今までの
 全部を切って1からのリスタート」

「 ...むっ」

「船長に会ったらその全部を白状しろ」

「 ...うん」

「俺も結婚か恋人に返すか、明日決める」

「恋人?!」

「たぶん、明日リツコを詰めたって、俺が明日リツコの
 理想イメージになってないから、返答に困る と思う」

「そうね...え、だから、理想になるから教えてって言うの?」

「違うよ、俺に理想イメージなら元彼ともそうかな、と」

「元の彼って...トウキョウの...?」

「ああ。その彼のことをカナンで見た、それでもリツコが出てきた
 理由わかんなくて...現在は俺と大して変わらない身分だ。規模は
 でかくないけどサ・ナールに近い身分、まだリツコを」

「え... 」

「2年一緒に居て彼がリツコの理想になってくれなくてそれが理由
 で出産前に不安になって逃げたとしたら納得できるだろ?当時の
 彼はピンのブローカーやっていた。が、今は違う」

「 ...だからって」

「彼もリツコに、自分の妄想を見て...ほら、当時のリツコは家事も
 何も酷かったろ?何度も同じこと言われてもとろかったり色々...
 彼の方もこんなはずじゃないってつい手が出た とすれば」

「ま!妄想同士、でも両方の理想叶えば妄想じゃなく愛発生」

「それ、愛じゃなくて執着だけどな?しかしソウシにとっては実父
 俺もリツコの理想じゃないし当時の彼も違う。けどリツコが俺に
 足りない...望んでいるものは彼にはあったと思う。なかったのが
 経済力や社会的地位、常に一緒に居ないこと等...だったとしたら
 今の彼はそのどれも具えている。ましてや俺は早い時間や定刻に
 自宅に帰るは叶えてあげられない」

「 ...イーギン」

「俺には無理、斬捨てる、ではないよ?」

「え...うん」

「俺と切れた主要ふたりを思い返した。クラウディアは自分自由の
 無くなる...外に一歩 出るだけで自分自身ではなく、社長夫人と
 言われ、自分への賞賛ではなく社長夫人として素行見張られると
 思える地位を嫌がった。デイジーは何のステータスももってない
 俺と一生のパートナーを怖がった。心の正直 心の歓喜より5毒
 大事だからね...彼女たちはナール圏での好外観の方を選択した」

「そうね...そしてでもふたりとも本当はイーギンがよかった」

「え...あ。しかし本人の選択。今の彼がリツコの理想イメージなら
 彼も.美女+αで描いていた理想イメージ・リツコに再会したら?
 本当はソウシの父親の元が一番いい」

「イーギン... 」

「それも違ったなら俺がそうするよ。お前の言ったように」

「 ...腹立つくらいどこまでも優しいわね」

「ああ、お前にも。船長はもっと」

「 ..........むう」

「さて、今何時だ?」

「え」

「気づいたらもう朝だよ」

「わあ、そんなに経ってた?」

「お茶も出さずに時間経ちましたね?」

「じゃ、朝だからまた今夜ね」

「何言ってるんだ?朝って言ってもまだ日の出もない。行こう」

「 ...どこに行ってたの?ギーガ」

イーギンは、ここにあるはずだが。と言いながらテレビのリモコンをおもちゃ箱から捜し出して、テレビを点けてリモコンを弄った。

壁に掛けられた大きなディスプレイがパッと閃光する。

壁のテレビ画面はデータ文字だけが並んだ面白くない画面。






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