ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

横田早紀江さんの本(2)

2006年09月22日 | 読みました
              ネリネ
       彼岸花と同じ、花が終わってから葉が出る
         何も見え無かった所に芽を出すと
       ニョキニョキと伸び蕾をつけ、花を開く

めぐみさんが行方不明になってから、早紀江さんは洗礼を受けられたそうだ。小渕恵三首相が「拉致問題」に理解を示しておられたらしい。もしご存命なら「拉致問題」も違っていたかも知れない。

★拉致事件が発覚してから長男はインターネットを使って「これほど恐ろしいことが起きていたのに、20年間にわたって日本政府は何をやっていたのだろう」と言う意味のメールを、橋本龍太郎首相(当時)や小渕恵三首相、高村雅彦外務大臣、そしてクリントン大統領に宛てて送っているようです。・・・中略・・・外務省アジア局長加藤良三さん(当時)からお電話を頂きました・・・メールを読んでおられるのだなと思いました。

弟さんとして居ても立っても居られない気持ちだったのでしょう。メールと言うのが今風だと思いました。

高校生で両親が共働きの子(家に誰も居ないので電話が使えたのでしょう、逆探知の為に早紀江さんは後で気がつけば1時間近くも話していたそうです。そんなところがやはりまだ子供ですね)が誘拐犯を装って脅迫電話をかけてきたこともあったそうです。

★朝日新聞の長谷川さんが、めぐみの事件を特集した『アエラ』の見本を持って、再び我家を訪ねてこられました。長谷川さんは、めぐみや私達夫婦の名前を実名で出したいと、仰いました。・・・私は気が変になるくらい考えました・・・実名を出すことで、どんな影響があるか分かりません。証拠をなくしてしまうために、めぐみがバーンとやられてしまうかもしれない・・・遠くに離れている息子達に電話をかけ、主人と私の考えが違うことを話し相談しました。息子達は「お父さんのかんがえが正しいと思う。しかし父親としての立場で物を言っていない。多少解決が遅くなっても、危険が高まることは避けるべきだ」との意見で、私同様、実名は出さない方がいいというものでした。主人は家族の中で一人、実名を出した方がいいという考えでした。・・・「危険なことはあるかも知れないけれども、それならいっそ本名を公開して世論に訴えるほうがいい。実名を出して「日本はこれだけ情報を持っている。手出しをすると大変な事になる」とのメッセージを北朝鮮に出すことで、むしろ安全が図られるとの意見です。すでに現代コリア研究所のホームページには「横田めぐみ」と名前も出ている。主人は、そう考えて、本名を出すことを了解すると決めました。私は一睡もせずに考えあぐねましたが、主人の判断を信じて、それに随いました。

ヘギョンチャンの呼びかけに北朝鮮を訪問したいと言ったのも滋さん一人で、早紀江さんと息子達は「まず、めぐみを・・・」と言う事で意見が分かれたようですね。このときは滋さんが折れたようです。

★安明進(元北朝鮮工作員)の書かれた『北朝鮮拉致工作員』には、こんな酷い話が書かれてありました。・・・めぐみを拉致した教官によると、めぐみは船の中で激しく泣き叫んだので、真っ暗の船倉のなかに40時間以上閉じ込められた。船倉ではめぐみはずっと「お母さんお母さん」とさけんでおり、出入り口や壁などをあちこち引っかいたので、着いてみたらめぐみの手は爪が剥がれそうになって血だらけだった・・・私はこの箇所を読んだ時、はきそうになりました。しかし、そのとき私は涙を流しませんでした。そのとき私が感じたのは、心の奥底からこみ上げてくる深い深い怒りだったのです。

このことは早紀江さんがテレビで語っておられるのを見た時、私は泣きそうになりました。それは同情する立場の私だったのだとこれを読んで悟りました。親の早紀江さんにとっては泣くなんて簡単なものではなかったのです、心底からの怒りだったのです。    明日に続きます。
コメント (1)
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