走馬観花~我還在北京

只今北京留学中。ってまだ北京におったんかいな!?
気が向いたら過去の分も差し込んでます(笑)

わたしの知らない世界(2)

2006年06月27日 | 観察中国
カミングアウト後の竜くんは何かしらイキオイづいている。今日はとうとう彼氏の趙さんを連れてきた。
パッと見小太りではあるが,こざっぱりしている普通の社会人男性である。竜くんの紹介によれば,中国では超有名なメディア系企業にお勤めのカメラマンだそうである。会った場所もケンタだったし,初対面からディープな内容にもならず,普通におしゃべりして別れた。
その後,わたしが部屋に戻ると竜くんから電話がかかってきた。

竜: 今日は楽しかったネ!彼どうだった?いい人でショ!
ば: そうだねぇ,とても同志(中国語の男性同性愛者)には見えないね~。
竜: 彼もバイセクシャルで,昔日本人の女の子と付き合ってたよ。今はネット友達の男の子と
   たまに付き合ってる。
ば: えー?彼の彼氏はキミじゃないの?
竜: ほんとの恋人はボクだけど,他のコは遊び。ボクもそうだよ。
ば: ・・・へ,へえぇ 
竜: それにさ,彼の会社の男性の半分以上はゲイかバイだよ。ヘンな会社でショ!HAHAHA!
ば: ・・・・・・中国ってスゴイね。
竜: というわけで,これからは三人で仲良くしようネ!
ば: ・・・あのー,モシモシ?

どうやら彼らの関係は我々日本人女性が一般に想起する恋人的関係とは異なるようで,いわゆる「浮気」はOKらしい。でもそうなるとエイズ感染の可能性が高くなるのだけれど,この点は彼らの最も関心事であるようで,竜くんと趙さんは半年か一年に一回は検査に行っているという。検査も無料でできるとのこと。
いま中国国内でもすごく蔓延してるからねぇ。コワイコワイ。

わたしの知らない世界(1)

2006年06月18日 | 観察中国
竜くんとの互相学習も2ヶ月が過ぎた。彼は大学ではパソコン関連の学科を卒業,外資の企業に就職。大学の時オーストラリアへ短期語学留学し,またモトカノが韓国人だったこともあって,英語・韓国語を話す北京人である。よって我々が勉強するときは,カタコトながら日・韓・英・中の4ヶ国語が飛び交うこととなる。
また勉強だけでなく,一緒に飲みにも行くようになり,なかなか楽しくやっていた,そんなある日のこと…

竜: あのさぁ,ボク,ばたこのこと好きになっちゃったから彼女になってよ~。
ば: はぁ~!?何言ってんの~!トシの差考えてごらん,お姉さんをからかってんじゃないよ!
       ※ちなみに我々はもはや「姉と弟」のトシの差ではナイ・・・

竜: トシ?だいじょうぶ!ボク気にしないからさ。
ば: わたしが気にするんじゃっ!
竜: あ,それでね(←全然聞いてない),ちょっとこの写真みてみて!
ば: なにこの太ったおっさん?
竜: おっさんじゃないよ~,可愛いでしょ?ボクの彼氏だよ~!
ば: ・・・・・・・・・・・・・・は?
竜: あ,ボク,バイセクシャルなんだよね~。ボクいま彼はいるけど彼女いないから,ばたこが彼
   女になってね!
ば: ・・・・・彼氏がいる彼氏なんてヤダ!!
竜: HAHAHA!慣れればイイヨ♪
ば: 慣れるかぁ~っ!


えー,ちなみに彼の理想とやらは,彼氏と彼女を片手ずつ腕マクラして寝ることだそうです・・・

現代中国との出逢い

2006年06月06日 | 観察中国
最近カンちゃんとの互相学習に,ネットの英語ニュースの中国関連記事を中文に翻訳するということをやってます。わたしは英語はちっとも話せないけど,読むぐらいはなんとかデキる(辞書があれば)。それに英語じゃないとカンちゃんが元の文読めないし。
彼女は国際事務という学科の3年生。英語はバッチリ読めるし,国際関係は彼女の専門だからやりやすいだろうと考えた次第です。
今日のお題は時期的に第二次天安門事件(1989年6月4日)について。
アメリカのニュースでは当然ながら中国政府の批判をしており,まあ,それを訳したわけなんですが,比較的愛国心の強いカンちゃんはちょっと不服そう。

カ: あれは学生もよくなかったのよ。広場でハンストしてたときは警察が彼らに食糧を配布
   してたらしいわ。それなのに鎮圧の直前に学生のうちの急進派が警察を殺して晒し者に
   したって聞いたわ。鎮圧は仕方がなかったのよ。
ば: でも石ころとか棍棒しかもってない民間人に対して,機関銃掃射して戦車で轢き殺すのって
   ヤリすぎじゃない?
カ: わたしは見たことないからわからないけど・・・でも,仕方がなかったのよ。学生も悪かった
   のよ。

この事件については,中国国内では現在でもタブーであり,あらゆるメディアは沈黙させられています。よって彼女のような20代の若者にとっては親や学校の先生から聞くというツールのみ。ネット環境についてみれば,大学の寮では国際線は倍額になるのでみんな国内線を選ぶという仕組みになっていて(姑息~!),国内のHPしか見られないから,中国の大学生は国際問題に相当に疎いように思えます。
この事件については,当時わたしはTVでずっと鎮圧の状況を食い入るように見ていた覚えがあります。暗闇に放たれる機関銃の火花と音,逃げ惑う人々・・・
そして鎮圧の翌日,行進する戦車の列に,突然道の中央に出てきた一人の男性が上着を片手に戦車に立ちはだかりました。

この光景はなぜか今でも忘れられません。たぶんこれがわたしにとって現代中国を初めて意識した事件だったと思います。

                       ※写真原載は World Press Photo
                        ここの写真は GARAKUTA ICHI さんより転載