CECIL【187】
「子供は神様からの預かりもの、30年育てたら神様に返します。人
の独り立ちのときがそれです。父母になったら.余所見せず100%
見詰め続けて愛を注いで大切に育てましょう。なんて言う宗教が
ナール圏にあれば、子供の戦士や労働や虐待や放置がなくなる...
そんな宗教ならあっていい...そだ、それだけのためにやるか?」
「船長、今それ発想したわけじゃないだろ?機運が回ったと?」
「セシルがではなく、ユーディットかそうしたかった長年の夢 だ
あのコから聞いたことがある。リュディアの神殿はそれを謳って
いた..国を離れてナールの子供たちの悲運にどれ程嘆いたろうと」
「本人の生まれ落ちる母や場所の選択ではなかったとしたい」
「当時の嗚咽の悲願があればこそ今に繋がる。いずれも肯定」
「まだ我が子は勿論、戦地跡でも荒地でも子供と接触したことない
セシルにもソレはあると?ユーディットの血を受け継いで...いや
女性だからそのDNAから我が子なくても敏感か...子供接触未経験
でもコス様になる宣言は大勢の子供の庇護者だ」
「俺は俺の方法、ユーディットは...彼女たちは、力得たなら
ソレが可能なら、長年の夢...それがしたかった...んだろう」
「あ―成程。女神に夫は必要ない...と。リカルドが
知ったら泣くだろうがそれぞれ行きつくところか」
「そだ、ラウル、お前がそう説明して来い
でわっ。早速、金目部隊を作ろうかっ!」
「船長?!...やる気は判ったが、そこ迄?」
「親衛隊は必要だ?その前に不老不死でも地上に降りては非力だ
皆でやる大芝居だとオリーヴは言っただろ?援護部隊結成当然」
凛として発言した後、ギーガは、これでエヴァは俺の許に戻るっ!と思わないか?パメラの件はおいおいでも。と言った。
「結局そっちかよ...それでは当面、指輪は宙に浮くな」
「いやいや、先ずはナール思考の宗教から始めて次第に壊していく
コス様はピラミッド型の団体を嫌うが、最初は彼らをただ見守る
そこでロードオブザリング..指輪を持って来た者に全権を与える」
「え゛っ女海賊パメラの涙をまじでやる?」
「判った、船長、計画は楽しいだろうが、その前に『H2』の話、」
ヨウリが言ってギーガは、何かあるのか?とすっ呆けて訊いた。
「『HAPPYHOUR』のその後の経緯、知る必要あるだろ?」
「マフィアの解体のその後と似たり寄ったりだろ?何が違う」
「まあそうだが、背に表は化粧品会社で生物兵器作ってる『ヒス』
から資金援助受けている。あれだ『ヒス』の女性社長と『H2』
の現在幹部のおっさんが懇ろで...そうなって力付けて開拓着手」
「だっせえ...いやそんなもんだな。最初は放置でいいだろ。コス様
がお怒りになったらシオンが『ヒス』吸収に駒進める。他に?」
「お怒りになったら人力ではない天罰か..そらセシルに補佐がいる」
「だろ?そうでなかったら人のペテンに離反つきもの。手を出して
ナールのペテンカルト新興宗教みたいに離反者続出なんて失敗だ
だからマジック駆使の金目部隊がいる...何人にしようかな」
「ロジン使わずの金目だろ?入れ替りもバレない
最初は経験者でオニキスとウーナとアビゴル?」
「3人ってちょっと威力なくない?しかも狐が一匹混じってる」
「狐じゃないけどな、あでも狐でいいかも、神様の手足っぽい」
「じゃ何人がいいんだよ」
「コス様登場のときは背後に10人くらい欲しくない?」
「それならガイチームの出番だ」
「よし。それだ、オニキスをコス様の側近にして...アビゴルの狐は
誰かと交代、で金目部隊では狐でいい、ロータスがカシラとなり
ウーナ以下7人。だが、7人は信者に見せるときだけヘルプ」
「金目部隊って...スーツじゃないよな?ファンタジィにするの?」
「実在部隊だ、それがいい?がアンリに任せる。喜んで作る」
「10人分ならたいしたことないな」
「気が向いたら俺も行くとか言い出したり100人とか言い出す」
「そこっオリーヴ、小声で喋るな、聞こえんっ」
「何も言ってませんっ」
「 ...ではオリーヴはセシルとあの雄ふたりに告げて来い。後で船
に上がる。ヨウリはセシルが見易いように『H2』全員のデータ
を纏め上げておけ」
何でロータス突然指名?あいつは今はガイチームではなくハビタだとこっそり言ったラウルにアランがくっと笑って、エヴァに点数稼ぎ、媚売だろ?と小声で返した。
そこにギーガが、エヴァが何だ?と挟んで来た。
「あう...エヴァには何時言う?それとも行く?ゼノビアんとこ」
「そうだな。行かねばならんなっ」
ザーイン・1トルニア・ハビタの海岸―
移動してからは毎日、常夏の海でサーフィンをしていたリカルド、それに付き合うサファイアとカメリアの許にロータスが戻って来て―セシルの話をして今後の話もした。
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