たかお日記

高尾紳路九段オフィシャルブログです

農心杯・常昊九段戦

2009-02-20 17:36:10 | 囲碁

中国の常 昊九段との対局(白番)です。



布石も一段落して、いよいよ中盤に
さしかかったところ。

ここで、白1と仕掛けるタイミング
かと思いました。

”黒2は、8だった”と常九段の感想。
白11とたたいて、白13と動き出しては
優位になった感じですが・・・





しばらく進んだ局面。
ここで、白Aと打ったのが大失着。
平凡に白1でよかったのです。

黒2には、白3~9をきかして
白11と逃げ出せば、はっきり優勢。





実戦は、白1と打ってしまったため、
右辺の黒が連絡してしまいました。
ここで、形勢を損ねてしまいましたが・・・


しばらくすると、少し良さそうな碁に。
しかし、”よさそう”という気持ちと
1分の秒読みが同時に来て、
思考回路に乱れが生じました。





ミスがあったものの、まだ優位な局面。
ここで、白1が痛恨の敗着。

黒6までは、予定の行動でしたが、
ここで、誤算に気がつきました。
しかも、時間つなぎとは言え
白7はひどい損です。。。。
白7では、





白1の予定でした。
次に黒Aと取ってもらって、それから
中央の白石を生きるつもりでしたが・・・





白1には、黒2から大石を
取りにくる手をうっかり。
白7とつないでも、黒10で
攻め合いは負けています。





14のEと打った手では、
(4番目の図、白1です)
白1,3と中央の一子を取るのが正解。

黒4が相場ですが、
白5から白7がきき、白11と丁寧に
守ってて、少し残る碁でした。


チャンスも多かっただけに、残念な一局。
昨日は、日本棋院で対局の観戦をしてましたが、
趙治勲先生や小林光一先生に
”よかったんじゃないの”と言われて、
”はい・・・・”と小さく返事するばかり。
そして、趙先生の
”日本チームはだれが残ってるの?”
と、痛烈なダメ押し!

農心杯は、韓国チームの優勝。
昨日の李世乭九段と古力九段の
対局をみんなで検討してましたが、
形勢が大きく揺れ動き、
ミスも多く出る大乱戦。

しかし、勝利に対する執念を
非常に強く感じました。
いろいろ考えされられる一局でしたね。

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