【甘露雨響宴】 The idle ultimate weapon

 かんろあめひびきわたるうたげ 自作涅槃長編活劇[100禁]

KEITH【15】それぞれの得意で

2009-12-02 | 4-0 KEITH




 KEITH【15】 


もう、また頭が逝きそうだ。

どうして、それが可能なんだ?!

脳が鈍い奇声を上げた気がした...。

そう感じても5人全員がシータのように、考えてはダメだ。と言って笑った。

その太陽の日出と日入は地球のディノウヴォウに合わせてある。で、船の中の時計時間はそれと同じ。

「太陽の正体は船のエネルギーが船の周りを散歩に出る」

スーサが笑って挟んで来た。

そんなもので解決したことにしていいのか...?

ダビにしてもリタールにしても考えても仕方ない...。

「それでこの部屋のここの窓は実は宇宙の真暗が見えるはず。だが
 なんと今は昼の2時。でもな、ここに窓があるからガラスの外は
 宇宙か、と言うと、そういうわけじゃない」

「え」

「天井の話は聞いたろ?それと同じでこの船は空間を詰めたり広げ
 たり可能なんだと。天井は誰も触らず、だが、壁の空間はクルー
 が操作出切るし物体の移動も、リタール説明のときに聞いたか」

「え...ああ」

聴いたのは言葉だけだ。

数々不思議はあっても、そんなものは信じてないが、それはそれでいい...その話はより遠慮したい。

「宇宙の真ん中、船に暮らしても、地上のフツウ生活出来るように
 どの部屋にいても、太陽の陽が差し込むようになっているらしい
 実際太陽が地上に降り注ぐ成分と同じモノだとか。で、俺たちは
 永遠この宇宙船に居るのに太陽の光を浴びる。雨には恵まれない
 が、まあ、植物じゃないし、いいけど」

そして、話は続いた。

俺たちの食事はクルーと同じ、毎日レイとモーリスの気分でメニュー決定でメニューや献立表はない。

俺たちが奴隷だからと言って不当扱いじゃない。俺たちがクルーと違うのは彼らのように好き勝手に動けないだけで、食事も部屋もクルーと同じ、寧ろクルーより上等。と5人それぞれ口を揃えるように肯いて笑って言った。

「寧ろ上等...?」

「例えば、クルーは個室のようで壁なしの大部屋。プライバシーは
 ない。モノは全て共有。俺の という所有物を持たない。必要な
 物は必需品担当が揃える。まあ軍隊の配給みたいなもんだ。んで
 いつ呼び出されるも解らないから睡眠時間設定なし。よく文句を
 垂れてる。俺たちのように時間決まって食事睡眠が取れればマシ
 やつらの掟は厳しい。全て口答なし命令。で、よく喧嘩してる」

「死ねないのによくやるよ」

イライジャが笑って言った。

「! ...え?」

「え、って何だよ?死なないぜ?」

「レッディ王と同じ...?」

驚いた...いや、驚くだろう?

スーサが、そうだな。と笑って言った。

「何だよ、お前それ知ったから拉致られたんじゃないのか?
 ここに連れてこられた俺たちはそれが理由。お前は違う?」

「あ...地上に戻るもいいと... 」

「地上に放たれても人に喋ったら即効殺される
 ってことだ。そこまで聞いていなかったか?」

「 ...聞いていない」

「それは質問しなかったからだろうな」

ディオンが笑って言う。

「不親切なヤツは質問されないと応えない」

「あ、それで...ここで一生を...ここで?」

「地上のミ・ロアよりいい。たまに地上に連れてくれるし」

「たまに...?」

「俺たちも厨房だけじゃなくてあいつらの手伝い
 をさせられることもある。それぞれの得意でな」

「得意...?」

イライジャが活気めいた顔をした。

「俺は詐欺偽造師。ヒアジはスパイ兼売人。ディオンは爆薬
 火器制作破壊。グラニは知能横領、スーサは麻薬、お前は?」

「 ...俺は...殺人兵器で」

「人殺しか...短気か?」

「いや、違う、組織の」

「へえ、ヘマやったのか?」

「組織がなくなった」

「そうか。それでお前もクルーになりたい?」






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