トットひとり 黒柳徹子
黒柳さんの交遊録で、皆さんなくなって、黒柳さんひとり取り残され
たというお話です。長生きするということは、親しい人とつぎつぎと
別れることでもあるのですね。
黒柳さんは書いてます。「単に同世代、というより、自分と同じ匂い
を持ったひとたちが、知らず知らず、いなくなっていく。そんな寂寥
感を味わうことが、歳をとる、ということかもしれない」って。
杉浦直樹さんが死んで、わたしの芸能界における〈家族〉は、本当
に、皆、いなくなってしまった。芸能界での家族というのは、お母さん
と呼んでいた沢村貞子さん、お兄ちゃんの渥美清さん、お姉ちゃん
の山岡久乃さん、そして、セイ兄ちゃんと呼んでいた杉浦さん、これ
で全部。
私は黒柳さんの「窓際のトットちゃん」を初め、何冊かの本を読んで
います。とてもす~っと心に染み入る文章で大好きです。
お喋りの上手な人の文章は面白くないことが多いのですが、黒柳さ
んは違います。お喋りも楽しいのですが、文章も楽しいです。
また、新しい本が出るのを楽しみに待っています。