ワールドカップ12大会取材のサッカージャーナリストのブログ
牛木素吉郎のビバ!スポーツ時評
サッカー日誌 / 2011年07月15日
日本、実力の決勝進出
女子ワールドカップ観戦日誌(20)
7月13 日(水)
準決勝
日本 3対1 スウェーデン(20:45 フランクフルト)
米国 3対1 フランス(18:00 メンヘングラッドバッハ)
★史上最高の快挙
日本がスウェーデンを破って決勝に進出した。すばらしい。日本サッカー史上、男子を含めて最高の快挙である。
準々決勝でドイツに勝ったのは運に恵まれたところもあった。勝負には勝ったが、実力でドイツを上回っているとは言えなかった。しかし、準決勝は明らかに実力通りの勝利だった。
スウェーデンのデナビ―監督は「ご覧の通りだ。日本のほうがいいチームだった。日本のプレーヤーのほうが、勝つ意思が強く、パスの組み立てがみごとで、ボール扱いが巧みだった」と語った。
その言葉通りで、シュート数は14本対4本、そのうちゴールの枠に飛んだのは5本対2本、ボールの支配率は60%対40%と日本が完全に上回っていた。
★勝因は組織的守備
立ち上がり10分の失点をはねかえして3点をあげたので、日本の攻撃力に注目が集まったようだが、主な勝因は「守り」にあったと思う。
スウェーデンの選手が攻めこんでくるのを1対1で激しく当たってつぶそうとしても、相手は大柄で力強いから跳ね飛ばされてしまう。日本はチーム全員による守備で対抗するほかはない。
ボールを奪われると、日本は前線のプレーヤーがすぐに相手の進路を制約する。中盤では2人がかりで、1人が追い込んでミスを誘い、次の1人がボールを狙う。あるいは前線から駆け戻ったプレーヤーが奪う。
もともと日本が心掛けてきた組織的守備ではあるが、これほど、みごとにやりとおしたのは初めて見た。最高に近い完成度だった。
★「高さ」を生かせなかったスウェーデン
スウェーデンが「高さ」を生かす攻めを、それほどしてこなかったのにも助けられた。この日の先発メンバーの平均身長は、ゴールキーパーを除いて、スウェーデンが1m72cm強、日本は1m62cm。大会参加の16チームのなかで、もっとも背が高いチームと、もっとも背が低いチームの対戦だった。
スウェーデンがゴール前への「放り込み」を狙わなかったのは、日本の中盤の守備に、その起点を押さえられたからだろう。また、日本が低いボールをつないで攻めることを心掛けたので、そのペースに巻き込まれたためだろう。
3対1とリードされた後、スウェーデンは後半25分に、チーム最長身、1m80cmのランドシュトロームを出して最前線に立てた。ベンチは「高さ」を生かそうと狙ったようだが、プレーヤーたちは、それに合わせたプレーができなかった。

日本が決勝進出を決めたあとのフランクフルト競技場。
7月13 日(水)
準決勝
日本 3対1 スウェーデン(20:45 フランクフルト)
米国 3対1 フランス(18:00 メンヘングラッドバッハ)
★史上最高の快挙
日本がスウェーデンを破って決勝に進出した。すばらしい。日本サッカー史上、男子を含めて最高の快挙である。
準々決勝でドイツに勝ったのは運に恵まれたところもあった。勝負には勝ったが、実力でドイツを上回っているとは言えなかった。しかし、準決勝は明らかに実力通りの勝利だった。
スウェーデンのデナビ―監督は「ご覧の通りだ。日本のほうがいいチームだった。日本のプレーヤーのほうが、勝つ意思が強く、パスの組み立てがみごとで、ボール扱いが巧みだった」と語った。
その言葉通りで、シュート数は14本対4本、そのうちゴールの枠に飛んだのは5本対2本、ボールの支配率は60%対40%と日本が完全に上回っていた。
★勝因は組織的守備
立ち上がり10分の失点をはねかえして3点をあげたので、日本の攻撃力に注目が集まったようだが、主な勝因は「守り」にあったと思う。
スウェーデンの選手が攻めこんでくるのを1対1で激しく当たってつぶそうとしても、相手は大柄で力強いから跳ね飛ばされてしまう。日本はチーム全員による守備で対抗するほかはない。
ボールを奪われると、日本は前線のプレーヤーがすぐに相手の進路を制約する。中盤では2人がかりで、1人が追い込んでミスを誘い、次の1人がボールを狙う。あるいは前線から駆け戻ったプレーヤーが奪う。
もともと日本が心掛けてきた組織的守備ではあるが、これほど、みごとにやりとおしたのは初めて見た。最高に近い完成度だった。
★「高さ」を生かせなかったスウェーデン
スウェーデンが「高さ」を生かす攻めを、それほどしてこなかったのにも助けられた。この日の先発メンバーの平均身長は、ゴールキーパーを除いて、スウェーデンが1m72cm強、日本は1m62cm。大会参加の16チームのなかで、もっとも背が高いチームと、もっとも背が低いチームの対戦だった。
スウェーデンがゴール前への「放り込み」を狙わなかったのは、日本の中盤の守備に、その起点を押さえられたからだろう。また、日本が低いボールをつないで攻めることを心掛けたので、そのペースに巻き込まれたためだろう。
3対1とリードされた後、スウェーデンは後半25分に、チーム最長身、1m80cmのランドシュトロームを出して最前線に立てた。ベンチは「高さ」を生かそうと狙ったようだが、プレーヤーたちは、それに合わせたプレーができなかった。

日本が決勝進出を決めたあとのフランクフルト競技場。
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もし、日本が優勝なんて快挙が起こったら、じめじめした日本をぱーと照らす希望の光になる気がします。