【甘露雨響宴】 The idle ultimate weapon

 かんろあめひびきわたるうたげ 自作涅槃長編活劇[100禁]

KEITH【121】ダイアン

2009-12-07 | 4-0 KEITH




 KEITH【121】 


女の子の名前はダイアン。8歳。

幸い なのか、私生児として生まれていたので父はいなかった。

俺がダイアンを引き取るために、あの人がダイアンを届けてくれるよう仕向けていた。とダイアンに話して聞かせた。

フレディもメイドたちも、寝耳に水 で(俺もだ)驚いたが、大切に育てなければ!となって皆でダイアンを可愛がりだした。

そんな様子を見て―アランの提案は確かだったな。と思った。

また人が増えた...今度は子供。しかも、特大級の特別な。

所謂本当の お嬢様 だ。

正直、俺は子供というものを知らないし、お嬢様 という扱いも、教育も躾も知らない。父親としてどう扱っていいのかもさっぱり。

そう言えば、女性と付き合っても恋愛をしたこともないのだ。

そんな懸念消滅にアランはカニスをダイアンのメイドにつけた。

カニスは大卒で教員免許を持ち、教職に就いて有能だったが、ホストクラブに大枚注ぎ込んで身を滅ぼして借金のカタにザーイン星に輸送されてきた女性。

幸い容姿系で拾われることなくここのメイドに連れてこられた。

現在も返済中の28歳。

メイドの中に子供に関する免許を持つ者がいてよかった。

しかし、素行に不安大のダイアンにカニスひとりではきっと大変だろうと言うことで、もうひとりルネが付けられた。

「これでダイアンのことは大丈夫。身の回りの世話も
 学校のことも彼女たちが全てやってくれるから安心」

「こんなことでは男は何の役にも立たないな」

「ダイアンに関してはそうでもないと思うよ?
 脱走したとき、捕獲部隊が必要だろうからな」

「奴隷も体罰もないのに、しかも実父の家でやっと安泰
 とは感じないのか?それでも脱走したりすると思う?」

「お前はクリスティーナを見たじゃないか
 根性具合は彼女と同じかなあ?と、ふと」

「アラン、有り得ないだろ?...そうでないことを祈るよ」

「しかし、脱走したって面白いじゃないか。屋敷が賑やかで」

「今は皆が暇してる冬だからそう感じるだけだ」

「はは、そうかもな」

そして、問題は母親。

ルナルーへの刺激にいいとも思えたこの養子縁組。

しかしルナルーどうのの前にダイアンの心が大切。

ダイアンにルナルーを母になる人、奥様と紹介したが、父と一緒に食事をしても母は同席しない、父と母が一緒にいるところを見たこともない ではいつか訝しんで気持ち歪まないか?

この辺はどうするか?と思案していたが、ダイアンは朝早くから夜遅くまで一生懸命働く母しか見たことがなかったので、ルナルーのそれはダイアンの目に 当前 に映った。

ダイアンの育った環境の中、近所の子供たちに父親がいたとしても彼らは朝から晩まで酒を飲んで暴れて遊んで博打して、働かない。母親に冷たい、暴力を振るう。ので屋敷の中にいたり外出したりの俺の生活もダイアンの目に当前。らしい。

何か納得いかないが...それでよしとした。

女の子は宇宙の謎が解けても謎のまま―況してや8歳では不明。

ダイアンは俺のことを、そんな父親 と認知していたが、毎晩俺のベッドに潜り込んで来て一緒に眠った。

4時に起きてから先はカニスとルネに部屋を明け渡した。

ダイアンの起床は7時過ぎ。

見回りから戻って来た俺と一緒に朝食を取って学校に行く。

学校までルネが付き添って兵隊が車で送迎する。

学校での話は、夕食のときにダイアンが自分から俺を捕まえて沢山お喋りするのでよく分かった。

こんなコだからか最初からクラスの皆に溶け込んで楽しくやってるようで何よりだった。

子供だから楽しいこと満杯なのか、ルナルーは実母ではないので、実父の俺だけに甘えたいのか―ダイアンは宿題終わって俺を見つけ出し、べったりくっついて就寝時間の9時まで離れようとしない。

その間、俺は当然シゴトは放棄。アランとフレディに任せっきりとなって知らないテレビ番組や音楽、女の子の好きなおもちゃや洋服食物お菓子など...知らなかった世界を沢山知った。

学校の休みの土日は、毎回ではないが、リズに出掛けた。

俺ひとりでは全くわからないので一応ルネに付き添って貰って。

カニスを誘ったが、外出すると物欲が止まらなくなるので自制中です!と言って断って来た。

その理由が面白くて笑ってしまった。

欲しいモノがあったら買ってやると言ったが、旦那様が破産しますから遠慮します。と返して来た。

笑いながら、ダイアンを任せるに頼もしいと改めて感じた。






KEITHもくじ KEITH【122】につづく。





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