サッカー日誌 / 2014年07月15日


ビバ!ブラジルW杯時評(7)


意欲を失ったブラジル

3位決定戦
オランダ 3対0ブラジル
(7月12日 ブラジリア)

★決勝前日、リオへ移動
 決勝戦の前日、午前の飛行機でサンパウロからリオデジャネイロに飛んだ。リオの国内線用サン・デュモン空港からマラカナン・スタジアムに直行。メディア・センターのテレビで3位決定戦を見るためである。
 3位決定戦をナマで見たことは、ほとんどない。内容のある試合を期待できないからである。
 準決勝で挫折した両チームは、すでに燃え尽きている。3位も1回戦敗退も優勝でなかったことには変わりはない。
 オランダのファン・ハール監督は「3位決定戦は意味がない。廃止すべきだ」と主張していた。
 準決勝で屈辱的な大敗を喫したブラジルにとっては、せめて3位決定戦に勝って国民に「お詫びのしるし」としたいところだが、すでに町からカナリア色のシャツは消えている。ブラジルの国民にとっても3位は無意味なのである。

★開始早々のPK
 3位決定戦のキッククオフ3分にブラジルがPKをとられた。テレビで見た限りの話だが、このPKはおかしかった。
 オランダの選手がゴールを目指して突進したのを、ブラジルの選手が追いかけて、ペナルティエリアに差し掛かったところで、後ろから相手の肩に手を掛けて止めた。オランダの選手はペナルティエリア内に倒れ込んだ。アルジェリア人の審判はPKをとった。
 テレビの再現映像で見たところでは、ブラジルの選手が相手の肩に手を掛けたのはペナルティエリアの外である。オランダの選手が倒れこんだのはペナルティエリアの中である。これはPKだろうか?
 半世紀も前の話だが、サッカーの競技規則を管理している国際FA評議会の決定事項を読んだのを思い出した。
 「反則の起きた時点をいつとするか」という問題についての決定である。

★反則の起きたとき
 「反則の始まった時点とする」というのが、評議会の決定だったと記憶している。
 この決定が現在も生きているとすれば、ブラジルの反則はPKではなく、ペナルティエリアのすぐ外からのフリーキックである。ブラジルの選手の行為が「得点機会阻止」であれば退場になってもおかしくない。あるいは、オランダの選手が、わざとペナルティエリア内に倒れ込んだとして「シミュレーション」をとることも考えられる。
もちろん判定は主審の権限である。それに主審はビデオで判定するわけではない。だから「誤審」だというつもりはない。
しかし、勝負としては無意味な3位決定戦も、審判技術向上のための材料を提供するためには意味があったのではないかと、余計なことを考えた。
 試合はオランダが2点を追加して3対0で勝った。ブラジルは、まったく意欲をなくしていた。


コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (【蹴球亭】サッカー感戦家)
2014-07-15 14:00:33
第4審判西村さんと予備副審相樂さんでした。。。
 
 
 
3位決定戦考 (中川 桜)
2014-07-18 18:22:56
すべての国がひとつの優勝杯を巡って繰り広げる大会。そこでは確かに五輪と違って銅メダルの価値も無いに等しく、ファンハールの言うのもわかります。今回のブラジルは恥の上塗りみたいで気の毒でした‥。

3位決定戦といえば私は1990年のイタリア大会のそれを懐かしく思い出します。開催国イタリアは決勝に行けなかったものの、3位決定戦は観ていて楽しい展開でした。イングランドのFWは紳士的なリネカー、一方のイタリアは目つき鋭いごろつき風のトト・スキラッチ、二人の対照の妙。
試合終了後の両チーム入り乱れての記念写真の笑顔を見るにつけても友好ムードに満ちたよい試合だったように記憶しています。

フランスのように自国開催で優勝するのは確かに素晴らしい。が、勝ちもあれば負けもあります。たとえ3位決定戦にまわっても割り切って楽しく試合できたら観客は喜びます、世界のお祭りの一環として。‥まあお国柄にもよりますし押し付けられないですけど。
 
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