ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

警察官の血  

2012年04月17日 | 読みました

  真っ赤に燃えるような「マンサク」 この色も珍しい  尼崎・立花の町角   (12-4-15)


「尖閣諸島を東京都が買い取る」の見出しに、驚くやら、嬉しいやら、「やっぱ
り、石原知事のすることは違うわ!」「国が買わないから…」と知事、持ち主
も「東京都になら売っても良い」とか。こうして、れっきとした持ち主(国が借主
で年間2000万以上のお金を支払っている)がいるのに、何故、中国に、言い
たい放題させているのでしょうね。買い取り値が10億か15億円らしいですよ。
どうか商談成立して、新しい持ち主の東京都の行動力を見たいですね。


        警察官の血   上下     佐々木譲

勿論この方の本は初めてです。30年前、79年に「鉄騎兵、跳んだ」でオー
ル読物新人賞受賞。90年には「エトロフ発緊急電」で日本推理作家協会賞、
山本周五郎賞、日本冒険小説協会大賞をトリプル受賞されたようです。いくら
受賞作品の多い作家と言えども、一つの作品で、3つの賞を取るなどと言う人
は、この方だけではないでしょうか。

凄い方の小説を知らず、私が読んでいるブログの方が、この小説を紹介なさっ
ていて、何か気に掛かり、読んでみようと思いました。予約本がなかったので、
棚を探しますと、ありましたので借りて来ました。

親子、孫と3代続けて警察に入った家系の物語なんです。私は親子2代の話
なのかな~と想像していたのですが、読み始めて、上卷の半分も行かないの
に、主人公が死亡し、息子の代に話が移ったので、おかしいな? とは思っ
たのですが、孫まで出てくるとは思いませんでした。

主人公、安城清二(父)が警察学校でグループだった3人と絡んでくる話です。
清二は駐在警官を希望した。そして、着任した時上官に「覚えておけ。駐在警
官は、ただの外勤警官とはちがう。極端な言い方をすれば、外勤警官は勤務
中だけ真面目な警官であればいい。だけど駐在警官は、24時間、立派な警
官でなくちゃならないのだ」

その子供にしても、私服警官、外務署の外勤巡査であれば、働く父親の背中
を見て育つと言うことにはならないが、駐在警官の子供は、父親の全てを見
て育つ。課程人の部分も、職業人としての部分も、公務員としての顔も父の
顔も、人格丸ごと見て育つ24時間、父親の強い影響下にあって育つことに
なる。

清二は過去の二つの未解決の事件にこだわっていた。駐在警官は捜査権は
ないから、個人で解決しようとして、その端を掴んだ時に、自身も命を失う。駐
在所の隣の火災の最中に、持ち場を離れたことで、その死は殉職とは認めら
れなかった。

息子の民雄も、警官になる。父親の汚名を雪ぎたいのと、父の追っていた事件
も気にしていた。大学を出て警官になる。見込まれて北大に入学、赤思想の間
に潜入し、スパイになった。その力で警察は赤軍派一斉逮捕を行った。任務を
終えた後は、希望の駐在警官になり、殉職する。

その息子和也も叔父の助けを得て、大学を出る。叔父との約束は「警察官には
成らない」と言うものだったが、やはり警察官に成る。与えられた任務は、同じ
警察官の罪を暴くことだった。

祖父の謎、父の死、色んな事件のけりをつけるつもりで、祖父の仲間に会うが、
結局は祖父、父の警官としての不都合を知らされることになる。

和也は周りの全ての事を利用して、己の人生を切り開いていく。したたかな生
き方を想像させる終わり方でした。




        私の一番好きなアングル 尼崎・高瀬公園の桜   (12-4-15)
コメント
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