【甘露雨響宴】 The idle ultimate weapon

 かんろあめひびきわたるうたげ 自作涅槃長編活劇[100禁]

KEITH【114】クドウ葡萄園

2009-12-06 | 4-0 KEITH




 KEITH【114】 


現在のザーイン星は法も行き届かない未開地多く、先に住んでしまえば自分の土地 に出来る場所ばかりだが、当然居住には水も電気もガスも食物もなくそれらを手に入れる村や街まで遥か遠い。

水を引いたり田畑を作り家を建てるなど自給自足をするにしても、そこに掛かる資金と労働と時間を合わせれば村や街で土地と家を購入する額とほぼ同額となるので余程裕福か人生掛けての趣味でない限り、誰も好んで未開地に住んだりしない。

ザーイン星は地球と誕生も地質も同質なので(違うのは地形くらい)石油もガスも宝石も採れる上、其の類の採掘会社は少ない。

調査せずともユリウスがそんな宝の土地を選び見つけて―ここに『Golden wheat』を起てた。

勿論ザーイン星に『Golden wheat』はここ一箇所ではない。

ここ以外、星中7箇所―俺と同じ『Golden wheat』の農場主7人。

その7箇所の中枢がザーイン星の中枢ロマのここ。

『Golden wheat』はそれら鉱山を手に入れておいて暫く採掘しない。外部に秘密にするためだ。

最初はただの広大農園。今はまだ届いていないため車やヘリがないと不便極まりないが、現在は都心ロマのリズから直通出来る鉄道を伸ばしていて『Golden wheat』の農園目前まで通し、その後、土地を巻くように左右に伸ばしていく。

そこで左はいいとして右はジャーメイン家の土地を鉄道が通る。

家前まで数年掛かる、その頃はジャーメイン家の立ち退きもカタがついているだろう算段。なので鉄道については焦っていない。

そう悠長に構えていたら先月『Golden wheat』左下(西南)の葡萄園の富豪クドウが自分の家から四方八方に鉄道事業するとロマ市長に申請書を出した。

ロマ市長は『クワロフス』の息が掛かっているのでアレキサンドルの予定も知っているため、その情報をこっちに漏らして来た。

同時に、自分の敷地内だけ走る私鉄なら許可できるが、私有地以外の鉄道は政府のもの、税金によるものだから許可できない。また、クドウ私有地界隈に鉄道を伸ばす予定はないので連結は出来ない。の返事はしておいた。と言った。

年末頃、俺にもクドウから『Golden wheat』の土地にも鉄道を伸ばしてやるから出資出来ないかの打診はあったが、アレキサンドルの予定を知っていたので、一介農場主が鉄道?と相手にしなかった。

アランが調べると、クドウはレーンという『クワロフス』ではないマフィアを背後に持っていて製鉄会社の筆頭でもあった。

それで自信満々。当然『Golden wheat』が『クワロフス』の農場も知っていた。

俺はそこのところに知らんふりを通したためにクドウの持って来た商談は不成立―しかし『Golden wheat』が『クワロフス』と知ってどうして成立見込みあったか不思議だった。

アランは、アレキサンドルが平和主義と言うか穏便好きだから公に暴動暴挙、表目立つ犯罪をしていないのでロマでは派手に名の知れているレーンに及ばないと見縊ってのことだろう。と言った。

ユリウスが全てカバーするので『クワロフス』の足跡は残らない。

一事が万事そうだから『クワロフス』は同業者から敵対視もなければ『Golden wheat』は至って平和な農園なのだ。

にしても、私有地内許可と言ってもクドウの土地は広大な葡萄園だが『Golden wheat』の100分の1もない―トラックで走って十分。

市長の嫌味も度が過ぎている気がしないでもない。

そんな中に事件が起こっていた。

所謂―こんなことは通過儀礼なんだろう。

クドウの鉄道利権狙いを知った(アレキサンドルが漏らした)レーンと敵対するマフィア・デザードがクドウの葡萄園に大量に栄養満点の肥料を撒くという、クドウにしてみれば大損害の悪戯をした。

クドウは大激怒。

誰が遣ったか判らないが、鉄道のことだと察しは付いた。

クドウが誰か判らないという無能ぶりを発揮したのでアレキサンドルがデザードという証拠を葡萄園に配置した。

途端レーンとデザードは戦闘開始。

この際、両者同時に潰す、或いは、傘下に入れてしまえ がアレキサンドルの狙い―ユリウスと共に高見の見物をしていた。

ところが、デザードがクドウの18歳の娘ジュリンを誘拐した。

アレキサンドルとユリウスはびびった。

おっさんたちが好き放題、命張って戦うは勝手だが、子供に危険や恐怖は嫌だ。とクルーが救出。

しかし、第三者が面晒すは出来ない上、危険伴う場に渡したくないので一時預かりで安全な場所、ホテルの一室に避難保護した。

誘拐したデザードはレーンが娘を奪い返したと思って総攻撃。

クルーが、ジュリンは救い出した保護している。とクドウに連絡したが、クドウはレーンにそれを言わず、居場所が分かったここだ。だけを教えて―レーンはジュリン救出に向かった。

ここにいる とクドウが言った場所が『Golden wheat』7山の一番西の山裏の村の名―それを知ったユリウスが頭を抱え込んだ。






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