KAORU♪の「気ままなダイアリー」

KAORU♪が見つけたステキな風景、出会ったおもしろいできごと、おいしい料理などを“気が向いた時”にご紹介します。

★ようきんしゃったね!に迎えられて

2010年05月23日 | 旅の物語
福岡空港の看板が、お出迎えしてくれた。

昨日から月曜日まで、北九州3日間の滞在。


いつもいつも時間ギリギリ。
ハラハラドキドキしながら不思議と滑り込み、
なんとか事なきを得る。


もっと時間に余裕を持って行動しよう!と
思うのだが、
なかなか治らない。


時間があったらあったで、結局出発の朝も、掃除やら洗い物やら、
直前までできることに手を伸ばすから
おんなじパターンにはまり込む。


早め早めに準備し、ゆったりきっちりと行動する人は
それだけで尊敬し、あこがれてしまう。


小学生の頃から妹のNAOKOと一緒に学校までダッシュで走っていた。

還暦をとうに過ぎた母からは
「あなたと行動すると(走らなきゃいけないから)
心臓が痛くなるから、イヤよ。」と言われ、
すぐ下の階に住んでいるのにもかかわらず、
最近は駅や現地集合にしましょう!と打開策を編み出した。

とはいえ、いい年していつまでも走り続けるわけにもいかないし、

いつの日かこの悪しき慣習を改めて、
ゆとりあるいいオンナを目指したいものである。


*****************************************


九州といえば、去年の夏の豪雨を思い出す。

朝のテレビで小倉と山口の間が
不通になっているのは知っていた。

午後5時の飛行機の時間には
きっと復旧するんだろうな、と
思ってその日のスケジュールをこなしていた。


小倉から博多まで新幹線でひと駅、約20分ほどの距離にある。
さらに地下鉄で2駅、福岡空港までの30分ほどの道のり。

その日は3時には小倉駅に着き、余裕のはずだった。


改札口付近に近づくと、雨と人のなんとも言えない
ムワっとした空気で
あふれ返っている。


そして、降り続く豪雨の中、まもなく運転再開できるかもしれないし、
今のところは完璧に止まっている。というアナウンスが
何度も甲高いトーンで流れていた。


格安航空券で来たから、
絶対変更なんかしてくれないだろうな…。

もう一泊して行こうか…。
それとも夜まで待って新幹線で帰ろうか…。

いずれにしても、経費がかかっちゃうよな。

時間は刻々と過ぎていく。

しばらく、立ちすくんでいると、在来線の運行のアナウンスが流れた。

15分後に発車する博多方面行き。
時間は新幹線の倍かかる。

すでに何分も経過していたから、 どう逆算しても間に合わない。

あきらめようか…。
と一瞬頭をかすめたが、
空港でそれは考えよう。


最後まで、できることすべてをやってみよう。
そんな風に思い、在来線に乗り込んだ。

ガタゴト揺れる電車のデッキで、
まず、飛行機会社に電話をしてみた。

「そういうチケットですと、振替は難しいですね…。
もしかしたら遅延証明があれば
変更できるかもしれません…。
でもそれは確証は出来ません。
九州支社の取り決めもあるかと思いますので、
やはりこちら(本社)ではなんとも言えない状態です。」
とあいまいな答え。


続いてツアー会社に電話した。
「うーん、飛行機が飛んでないとか、航空会社の都合なら別ですが、
そういうパターンの時間変更はムリですね…。」
ガックリしていると、
「一応こちらからも再度飛行機会社に聞いてみます。」


ほどなくして電話がかかってきた。

「やはり変更できないそうです。お力になれずに申し訳ありません。
遅延証明の件を聞いてみましたが、
そんな規則はないそうなんです。」

と無事に自力で戻ることを祈るような、
力尽きてもはやここまで、みたいな返答がだった。


それでもあきらめきれない私は
今度は車内精算に来た車掌さんに聞いてみた。

「遅延証明は出ますか?」

「いや~、ムリですね!在来線は定刻通りに運行していますし、
それに空港までJRは直結していないので、
たぶんぜんぜん関係性はないと思いますよ。
地下鉄は平常運転ですし。」
ともっともな答えだった。

いよいよダメかも、という気持ちもあったけど、
それでも
電車の中で駆け足したい気分だった。

もう打つ手はなさそうだ、と思いながら博多駅に着いた。
小倉駅にもまして、ざわざわと人々があふれ返っていた。


私は降りた瞬間、迷わず新幹線の改札口に直行し、
何の役にも立たないかもしれない
遅延証明をもらいに行ったのだった。

駅員さんは、運行状況の対応に追われ
なかばパニック状態になっていて
時間は自分で記入してください!とだけ短く言うと、
素早く手渡してくれた。


地下鉄を2駅乗り、空港駅に着くと
一目散にインフォメーションカウンターに向かった。


こちらの焦りや疲労と
対象的に、
常夏気分盛り上がる、トロピカルなアロハシャツが
季節の制服になっていて、
にこやかにのんびりと、
優しい口調でいらっしゃいませ。とほほえんでくれる。


私は、息を切らせて前のめりにカウンターになだれこんだ。

あのですね!と今起きている現実の状況を手短に、
そしておもいっきり必死に説明すると、

穏やかな落ち着いた声で、
「は~い、それでは遅延証明はお持ちですか~?」と
軽やかにたずねてきた。


「あ!持ってます!持ってます!持ってます!」


手のなかでクシャクシャになった証明書を広げると

チラッと目を通したかと思うと、
あっけないほどあっさりと
「は~い、かしこまりました!次の便をご用意させていただきまぁす。」と

新しい時間の印字された
チケットを発行してくれたのだった。



拍子抜けするほどあっけない結末だった。


福岡みやげをゆっくり買える時間もできた。


最後まであきらめなくて本当によかった。


希望を捨てずにいてよかった。

最後の最後の可能性がなくなった時に
次の道を考えようって思った。

だからきっと、
常識や普通はムリだよね、ということも
奇跡のような道筋が開けたんじゃないかな…って思う。

しぶとく粘ると、ある時、ふとしたタイミングで
え?ホントにあいちゃった? というような
出来事に遭遇することだってある。
人生の中で、この法則って意外と多くあるかも。

このスリリングさがたまんない♪

そう思うとやっぱりまだまだ
“滑り込みセーフグセ”も治りそうにない。
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