南アフリカW杯 / 2010年07月15日


南アフリカ大会の残したもの


南ア・ワールドカップ旅日誌(35)
7月13日(火)
(プレトリア ビバ!ハウス)

◇アフリカへの見方を変えた
 「海外からのファンが、友好的な南アフリカを賞賛」
 閉幕の翌日、地元の新聞にこんな見出しの記事が掲載されていた。アムステルダムから来たファンが「こんなに道路網が整備されていて、ホテルもちゃんとしているとは思わなかった。オランダよりもいい」「南アフリカの人たちは、みな明るく親切だった」と語ったという。日本から行ったぼくたちも同じ感想を持った。テレビ報道による影響も含めて、アフリカへの見方を変えたという点で今回のワールドカップの役割は大きかった。
 「南アフリカは殺人が多い」「交通事情が悪く移動がたいへんだ」という大会前の報道は、かなり偏見や先入観に影響されたものだった。ワールドカップに絡んだ凶悪犯罪や大事故はなかった。競技場付近で盗難やひったくりがあったが、これはいつのワールドカップにもつきもので、南アフリカの土地柄のせいではない。

◇大衆の誇りと自信
 「スペインがチャンピオン。すばらしい大会になったのは南アフリカの功績」という見出しの記事もあった。これまでに比べて勝るとも劣らない運営で大会をやり遂げたことは、南アフリカの人々に誇りと自信を与えたに違いない。競技場で地元の人から「4年前のドイツ大会に比べて組織と運営はどうか?」と質問された。「ドイツに負けないくらい、しっかりやっているだろう」という誇りが口ぶりからうかがえた。
 運営の成功を支えたのは、あらゆる部門で働いていたボランティアだった。これほど多数のボランティアが動員された大会は、これまでになかっただろう。
 ボランティアのほとんどは、それほど恵まれてはいない階層の黒人だった。海外から来たサポーターやメディアの人びとに、笑顔で親切に応対してくれた。大会の成功にもっとも貢献したのはVIP席のお偉方ではなく、サッカーの好きな大衆だった。


ボランティアの登録に行列する人たち(左側の列、右側はメディアの登録)。


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