【甘露雨響宴】 The idle ultimate weapon

 かんろあめひびきわたるうたげ 自作涅槃長編活劇[100禁]

ALLION【98】イーギンの電話

2010-05-06 | 4-1 ALLION




 ALLION【98】 


SPの電波を伝ってもエヴァが持っているならその電波までも消滅されてしまうので、最初は、このSPはエヴァと繋がってると思い込んでいたイーギン―電波の確認をしなかった。

しかし、喋っているうちに、どうやら自分が喋ってる相手はエヴァではない?とカンが働いた。

もしかして、本当に何者かに拉致されていてそいつがエヴァのSPを取り上げている?と思いながら、単語に気をつけて喋っていた。

その間にSPの電波を辿った。

エヴァが持っていなければ、SPの電波はフツウに確定出来る。

同時にエヴァのSPというワードでカナン検索出来る。

それで、エヴァのSPの場所が確定された。

イーギンは自分が喋っている相手がアリオンだと知った。

こいつ...どうやってエヴァのSPを?エヴァは知ってるのか?
これ盗み聞きだなあ...さっきの生体反応はこいつのせいか?

イーギンは思わず、くすっと笑った。

『ああ、それともうひとつ。お前がこの前、夜を過ごした男の正体
 を教えよう。超有名なヴァイオリニストだ。関わるなら十分気を
 付けろよ?あ、喋れるようになったら電話しろ。仕事の件だ』

イーギンはアリオンの反応を待たずに切った。

こいつをつければ、エヴァと会える...そして、修羅場かな?

それでエヴァが俺を求めればいいが、そう巧くいくか...。

イーギンはカナンを見てアリオンを追った。

アリオンはわけがわからなくなってSPを見て蒼褪めていた。

どういう...ライラ...どういう意味?...誰だ?この話は?

ほろ酔いの頭はすっかり冷めてアリオンは自分の控室に走った。






いきなり響いた扉の開く物凄い音に、色々あって頭も肉体も疲れて熟睡していたエヴァが驚いて跳ね起きた。

照明消したはずの部屋は明るくて目前には怖い顔のアリオン。

あ...ら...それって...もしかして...マジ電話あった?

え...でも何で怒ってるのよ...怖いんだけど...?

半ば歓喜して半ば慄いて―エヴァは驚いてみせた。

アリオンは、戻ろう。と言って自分とエヴァのケースを手にした。

「待って、私も?タクシーに乗るまで?」

「話がある。だから部屋に入れる。君の仕事は話が済むまで」

う...軟禁どころか拉致じゃんっ!...ちょっと待ってよ?

もしイーギンと会話したならイーギンは...どうするかしら?

怒りの表のアリオンの後ろにエヴァは黙って続いた。

「待ってよ?話だけなら部屋まで行かなくても、ほら私
 明日会社だから長くなりそうなら明日でもよくない?」

エヴァの懇願―最悪修羅場を想定していたが、本当にそうなら部屋の方がいいけど、明日寝坊するのはや~を考える。

「だったら明日は休んでくれないか?責任があるなら無理
 だろうけど。報酬は出す。明日まで仕事をお願いしたい」

えええ!どうせ、借金で身が壊れそうなオンナよっ!

それを言えば、従うと思ってるのっ?!

「でも、明日は午後からパーティーだけでしょ?」

「最初の約束だ。誘ったときは食事に付き合ってくれると」

あら...なんだか、怒ってないわ?

「う...わかったわよ」

「ありがとう」






エヴァが助けを要請しない限り出て行かないと決めていたイーギンは自宅の自分の部屋でカナンに映るアリオンを観ていた。

その横で、サファイアが興味深げにアリオンの横に居るだろう見えないエヴァを見ていた。

「ねえイーギンこれ...もし、もしさあ、エヴァが
 アリオンと...なんかそんな風に匂うんだけど?」

「そうなって嬉しいのはお前だろ」

「え... 」






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