『やあ翁さん、やっと春めいて来て、暖かくなるかな。今日は手近なコンビニで卵を買ってくる?、冷蔵庫に2パックあるからあげるわ、ハハハハ。毎朝目玉2個のハムエッグに大豆の食パンかね?、卵はミネラル栄養の優等生だそうだわな、血糖にも影響はないのかね?』
『どうも、茂さん、飽きたから出かけてきたが、会えて良かったわ、ハハハハ。縁側でお茶をご馳走になるかな。奧さんは?、公民館で卓球を?、朝はゴミを捨てながら交代で周辺を清掃しているおばちゃんたちとだな。この頃はバス停の周辺も3人で清掃をしているね』
『以心伝心のようだが、隣の集落では、バスの折り返し所に交代で花を植えているそうだよ、若い嫁さんから婆さんまで、皆さんが集まり話をするきっかけのようだな、結構なことさ、ハハハハ。弘子さんは近所の乳飲み子3人を交代で預かっているそうで』
『快適な住環境の原点は、地域の人間関係だそうで、戦後の横浜のスラム街、市が新たな居住地を斡旋したそうだが、隣組の連帯が崩れることで、貧民が移転を拒んだそうで。・・・・とんとんとんからりんと、隣組、何軒あろうと1所帯、心は一つ屋根の月なのだろうよ、ハハハハ』
『そうなんだ、隣組には子供会もあって、助け合って生きていたよ。良きリーダーのガキ大将がいて、社会生活の善悪を教えていたわ。・・・・それが都会では今は大きなお世話らしく、多くが自己完結の価値観らしいわ。そう自分の意見を最優先にする人だがね、ファハハハ』
あとがき==どう生きようとカラスの勝手、でも地域社会は存在をする、住民相互の交流が行われる場なのだが、ハハハハ==放念の翁