どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

真夏の怪談 その4 『四街道の竹藪』

2024-06-08 00:17:00 | 短編小説
海野太吉は千葉県内をよくドライブした。 勝浦や御宿が好きで、家族を乗せて行楽に引き回した。 自宅が都内にあったので、あるとき茂原から四街道を経由して家に帰ることにした。 自動車の道路ナビなどない時代に地図を頼りに近道を探して強行突破してきた。 すると四街道に近づいたと思われる頃いきなり目の前に竹襖が現れた。 「えーっ、なんじゃこれ?」 家族も身を乗り出して怖がった。 「おとうさん、引 . . . 本文を読む
コメント (4)