どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設15年目を疾走中。

自薦ポエム⑯ 『幻月夢占い』

2020-07-09 00:40:51 | ポエム

九尾の狐か 狸公か
闇が染み込む 森羅の森で
妖しい月がたわぶれる
東の方から流れ来る
半鐘の音は何事ぞ
ジャンジャンジャンジャン早鐘が
那須野が原をかきむしる
 
湿った雲が立ちこめる
雲の裏から 三つの月が
うすら笑いの 顔を出す
この世の不幸は 日を選ばず
月が子分を引き連れて
厄災の日に現れる 
憑依の狐がひと踊り
 
株高 鼻高 物価高
居丈高 声高 オラのことだか?
そうだよ 秘密が大好きで
弱きをくじき 強きを助く
親孝行のプリンスだい
怪しい世相の先行きは
西高東低 冬型天気
 
寒波の中をさまよえる
病人 年寄り 身寄りなし
天災人災 背に負って
故郷を追われた避難民
少しの補償で諦める
か細い声と 羊の眼
江戸の頃から馴らされた
奥の細道 安普請
 
近場はハッキリ 遠くはぼんやり
先が見えない 減視力
揺れる大地を 揺りかごに
生まれ育った鈍感力が
他人の命を 道連れに
ヒーロー気分で突っ走る
ボクは嫌だと喚いても
赤紙の舞う冬嵐
 
那須野の空の幻月が
いよいよ滲み 崩れ出す
ひとつの月が 三つに見えて
どれが本物 何が嘘・・・・
積極的な平和主義 
背骨ぐずぐず甘い罠
この一年は淑やかに 
あとは脱兎か馬の脚
 
行く年来る年 除夜の鐘
初夢はさて富士の山 
鷹の爪までお出ましか
 

(『幻月夢占い』2013/12/29より再掲) 


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