サッカー日誌 / 2014年07月09日


ビバ!ブラジルW杯時評(3)


ブラジル、薄氷のベスト8
決勝トーナメント入り(6月28日~7月1日)

★ブラジル全土がハラハラ
 ベスト16による決勝トーナメント1回戦、1/8ファイナルは、Aクラスの優勝候補に対するBクラスのチームの挑戦である。最近のワールドカップでは、Bクラスのレベルが上がっているから、Aクラスのチームも手を緩めることはできない。
 ベロオリゾンテで6月28日に行われたブラジル対チリが、そうだった。
 ブラジルがコーナーキックを生かして先取点をあげ、楽に勝つかと思われたが、チリが前半のうちに同点とし、その後もよく動いてブラジルの攻めにつきまとい、延長に持ち込んで引き分けた。
 ブラジルがPK戦をものにして、やっとの思いでベスト8に進出したが 延長後半の終了寸前にチリのシュートがバーに跳ね返るなどチリにもチャンスがあり、PK戦ではブラジルの2番手、4番手が失敗するなど、終始、ブラジル全土をハラハラ、ドキドキさせた試合だった。

★縮まっている格差
 ブラジルはグループリーグでもメキシコと引き分けるなど危なっかしい試合をしてきた。しかし、最後には優勝するチームが、グループリーグの段階で引き分けたり、1敗したりすることは、これまでに何度も例がある。
 決勝トーナメントではそうは行かない。負ければ終わりだし、引き分けならPK戦がある。
 ブラジルが先制しながら守りきれず、PK戦に持ちこまれたことは、ベスト8に進出は出来たものの今後に不安を感じさせた。先取点を守りきれなかったことは、守りに隙があることを示しているし、絶対に勝ち越し点を狙わなければならない立場になりながら無理をして点を取りにいくことが出来なかったからである。
 4日がかりで行われた8試合のうち、5試合が引き分けで、うち2試合がPK戦になった。AクラスとBクラスの実力差が縮まっていることを示している。

★アルジェリアの執念に感動
 決勝トーナメントに入って、試合の迫力が驚くほど急激に高まった。Bクラスのチームが「ここが勝負どころ」と全力を振り絞って挑戦し、受けて立つAクラスの優勝候補もエンジンを全開せざるを得ないからである。
 6月30日にポルトアレグレで行われたドイツ対アルジェリアは0対0で延長戦になった。
 延長前半2分にドイツが先取点を上げ、アルジェリアの抵抗もここまでかと思われた。さらに延長後半の終了直前にドイツが2点目。完全に勝負がついた感じだった。それでもアルジェリアは諦めずに、延長の追加時間になってからの反撃で1点を返した。
 優勢なドイツに気力と体力の限りを尽くして抵抗し続け、最後の最後まで試合を捨てない。その試合ぶりは感動的だった。アフリカ北端のチームが、これほど執念を燃やして戦うとは思ってもいなかった。
 日本代表も、せめて、このような勝負への執念を見せて欲しかったと思った。

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