サッカー日誌 / 2014年07月26日


ビバ!ブラジルW杯時評(11)


FIFAのW杯運営批判(下)

国内航空運賃が高額だった理由

★会場都市往復で10万円
 ワールドカップの期間中、ブラジルの国内航空運賃が非常に高額だった。
 たとえば3位決定戦の行なわれたブラジリアへサンパウロから往復すると日本円で10万円ほどかかった。準決勝で燃え尽きたチーム同士の試合を10万円もかけて見に行く価値はない。
 しかし、仮に3位決定戦に日本が出るとなると話は別である。ワールドカップの3位になるとすれば、日本のサッカーにとっては歴史的出来事だから現地に取材に行かざるを得ない。
 しかし、3位決定戦の組み合わせは準決勝が終わらなければ分からない。決まった時点で飛行機便をとろうとしても、おそらく満席だろう。そのため、日本が出場するかどうか分からない時点で10万円を払って航空便を確保しておくことになる。

★運賃決定の仕組み
 以上は一つの例である。
 ブラジルは、日本の国土の22.5倍の面積を持つ広大な国である。その南のポルトアレグレから北はアマゾンのマナウスまで、全国にまたがる12都市が今回の会場になった。会場都市を転々と見て歩けば、おそらく国内航空運賃だけで150万円を超えたのではないか?
 そういうわけで、ワールドカップ期間中の航空運賃が超高値だったのは、これこそブラジルの便乗値上げ、悪徳商法かと思った。
 ところが必ずしも、そうではないらしい。
 旅行社の人に聞いたところでは、ブラジルの国内航空運賃の決め方は非常に細かく分かれていて、早期購入と直前購入、閑散期と繁忙期では大きな差がある。ワールドカップ期間中は超繁忙期で最高値になっていたわけである。
 ものの値段が需要と供給の関係で決まるのは経済の原則だから合理的な仕組みなんだろうと納得した。
 
★グル-プごとの同地域開催を
 リオとサンパウロを中心に、サッカーの盛んな南部の都市に会場を集めようという考えもあったらしい。しかしブラジル政府が会場を全国に分散することを主張したという。開発が遅れている北部にも経済効果を波及させようという狙いである。
 それにしても、大会前半のグループ・リーグではグループごとに同じ地域の会場で開催する方法もあったはずである。
 そうすればチームもサポーターも移動距離が短くてすむ。サポーターはバスで移動することも出来る。1994年米国大会までは、そういう方式で会場が決まっていた。
 会場と組み合わせの決定はFIFAの権限である。FIFAがグループごとの同地域開催をやめたのはなぜだろうか?
 チケット、ホテル、国内の移動は、現地に応援に行くサポーターにとって三大問題である。この三つについて、すべてFIFAの対応は不合理である。


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