どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム399 『鬼火』

2024-12-07 00:54:00 | ポエム

鎌倉時代は戦が多かった

名のある武将は墓を持てるが

関東各地から集まった雑兵は

死んでもその場で野ざらしにされた

 

月日が経って白骨は一カ所に集められた

海からそう遠くない湿地帯だ

そのころからあたりには鬼火が出た

青白い蝋燭の炎に似た発光体だ

 

鬼火の正体は人間の怨念だという

人魂だと信じる人もいる

深夜そうした怪火を見たら

怪し火の正体は怨念に行きつくだろう

 

いっぽう春から夏にかけての湿地帯で

雨の降る生暖かい時期に注目し

人骨からリンが溶け出し

発光するのではないかという説もある

 

ポッポッと地上数十センチで怪火が動いたら

誰でも魂消てしまうよね

現在では湘南モノレールの駅がある場所だが

戦に明け暮れた鎌倉時代がそこにある

 

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