サッカー日誌 / 2009年10月27日


W杯準備の10月シリーズ(2)


森本貴幸が登場した日
親善試合 日本2-0スコットランド
10月10日 横浜・日産スタジアム

★待望のストライカー登場
 のちになって、2009年10月10日、横浜日産スタジアムでの対スコットランド戦は「森本貴幸が登場した試合」として記憶されることになるかもしれない。そう思ったほど、あざやかな日本代表デビューだった。
 後半11分、森本の交代出場がアナウンスされると、ほぼ満員のスタンドを揺るがすような拍手が沸き起こった。ストライカーを渇望しているサポーターの気持ちが表れていた。
 森本は期待にこたえて日本の2ゴールの両方にからんだ。後半37分の1点目は、相手ディフェンダーのオウンゴールだったが、そのもとは、左の駒野からのすばやいライナーのクロスである。攻め上がった駒野がフリーになっていたのは、その前に森本の中盤でのドリブルが相手の守りを引きつけたからだった。そのあと、森本はすばやくゴール前へ詰めていた。相手が自分のゴールに蹴りこまなければボールは森本に渡っていただろう。

★ゴール前でスペースを作る動き
 終了間際の2点目も中盤で森本が起点になって攻めを組み立てたあとに生まれた。ゴール前では、駒野の低いクロスを受け、背中に相手を背負いながら鋭く反転してシュートした。それが相手にあたって跳ね返ってこぼれたのを本田が決めた。2点とも森本なしには生まれなかったゴールだった。
 森本の特徴はドリブルやシュートの鋭い切れ味にある。しかし、それ以上にすぐれた能力がある。それは、ゴールを狙える場所へ入り込む動きの質である。
 急にスピードをあげて走り出す。それによって相手の守りを引きつけてスペースを作り、反転して自分の動きで作ったスペースへ入ってラストパスを受けようとする。そういう動きを、何度も繰り返していた。「ゴールの臭いを嗅ぎつける」と言われる本能的な感覚のように見えるが、実はアイデアと努力、経験と練習の成果だろう。

★問われる監督の手腕
 今回のシリーズは、ワールドカップ本番をめざすチーム作りの第1歩だった。
 この試合は1週間に3試合のうちの第2戦。最初の対香港戦からは中1日だけだったから、先発メンバーは総入れ替えで、代表初登場の森本をはじめ、これまで、あまり出番のなかったメンバーが起用され、それぞれ個性的ないいプレーをみせた。日本代表の選手層が厚くなっていることを示したということもできる。岡田監督は「これからメンバー選考に頭を悩ますことになる」と話した、
 これまでも中盤には、特徴のあるプレーヤーが多く、中村俊輔を中心に、いろいろな組み合わせを試みていたが、前線の選択肢も岡崎、前田、森本らが加わって多くなった。
 それぞれの選手の個性を生かし、どう組み合わせるか。岡田監督の手腕が問われるところである。とくに森本を使いこなせるかどうかがカギになりそうだ。

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