サッカー日誌 / 2013年10月04日


東京五輪の問題点(1)


興奮を冷まして考えよう
(9月8日 NHK総合テレビ)

★さすが、山本浩アナ!
 2020年の夏季オリンピック開催地が東京に決まったときNHKテレビは日本時間の9月7日深夜から8日の朝まで夜通しで中継していた。
 元NHKのスポーツ・アナウンサーで、現法政大学教授の山本浩さんが徹夜で出演していた。
 午前5時20分に東京開催が発表された。
 IOC(国際オリンピック委員会)総会が開かれていたブエノスアイレスからの中継も、あらかじめ設営されていた駒沢体育館などのパブリック・ビューイングの会場も、NHKのスタジオも、すべて歓喜一色だった。
 興奮と感激の映像が6分間続いたあと、山本浩さんにマイクがふられた。
 「2、3日は、この余韻に浸りましょう。そして3日くらいたってから何をすべきかを考えましょう」
 さすがNHK! いや、さすが山本浩!

★性急な批判を反省
 実は東京開催が決まった瞬間から、ぼくは東京オリンピックの問題点しか考えていなかった。「新国立競技場の建設には大きな問題があるぞ」という原稿を、もう書き始めていた。
 もともとオリンピックそのものに反対である。
 したがって東京オリンピック決定を喜んではいない。
 しかし、日本中が沸き立っているときに、あえて反対意見を述べるのは「おとなげない」ことに気がついた。山本浩アナがいうように、2~3日の冷却期間をおいてから冷静に議論を始めたほうがいい。
 ぼくは、ちょっとばかり反省した。
 しかし「バンザイ」を繰り返すだけでは、マスコミの使命放棄である。
 問題点は、しっかり指摘しておかねばならない。

★あえてもの申す
 4~5日くらいたってから、新聞もテレビも冷静な検討報道をはじめた。
 9月12日付朝日新聞に「東京五輪、あえてもの申す」という記事が掲載されていた。東京への一極集中、福祉や教育の政策が後回しになる可能性などの問題を指摘していた。
 9月14日朝に見た民放テレビの番組では、新国立競技場建設の問題もとり上げていた。
 新国立競技場建設にともなう神宮外苑の整備に伝えられている経費の4倍以上がかかる見込みを紹介していた。
 東京開催決定の2日後に、パーティーの席で山本浩さんに会った。
 「あのコメントはみごとだったね」とよいしょしたら、山本アナは「あの時間までテレビを見てた人がいたんだ」と冗談で答えた。


山本浩さん。パーティーの席で。手前は賀川浩さん。

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