KAORU♪の「気ままなダイアリー」

KAORU♪が見つけたステキな風景、出会ったおもしろいできごと、おいしい料理などを“気が向いた時”にご紹介します。

★バリでの冒険

2010年08月21日 | 旅の物語
チェックインして部屋に通されて
ほどなくしたらルームコールが鳴った。


MORIMOからだった。

一足早くバリ入りしていた私は
後から到着する一家とMelasty Hotelで
直接会うことになっていた。


現地入りしたら、なぜかうまく携帯もメールも通じず
だいたいの時間しか把握していなかったが
きっとそろそろホテルについている頃。


フロントにあれこれ聞いてみた。

もうCHRISファミリーはチェックインしてる?とか
彼らの部屋番号は? とか、
なるべくなら近い部屋にしてほしい とか。


係りは、
チェックインしているかどうかも
よくわからない・・・。と

そっけないので、

まあ、なんとかなるか。といつもの調子で
ひとまず手続きをしたのだった。


***********************

「あれ?なんでわかったの?部屋番号?」と聞いたら

フロントに用事があったのか、通りかかったんだか

そしたら、

「教えてくれたのよ。
KAORUがチェックインした、って。」


英語がちゃんと通じてたのと、
ホテルはそっけないようだけど、
ちゃんと気遣ってくれたんだ~と思うだけで
ちょっぴり嬉しい。

***********************




遅いランチを一緒に食べよう、と
私たちはフロントで待ち合わせて

久々の再会を果たした。

MORIMOは去年日本に里帰りしたときに
会ったから約一年ぶり。

ダンナのCHRISと息子のKAIには
2~3年ぶりだろうか。

しばらく日本に住んでいたから
MARIちゃんやその息子たち、
うちのTATSUROと大集合したりして
ちょくちょく会っていた。

15年ほど前には
息子たちがまだ小学校に上がる前に
みんなでオーストラリアに遊びに行ったこともある。


まだKAIはおなかの中にいた。


だから、遠く離れていても
なんだかんだと私たちは
オーストラリアと日本の距離を
感じることなく、ずっとコンタクトを
取り続けていて、

だんだんと息子たちが大きくなっていくさま、
みずからも年を重ねていくさま、も
お互いに見つめ合っている。


出会ったのは、みんな20代前半。
東京のマミの飯田橋教室だったけど
それぞれに結婚、出産などで
私だけがそのままで名古屋とオーストラリアの
3拠点に広がり、新しい形態が始まった。

しかも、子どもは全員男の子。

だから、というのもあって
なんとなくみんな一緒に集まりやすい。

***********************

「あれ?なんかKAORUちゃん、
キレイになってるぅ~!」

一年ぶりに会って
まず一言めのセリフ。

もうすでにエステとリフレッシュ効果が
出始めていたに違いない。


それからバリの夜は毎晩
彼女たちが調べてきたり、評判を聞いてきた
レストランに繰り出し、

昼間は、それぞれ好きなスタイルで
行きたい場所に出かけていった。



基本的に、現地に入ってから行動を決めるのが
私の、いつもの旅のカタチ。


今回も、まったく計画は立てずに
会ってからプランを立てる。

しかも、
前もって買ったガイドブックを
家に置いてきてしまったことを、
空港に向かう電車の中で気付き
あわてて空港の本屋で
新しくガイドブックを買いなおしたのに
さらにそれも飛行機の中に忘れてきてしまった。

成田からシンガポールの間なのか、
シンガポール、バリ間なのか、
残念ながら記憶にない。


あせった理由のひとつに、
実は、エステヴィラの電話番号すら
控えていなかったからである。


だから、もしかしたら別のガイドブックでも
宣伝や案内が載っているのではないか、と
思い空港に着くなり本屋に直行したのであった。


めでたく案の定、載っていたのにもかかわらず
それをまんまとまた忘れてしまうなんて。

自分でもまたビックリである。


どうしようかな、
空港でお迎えの約束をしたものの
待っててくれなかったら・・・。


早く出国手続き終わらないと
いなくなっちゃうかも~!
実は、サッカーの大画面を見ながら
そんなことも密かに心配していたのである。


それでも、よかった。

ちゃんとプレートに名前書いて待っていてくれた。


いっつもハラハラである。



たぶん、きっちりとした性格の人とは
一緒にいられないだろうな。
ドキドキ、イライラさせすぎちゃうから。



こんな私でも、なんとか生きてこれたのも
周囲がのんびりと穏やかで大らかな
人たちに囲まれてきたからと思う。


***********************

でも幸いなことに
バリには日本語で書かれたフリーペーパーが
たくさんあって、あらたに旬の、
現地でしか知ることのできない情報をGET!

