サッカー日誌 / 2010年09月08日


ザッケローニ監督を考える(下)


めざしているチームの姿は?
監督「私のサッカー哲学は調和だ」
(8月31日の就任記者会見から)

◇システムは状況による
 ザッケローニ監督の就任記者会見で、次のような趣旨のやりとりがあった。
 「あなたは選手を見てからシステムや戦術を考えるのか? それとも確固たるシステムや戦術があって、それに合った選手を選ぶのか?」
 「このレベルでは、相手によってシステムを変えなければならない」
 新監督の答はサッカーの常識である。システム(基本の布陣)は、相手により、自分のチームの選手により、また試合の置かれている状況によって決めるものである。
 それでも、こういう質問が出たのには理由がある。
 ザッケローニ監督はACミランで「3:4:3」の攻撃的布陣にこだわったと伝えられたことがある。イタリアでは、ワントップあるいはツートップで逆襲を狙う「守り重視」が伝統だが、ザッケローニ監督はスリートップの「攻撃重視」だというマスコミの「伝説」がある。それを踏まえての質問である。

◇戦術的なバランス
 ザッケローニ監督は、こう付け加えた。
 「私は攻撃的なサッカーを好む監督だとイメージされているかもしれないが、自分では、バランスのとれたチームを作り、バランスのとれたサッカーをすることの出来る監督だと思っている」
 この場合の「バランス」は、攻撃と守備についての話で、戦術的な用語である。
 ところが、別の場面でも「バランス」という言葉が出てきた。
 「モットー、あるいは好きな言葉はあるか?」という質問に対する答えを、通訳が「好きな言葉はバランスだ」と訳したのである。
 その夜にNHKテレビのスポーツニュースを見たら、この場面が取り上げられていて、テロップで「私のサッカー哲学は調和だ」となっていた。これだと戦術的な話ではなく、サッカーに対する考え方か、チーム作りの方針の話になる。

◇コミュニケーションで調和を
 あとで友人に聞いた話だと、NHKは会見のすぐ後の夕方のニュースでは、同じ場面を通訳の言葉によって放映したらしい。ところがNHKの内部でイタリア語の分かる人が見て「訳が違う」と指摘し、専門家に訳し直させて「調和」のテロップになったという。イタリア語で「フィロソフィー」らしき言葉を聞き取れたから、こちらは戦術ではなく考え方の話と受け取るのが正解だろう。
 ザッケローニは、チーム作りで大切にしたいのは「コミュニケーション」だとも言っていた。調和のあるチーム作りをするためにはコミュニケーションが大事だから「つじつま」は合う。
 記者会見で通訳をした宮川善次郎さんは、母親がイタリア人で、日本語は達者ではないらしい。トリノ在住で、選手や監督の斡旋をするエージェントをしているということだ。今回はとりあえず、売り込みに成功した監督の通訳を引き受けたのかもしれない。しかし、マスコミやファンに正しく理解してもらうために最初の記者会見から客観的な立ち場の専門通訳をつけるべきだったと思う。


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