サッカー日誌 / 2013年10月20日


ザック・ジャパンの現在地(上)


東欧遠征の狙いと結果
セルビア  2対0 日本(10月11日 ノビサド)
ベラルーシ 1対0 日本(10月15日 ジョジナ)

★この時期の戦い方
 ザッケローニ監督の率いる日本代表チームが10月に東ヨーロッパに遠征して2試合をした。ワールドカップ・ブラジル大会をめざす強化のための国際親善試合である。
 2戦とも無得点の完敗だったので、ザッケローニ監督に対する厳しい批判が出ている。
 ザッケローニ監督のために弁護するわけではないが、この時期の強化試合の戦い方は難しい。
 ワールドカップの本番まであと7ヵ月である。メンバーを固定してチーム作りをするには早すぎる。新戦力をテストしてみたいところだが、そう簡単ではない事情がある。
 欧州に遠征するのは日本代表の主力の多くが欧州のクラブでプレーしているからである。欧州組が揃う貴重な機会を利用してチームプレーに磨きをかけたい。
 それに日本へのテレビ中継がある。むやみにスター選手をはずして、若手テストの場にするわけにはいかない。

★新戦力テストは不発
 東欧での2試合でザッケローニ監督はトップの柿谷曜一朗のほかは、これまでに使い慣れたメンバーを先発させた。
 マスコミが伝えたザッケローニ監督の談話によると、先発メンバーで60分間戦い、そのあと新戦力を加えていくプランだったらしい。欧州組が主で新戦力は従である。
 現時点でのベストメンバーでチーム力を磨きながら、新戦力を少しでも代表になじませようという狙いだろう。
 ただし、選手交代は試合の展開しだいだからプラン通りにできるとは限らない。
 東欧では2試合とも相手に先制されたので打つ手は限られた。交代で出た新戦力も、のびのびとプレーすることはできなかった。
 ザッケローニ監督にとって新戦力テストは東欧遠征の主な狙いではなかっただろうが、従の狙いとしても、うまく機能しなかった。

★新しい攻めと緩急が欲しい
 テレビの画面では、日本は優勢ではるが、パスが単調なうえ攻め急ぎ過ぎているように見えた。
 短いパスをすばやくつなぎ、左サイドの香川真司、長友佑都からの崩しを狙う。あるいは本田圭佑が相手の裏側へのスルーパスを出す。
 そういう得意な形は、なんどもあった。
 しかし、テンポは速いがリズムが単調で、下がって守る相手を崩しきれない。日本の攻めの特徴は相手に知られていて香川、長友の左サイドも、トップ下の本田もしっかりマークされている。
 状況に応じ相手に応じた攻めの新しい形と緩急の変化が欲しいと思った。
 そういう打開策を強化試合を重ねるなかで選手たちが自分たちで見出すように仕向ける。
 それが、この時期の親善試合の戦い方かもしれない。

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