サッカー日誌 / 2011年07月08日


「なでしこ」イングランドに完敗


女子ワールドカップ観戦日誌(12)

7月5日(月)
B組 イングランド 2対0 日本(16:15 アウグスブルク)
   メキシコ 2対2 ニュージーランド(16:15 ジンスハイム)
A組 ドイツ 4対2 フランス(20:45 メンヘングラッドバッハ)
   ナイジェリア 1対0 カナダ(20:45 ドレスデン)

★不動の「佐々木なでしこ」
 グループリーグの最終戦、日本の先発メンバーを見て「やっぱり」と思った。第1戦、第2戦と同じ、不動の顔ぶれである。
 佐々木則夫監督には二つの選択肢があった。
 一つは連勝した勢いにのって、同じメンバーで必勝を狙うことである。イングランドに勝てばグループ1位になる。そうなれば、おそらく準々決勝の相手はフランスである。2位になればドイツと当たる可能性が強い。「ベスト3以上」という目標を掲げているので、順位にこだわって、優勝候補で地元のドイツと当たるのを避け、フランスと当たりたい。そのほうが準決勝進出の可能性が高いと思われるからである。
 もう一つの選択肢は、すでにベスト8進出は確定しているのだから、ここは、準々決勝に備えて主力を休ませ、若手とこれまでの控えをイングランドにぶつけてみることである。

★佐々木監督の選択は裏目に
 若手と控えを中心のチームだとイングランドに敗れてグループ2位になり、準々決勝でドイツに当たるケースになることが十分に考えられる。しかし、いずれ強豪チームと対決しなければならないのだから、どこで当たっても同じということもできる。若手に経験を積ませ、主力に休養を与えてドイツと勝負するのもおもしろい。
 佐々木監督は3戦全勝に賭けた。実のところ、先を見通して戦うほどの余裕は「なでしこ」には、まだない。若手は力も経験も十分でない。だから、ベスト8進出がすでに決まっている試合ではあるが、主力をぶつけて必勝を狙おう、と考えたのかもしれない。
 結果は完全に裏目に出た。イングランドに完敗した最大の原因は、選手たちの疲労である。佐々木監督の「不動のメンバー」は、さらに疲労を重ね、挫折感を味わい、そして、避けたいと思っていたドイツと当たることになった。
 
★監督の力量の違い?
 キックオフ直後から、日本の調子はおかしかった。パスが少しずれる。蹴ったボールに力がない。動きに鋭さがない。
 原因は三つだろうと考えた。第一は相手のイングランドが激しくつぶしに出てきたことである。第二は連戦の疲れである。第三はプレッシャーである。ベスト8進出は決まっているのだから、のびのびとやればいいのだが、体は動かないのに気合が入り過ぎている。
 一方のイングランドは、狙い通りの試合をした。中盤で激しく詰めて「なでしこ」にスペースを与えない。攻めはワントップのホワイトに大きく合わせる。単純な戦法に徹して日本の良さを消し、弱点を突いてきた。これが日本のミスを誘い、前後半にそれぞれ1点を奪った。パウエル監督は「あらかじめ考えたゲームプランを、全員がちゃんと実行してくれた」と話した。監督の力量の違いを感じた試合だった。


日本を応援してくれるドイツ人もいたのだが……。




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