ホテルのお迎えさえ来ちゃえば
あとはなんとかなるってことは、
台湾一人旅でも経験済みだ。


それに今度は、
ちゃんと頼もしい仲間がいるから
いきなり大船に乗った気分である。


***********************

再会した次の日、
体調のすぐれない彼女や
海に行きたい男性たちとは別行動。

午前中から一人で買い物に出かけた。

現地からのメールで報告した、スミニャックである。


あのあたりはまだ絶好調だった。




たくさんの荷物を抱えて、
帰りのタクシーに乗り込んだ。
5時までには余裕で戻れそう。


行き先を伝えて
ふ~っと一息つき、ぼんやりと景色を見ていた。


しばらくは、行きと同じ風景を走っていたのだが
気がついたら、あきらかに
違う街並みの繁華街に突入していた。


同じ名前のホテルが別の場所にもあるから
間違えているのかな?

ちゃんと伝わっていなかったかも。

「メラスティホテルのレギャンの方なんだけど・・・」

というと、ぶっきらぼうな無表情で、

「最初にどこに行くって言わなかった」と言う。


「え?知らないのに走ってたの???」


「そうだ。知らない。
それに、レギャンの近くを通りすぎた時
何にも言わなかっただろう?」という。


うわ!
もしかしてボッタクリのタクシー?


「じゃあ、ここでもう降りる!停めて!」というと

キーっとブレーキをかけた。


メーターは20,000ルピー。

手持ちは50,000ルピー札しかない。


すると、おつりを持っていないという。

もし、このまま乗ってホテルに戻ったら
50,000ルピーでいいという。


NO!と言うと、
ではどこかで両替してこい、と言うのだ。

しかたなく近くの店先で買い物をして
こまかいお札を入手し、
ジャストの金額をふくれっつらで手渡した。

***********************

それから、私は炎天下の中
ホテルを目指して歩き始めた。

通りすがりの人にひとまず聞いてみる。


どの人も、丁寧に教えてくれる。

向こうの方だよ。

右に曲がって、左に曲がって、
また右だよ!

その説明を聞くと、あたかも
すぐ近所のようだった。

歩ける?と聞いてみると
大丈夫だよ、という返事が返ってきた。

でも中には、暑いからタクシーに
乗ったほうがいいよ。と声をかけてくれる人もいる。



それでも、私は意地になっていた。

ぜったい歩いて帰る!


日本人はボッタくられやすいのだ、やっぱり。



炎天下のなか、重い荷物を持って
ひたすら歩き続けること1時間弱。


ちょっぴりまた泣きたくなっていた。

早く帰って
CHRISにブギーボード、教えてもらうはずだったのに。

もう日が暮れちゃう。



***********************

汗だくになってホテルに到着して
慌ててMORIMOたちの部屋に電話した。

でも、なんど鳴らしてもいないとまた心細い。


ひとまず部屋まで行ってみよう、と思って
小走りでプールサイドを通りかかると、

「KAORUちゃん!」と聞きなれた声がした。

思わず足を止めて周囲を見回すと、
足元からもうもう一度呼ぶ声がした。

私の焦る気持ちを落ち着けるように
親子3人、プカプカとプールに浮き
またいつもと同じ笑顔。

急に力が抜けた。

しかも、プールに入ったまま注文できる
バーで、カクテルをたのんで
気持ちよさそうに泳いだり、仲良くおしゃべりして
くつろいでいた。


は~、本当によかった。


まるで冒険から家に戻った子どものような気分。
一部始終を話し終えると、なんだかほっとした。

***********************



でも、
それだけで話は終わらない。

2日後、ウブドという棚田に行く時には
MORIMOと二人で、
一日をかけて日帰りの旅に出かけることにした。



どうする?
ツアーを申し込む?
それともタクシーにする?
観光タクシーを一日貸しきるとか?


