【甘露雨響宴】 The idle ultimate weapon

 かんろあめひびきわたるうたげ 自作涅槃長編活劇[100禁]

ALLION【80】雪合戦

2010-05-05 | 4-1 ALLION




 ALLION【80】 


雪が降った積もったと言ってもここは南国気候。

今日の気温は冬そのもの極寒だが、太陽は照り、雪を踏んで遊んでいれば、直ぐに溶けて行く。

積雪に喜ぶソウシにサファイアが雪だるまを作るではなく雪合戦をしていた遊んでいた。

イーギンが参加するとサファイアはいつか夢中になって、ソウシがいるにも関わらず、イーギンに猛スピードで投げつける。

受けた雪のボールに重く刺さる衝撃感じて、イーギンも我を忘れて本気で投げ返す。

雪のボールが当たった先で崩壊しないよう魂込めて命中させると、サファイアは鉄のボールでも食らったように衝撃を受けて―痛い。

すると、サファイアも倍返し―血祭の殺り合いになった感じ。

双方共いつものことで互角の戦い。

しかし、イーギンは逃げず攻撃する―血祭のソレと違う。

双方、的を外さないので自分に向かって飛んでくるボールを避けるだけに必死。

サファイアの投げた鉄化した雪のボールがイーギンに命中の寸前、そこに参加しようとしたソウシが横切って咄嗟イーギンはソウシを庇って雪の地面にダイブ―ソウシ諸共全身雪塗れになった。

大丈夫かっ!とソウシを見るもソウシはけらけらと笑った。

慌てて走り寄って来たサファイアもホッとした。

「アブねえ、ソウシに当たったら死ぬだろっ!」

ふたりして本気で血の気が引いた。

「お父さんっ、どうやったら雪のボール壊れないの?!」

わくわくした表情でソウシが訊く。

「えっ... 」

「あれえ、壊れた... 」

投げられ避けて辺りに散った雪のボールのひとつをソウシが握った途端、それは軽く崩れ去った。

「ハハ、壊れないことあるか」

ソウシは不思議そうな顔をして地面に散らばる雪のボールをイッコずつ手に取って壊し出し―イーギンも面白がって参加した。

そこに車の音が聞こえた。

「ソウシ、お母さんが戻ってきたようだ」

サファイアが言ってソウシはイーギンの手を引っ張った。

「お父さん、部屋に戻ろ!お母さんが帰って来たよ」

イーギンは、先に行って?と言って家に戻るソウシを見送った。

夕べの今で突然何の構えもなく、どうしたものか―。

こうしようと決定していても未だ気持ち不具合だった。

「リツコ、随分とゆっくりだな、もう昼だ?」

サファイアがくすっと笑って色のない顔のイーギンに言った。

「 ...どうしたの?イーギン、態度変えるんだろ」

「変える...なあ...そのつもりだけど」

「え、やっぱし?本気?どうすんの?!」

「わからん」

「何だよそれ」

サファイアはけたけたと笑ってイーギンに抱きついた。

「そう言えば、腹減ってない?船で食べて来た?」

「 ...あ...夕べから何も食ってねえ」

「寝てもいない?」

「だよ」

「それで...どうなったの?」

イーギンが夕べの顛末を話してサファイアは途端弾けて笑う。

「サファイア、今度はお前が交渉に当たるか」

「イーギンがリツコと仲良くののち。俺がいないと困るだろ」

「いつまで負け惜しみだよ?お前も」

「俺がエヴァを連れて船に戻ったら...それ、本当にいい?」

意地悪で笑って言うサファイアにイーギンは考え込んだ。

「 ...いや、困る」

サファイアは嬉しそうにまた大きく笑った。






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