サッカー日誌 / 2011年07月04日


ブラジルの女子用システム


女子ワールドカップ観戦日誌(6)

6月29日(水) <D組>
ブラジル 1対0 オーストラリア(18:15 メンヘングラッドバッハ)
ノルウェー 1対0 赤道ギニア(15:00 アウグスブルク)

★ボルシア・パーク
 メンヘングラッドバッハは地方の町である。特急(ICとICE)の停まる大都市のデュッセルドルフあるいはケルンから支線の列車(DB)か電車(Sバーン)で1時間くらいかかる。ドイツ、米国に次ぐ優勝候補のブラジルが、この町に登場した。
 駅からバスで10分ほど。町外れに「ボルシア・パーク」がある。サッカー・スタジアムのほかにサッカーフィールド3面、人工芝のホッケー・スタジアムがある。「ボルシア・メンヘングラッドバッハ」のホームである。1970年代にへネス・バイスバイラーが監督だったとき三菱のサッカーを指導し、来日したことがある。
 人口26万人ほどの地方の中都市に、立派なスポーツ施設があり、有名監督を迎えることのできる伝統あるサッカーチームがある。そういう町だから女子のワールドカップを開催することができたのだろう。

★ブラジル的でない守り
 ブラジルの守備ラインを見てびっくりした。オーストラリアのツートップに、ディフェンダーが1人ずつマンマークでついている。その背後で、もう1人のディフェンダーがカバーしている。1970年代に多かったシステム(布陣)である。日本では最初カバー役が「スイーパー」と英語の呼称で紹介され、のちに「リベロ」とイタリア語で呼ばれるようになった。しかし、その後すぐにフィールドの横幅68㍍を4人の横1列のラインで守る「ゾーン・ディフェンス」が主流になった。
 男子のブラジルチームは、もともと1950年代から4人横1列の守備ラインの元祖である。マンツーマンでガチガチにマークしたうえに。用心深く縦に守るのは自由奔放なブラジル人の気風に合わない。そう思っていた。
 ブラジルでも、女性は違うのかと奇妙に思った。

★得点はブラジル流個人技
 ブラジルのクレイトン・リマ監督は、試合後の記者会見で質問を受けて、こう説明した。
 「女子の場合は(フィールドの横幅を)4人のラインでカバーするのは難しい。だからリベロを置くシステムを使っている」
 ゴール正面をリベロを置いた3人で守り、サイドからの攻めは中盤のサイド・プレーヤーが下がって守る。男子のブラジル・サッカーとは違う守備的な戦いぶりだった。その守りでオーストラリアの攻めを押さえ込んだ。得点は後半9分、トップのロサナによる1点だけ。ゴール前の混戦のなかで、巧みにボールを操って浮き球で押し込んだのは、ブラジルらしい個人技だった。
 ノルウェーは赤道ギニアに終了間じかの1点で辛勝。このグループでは、ブラジルがやや上のようだ。


スタンドで応援するブラジル人一家。ドイツ在住だという。



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