まずはフロントに待ち合わせね!
それから決めよう。


少し、早めについた彼女が誰かと話していた。


日本語を流暢にしゃべる男性。

ちょうど今日の仕事を探してたんだって。
車で案内もしてくれるんだって。

値段も交渉したら、安くしてくれるって。

どうする?
お願いしようか?


う~ん。そうね・・・。
そうしようか。

交渉が成立すると、
その男性が、OK!じゃあ車を外に停めているから
10分ぐらい待ってて!そこに友だちも待たせているし。
今、呼ぶから。と携帯を取り出すと
どこにいたのか、すぐさまもう一人がやってきた。



その瞬間、うわ・・・・・!

なんだかわからないけど
やだ、この人!と思ったのだった。

と同時に、
「あれ?さっきからKAORUちゃん
ぜんぜんしゃべってなかったでしょう!
なんか見てたでしょう?
なんか感じてた?」と
にわかに私の顔を見つめてきた。


はっ、っと我に返った。

最初の人のときから
じ~っと上から下までそういえば、見ていた。


どうなんだろう?この人。

そんなに悪い人でもなさそう。

でもどうかな・・・。半々かな・・・。


まあ、いいかな・・・。


大丈夫、だよね。たぶん。



そんな気持ちが行ったり来たりしていた。


でも、決定的にヤダ!と思った絶妙なタイミングで
気づくなんて、さすが!MORIMO!

私もそう思ったの。


だけど、どうしよう・・・!
もう迎えにきちゃう!

残された時間はあと少し。


***********************

私は、とっさにフロントに向かった。

「ねぇ、今のやりとり見てたでしょう?
どう思った?」

と聞くと、フロントの係りは
今度は丁寧な口調で、

「私たちは何とも言うことができません。
ただ・・・。
ホテルで手配するタクシーの方が安全です。」と

観光タクシーのデスクを指差して
かすかに微笑んだ。


その方向を振り返り
デスクに座っているドライバーの姿を見ると、
瞬間に、ピンときた。

ぜったい大丈夫!この人!

急いでかけ寄り、値段交渉をした。

ちょっと高いけど
安心料には変えられない。

すぐ車、用意できる?

もう向かえに来ちゃう!



大丈夫、そこに車あるから、
すぐに出発しよう!

急いで車に乗り込んだ。


例の車はまもなくホテルのゲートを
通り抜けて、入れ違いに入ってくるに違いない。


私たち二人は、
体を九の字に曲げて身をかがめて
窓から顔が見えないように隠れた。


そのスリリングな気分ったら、ない。

ドキドキなんてとっくに通り過ぎている。


***********************

もう顔上げて大丈夫だよ!


陽気なタクシードライバー
Pite(ピト)は、いたずらっぽく教えてくれた。


ボッタくられそうになってからというもの、
ちょっと神経質になって用心していた。


そして、思い出したのだった。


あ!そういえば私ってオーラとかなんとか
いろんなコトが見える人なんだった♪

仕事の時はバリバリ本気スイッチ入れるけど、
普段はたぶんなんとなくわかっているだろうけど、
基本、ぼーっと行動している。


だから、失敗もうっかりも多いのだ。


だけど、こんな状況下では
ちゃんとアンテナ張って使わなきゃ!


