サッカー日誌 / 2014年07月08日


ビバ!ブラジルW杯時評(2)


早すぎたスペイン時代の終わり
グループ・リーグ終了(6月26日)

★「ティキ・タカ」は姿を消す
 グループ・リーグでの最大の番狂わせは、前回優勝のスペインの敗退だった。大会2日目の初戦でオランダに1対5で大敗し、第2戦でチリに0対2で完敗した。
 中盤で短いパスをつないでボールをキープし続け、チャンスを見つけたときに鋭く攻め込む。その独特のサッカーに、他の国がどう対抗するか? それが今大会の大きな見どころだったのだが、その楽しみが、たちまち消えた。
 スペインの出来が思いのほかに悪かったこともあるが、スペインのポゼッション・フットボールが万能でないことが明らかになったのだと思う。
 このスタイルと戦法に向いた選手が揃い、巧く機能したときにはすばらしが、厳しい守りに追い込まれたり、先取点を奪われたりすると歯車が狂う。
 スペインの戦法を欧州では「ティキ・タカ」と呼ぶそうだが、この言葉が日本で流行する前に、スペインは消えてしまった。

★イタリアとイングランドも敗退
 グループ・リーグが終わったところで、32チームのうち半分の16チームが姿を消す。優勝候補に挙げられていたイタリアとイングランドも、そのなかに入った。
 この2チームはウルグアイとともにD組だった。優勝経験のある国が3チームもいる激戦区だったから、どれか一つは落ちる運命ではあったが、やや格下と思われていたコスタリカが、ウルグアイとイタリアを破り、イングランドと引分けて波乱を起こした。
 過去に優勝ないし準優勝の経験のある国をAクラスとすれ、ば、まだ実績を挙げていないが力をつけてきでいる国をBク
ラスとすることができる。
 メキシコ、米国もBクラスである。北米、中米、南米にわたってBクラスの国の若手の伸びが目立っているように思われる。

★伸びないアジア・アフリカ勢
 日本、韓国、イランのアジア勢は、いずれも白星を挙げることができずグループの最下位に終わった。
 オセアニア地域の国だがアジア予選から出ているオーストラリアは3戦全敗で最下位だった。
 上位を争う力も実績もない。Cクラスというほかはない。
 アフリカ勢は5チームのうち、ナイジェリアとアルジェリアの2チームが、ベスト16に進んだが、どちらも組み合わせと展開に恵まれたところがあった。
 アフリカ勢が独特の運動能力で注目されるようになってからかなりたつ。カメルーンがベスト8入りしたのは1990年イタリア大会である。しかし、その後、思ったほど成績は伸びない。
 アジア勢もアフリカ勢も選手たちはほとんど欧州のクラブでプレーしている。個々の選手の能力が高くなっていることは認められているのだが、ナショナル・チームをとしての力はいま一つである。なぜだろうか?


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