ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

ツナグ

2013年11月07日 | 読みました

     「リボンフラワー」   木も大きくなり沢山の花をつけました     (13-11-1)




今日は滋賀県の守山市から「マロンパイ」が来る嬉しい日でした。今から2ヶ月
ほど前、ネットで申し込みをするべく、アクセッスしましたが、なんど時間を変え
てしても「本日の販売は終了しました」と出ます。思い切って、7.8回目だったと
思いますが、朝の5時ごろアクセスして、やっと在りました。

申し込みをしたものの、送ってくれる日にちは、お店側の指定です。その日が
今日だったのです。「栗の時期」しか作っていないというので、注文が殺到す
るらしいのです。私がこの店の事を知ったのは、実は去年でした。早速アクセ
スしたところ「今年は終了しました」ということで、一年越しのお話です。

宅配が着いたのが、昼過ぎで、お昼ご飯を食べ終わったばかりでした。お腹が
いっぱいで食べられず、このごろはお三時も食べませんし、「明日かな?」と思
ったのですが、やっぱり我慢できなくて、夕食の後に、主人と半分っこして食べ
ました。涙ぐましい努力?で手に入れた「マロンパイ」おいしかったです。
明日の朝は、コーヒと共に食べますよ。楽しみです。


     ツナグ   辻村  深月

待っていた本です。もともとは映画で知ったのですが、見損ねてしまいました。
それで本を読むことにしました。その後、友人の大学生のお孫さんが「この本
に痛く感銘を受けた」と聞いたので、大学生と、老人とでは、感じ方が、如何
違うのかにも興味を持ったのです。

確かに「何となく、何かを感じるのですが、言葉にするには難しい」と言う大
学生と同じ感じを受けました。

使者と書いて「ツナグ」と読ませています。死者と生きている人間とあわせる
と言うのです。面談は死んだ者と生きた者、どちらにとっても生涯で一度きり
の機会になります。一人の死者に対して、会うことができる人間は一人だけで
です。

「アイドルの心得」   早世したアイドルとファンの面談です。死者のほう
に「会いたいと言う希望を受けるかどうかを選ぶ権利があります」死者の方か
らこの世に生きる人間にではなく、向こうから(生きている方)依頼があるの
を待たなければなりません。

平瀬愛美はアイドルの水城サヲリと面会できて、自分が確かめたかった事「8
年前路上で酔っ払って苦しんでいた時、助けてくれたのが貴女か?」と聞くが、
水城は覚えていなかった。

「長男の心得」  晴彦は母親が亡くなり、生前「親が恋しくて、ツナグに頼むな」
と言い残した母の言葉を無視して、理由を儲けて、会うことにした。現れた母親
は、病に掛かる前の姿で現れて、自分がツナグに頼んで先に死んだ夫に会い
に行ったのは、晴彦の息子(初孫)を夫に見せるためだったと話す。だから、自
分の意思ではないにしても太一(孫)は一度死者に会ってしまったから、太一
にツナグの連絡先を教えても、使えるかどうかはわからないと告げる。

「親友の心得」「 待ち人の心得」と二つのお話が在り、「使者(ツナグ)の心
得」となります。この最終回には祖母から、孫・歩美(あゆみ)へ「ツナグ」
を受け継いだ理由が明かされます。そして「アイドルの心得」「長男の心得」
「親友の心得」「待ち人の心得」の顛末をツナグが祖母と語ることによって、
「ツナグの心得」を会得してゆきます。

始めて依頼者と会うのが、何故病院のベンチか? ということも明かされます。

私が、一生のうち、一度だけ、死者に会えるとしたら、「母」ではなく「祖父」
だと思います。人間は5歳までに色んなことが作られるといいます、それなら、
一番影響を与えられたのは、働く母に代わって、私の面倒を見てくれた、祖父
だからです。

そして集団疎開先に、80歳の祖父が、神戸から加古川まで(当時、切符が中
々取れなくて)早朝に家を出て、夕方まで、歩き続けて、私に会いに来てくれ
ました。仲間がやはり肉親に会いたいだろうに、私だけ会ってすまないという
気持ちもあり、私は、祖父につれなかった。寮母さんが祖父の年齢も考えてだ
ろうと思う、泊まっていくように勧めてくださったが、祖父は、1時間も居ないで
帰っていきました。

そして1ヵ月後、祖父は私の帰るのを待たずに亡くなった。其の祖父の年齢に
近づいた今の私は、とても孫に合うために、加古川まで歩けないと思う。それ
ゆえに、あの時そっけない態度をとった事を謝りたい。あの時の、寂しげに帰
る祖父の後姿が、未だに私の目に焼きついている。「おじいちゃんごめんね。
ありがとう」と謝りたい。
                                      (2220回)


コメント (2)
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