だって、ココは決して治安がいい場所とは言い切れない。

数年前のテロだって、すぐ近くだ。


それから、というもの
一人でタクシーをつかまえる時には
ドライバーの顔を確認して、自分の直感を信じて
選ぶことにした。


走っている車の運転手の顔を一瞬で見て、
それから急いで停めて、乗せてもらうのは至難のワザだ。

しかも、折りしも、逆光。


両手いっぱいに荷物を持って、道路脇に立ち、

いろんな角度から、カラダを上下左右に振りながら
フロントガラスを覗き込んで、
じーっと見つめている姿はハタからみて、
ぜったいにあやしい、ヘンな日本人だったと思う。


だけど、
まわりからどう思われようが、もはや関係がない。

とにかく無事に帰るのだ。
ホテルに。そして日本に。



私の本気のスイッチがあたったんだと思う。

良さそうなドライバーは、
安全運転で、無事に送り届けてくれた。


危なかった話をしたら、
「そのタクシー覚えてる?ナンバーひかえてる?
通報したらいいよ」と
バックミラー越しに教えてくれたのだった。


***********************

だけど、
冷静にあとから計算してみたら、

20,000ルピーは日本円で200円!

あんなに走ったのに???

安~!


ホテルまで戻るのに50,000ルピーも?!って
思ったけど、それでも500円。


数年前、N.Yの空港からマンハッタンまで
70ドルで行ったのに、
私の知り合いなんか、ほぼおんなじ距離を
500ドルを請求された、という話を聞いたことがある。
約7,000円と50,000円は
明らかにそれはボラれているだろう。


今回の場合は、被害総額(?)200円!

ボラれそうになった・・・のかも。
というレベルなのかもしれない。

***********************


とにかくレート計算は
0(ゼロ)の数がなにかと多くて
いつも日本円に換算するのにひと苦労だった。


なにしろ、算数はめっぽう弱い。


とはいえ、
日本円のほうがまだ0を2つ消すだけでいいから
本当は簡単なはず。

だけど、20万ルピーと言われると、
ゼロ2つ消すのに手の中でいちいち書いてみたり
頭に数字を浮かべないと、
わからないトホホな脳構造になっている。


しかも、オーストラリアドルから
バリのルピーにするには
もっと中途半端な割り算が必要ならしく、
日本円とオーストラリアドルが入り混じると
なおさら訳がわからなくなって
二人で混乱を極めてくるのだった。

***********************


半日ツアーで参加した
ヨガレッスンはアメリカドルで支払うシステム。


え~っと、っていうことは
35ドルは何ルピー?今手持ちがなくなっちゃったから
日本円に直すといくら両替しないといけないの???

二人一緒に払わなきゃいけないから
じゃあ、オーストラリアドルではいくら必要???

携帯の計算機を使っても
もう、換算不能領域に達してしばらくフリーズする。


ムズかしい(?)計算のことは
今でもよくわからないけど、

それでも確信したのは、
とにかく、
使える五感は、持っている能力はぜんぶ使いきるのだ。


いいな~、そういうのが
わかって。と
旅の一連のできごとを話したら
羨ましがられたが
すぐさま答えた。



ぜったい誰でもみんな持っている。


それは、スピリチュアルな能力、というより
危険を避けようとする動物的な勘、というほうが
もしかしたら正しいのだと思う。



そのアンテナを、自分の直感を信じて
研ぎ澄ましていくしかないと思う。



それも、毎回確実に当たるか
はずすか、そんな保証はどこにもない。

それでも、迷わず使いきる。
できるとかできないとか、そんなんじゃなく。


湧き上がってくる思いを
素直に受け入れ信じていくだけだ。

わかるとかわからないとか、そんなんでもなく。


いつだって、ドラマのような冒険だらけだ。

知らない土地を旅するのだって、
住み慣れた場所での、いつもの毎日だって。

選択肢の連続なのだ。

直感だけが頼りの時であふれている、人生って。


***********************



だからこそ、
そのスリルを、ハラハラしながら楽しんでいく。


その渦中は、決して
アドベンチャー気分なんかじゃないけどね。

いっつも泣きそうになって、
弱気になっちゃうけどね。


でも、
どんなことがあっても
あとから振り返るといい思い出になるのよね、不思議なことに。


平和な日本にいると手を挙げたら、
普通に目的地まで運んでくれるタクシーが
本当にありがたく思えてくる。


いやいや、それだけじゃない。


やっぱり、安心で安全で居心地がいい。



戻ってくると、忘れていたことに
あらためて気づける、外の風。


それも、旅する大きな目的。
今回もまた、ひとつ思い出す。
























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