磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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かあさんと呼べた日

2006年07月21日 | 読書日記など
『かあさんと呼べた日』
      山口勇子・著/草土社1978年

「広島子どもを守る会精神里親運動」について
書かれてある本です。




著者は運動に参加されてもいた方のようです。
最初は、広島大学の学生たちが配布している
プリントに書かれた趣意書をもらってからだという。

この学生たちは広島大学の長田新の教え子。
趣意書にはこの運動がなぜ必要不可欠かが
書かれてあります。

ノーマン・カズンズの運動に触発された
運動でもあるそうです。

趣意書の最後には、
「一九五二年十二月 広島大学教育学部東雲分校学生有志」
と書かれてあった。

基本目標と要領も、きちんとしたものです。

この運動をはじめていると、
精神親というのではなく、精神『兄』になりたい
という苦学生からの手紙もあったという。

経済的事情から修学旅行に行かないと決めた子どもがいた。
しかし、手紙でやりとりをする。下「」引用。

「わざわざ鎌倉までたずねてくれたのだし、若い者が東京にきてみれば、お金のいることばかり、足りなくて不自由ではないかしら、と少々お小遣いを上げたくなるのは当たり前じゃありませんか。だから、あなたは「どうもありがとう」といって素直に受け取ればそれでいいんですよ。それでもって、特に敗北したような気になるなんてナンセンスですよ。おかあさんからお小遣もらったって不思議はないでしょう。
 -略-   鎌倉のおかあさんから」

やさしいお母さんですね。それに、しっかりした子どもですね。

モンゴルからも、孤児のために寄付があったという。
そして、モンゴルの人たちとの交流もあったという。

夏の日だけの美談というの辛口の文章もありました。同。

「現地を視察したい、という“名士”たちが夏になると続々と広島をおとずれた。日本人も外人も。次から次へとのぞきこむように、せまくるしい被爆者の家をかいまみて十分間ほど被爆者たちと話しあい、写真をうつして帰っていく。-略-
 真夏、じっとしていても暑い季節に夜行列車で広島について、不案内な街をかけ廻り、重たい録音器やカメラをかついで、ほんとうにごくろうさま。-略-そして、原爆シーズンの夏が終わると、そういった一人の訪問者もなくなってまたもとの静けさにもどるのだった。」

真摯に被曝孤児をみてこられた方に、
頭が下がります。ありがとうございました。m(_ _)m


広島子どもを守る会精神里親運動略年表

たぶん、児童文学者の山口勇子さんだと思います。

絵本 おこりじぞう





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