磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

雑居学 創刊号

2008年06月27日 | 読書日記など
『雑居学 創刊号』
   丹雄一・編/日本雑居学会1980年

おもしろい学会で、ちっとも権威を感じないところがいいですね。
--とっても庶民的です……。
今は存在しないのでしようか?



「創刊の辞 雑居人宣言」というのが最初にあります。
体験主義の日本なのに、この会は歴史主義であるようです。下「」引用。

「その昔、日本人をあげて、「日本内地」に外国人をむかえいれ、「いざ雑居せむ」と悲壮なる決意を固めたことがあった。幕末の「不平等条約」の改正とひきかえに、外国人の日本国内での自由な居住を認めることになった頃の話である。問題が明るみに出たのは、一八八九年(明治二二年)であるが、当時、これを「内地雑居」と呼び、約一○年にわたって大へんな論議にまき起ったという。おカミや経営者は、政治や経済を内部から撹乱されることを恐れ、庶民は、町内にも、「青い眼の毛唐」がウヨウヨ住むといった事態を予想したらしい。」

今も、幕末の攘夷のサムライのようなことをいう人たちはいますね……。
--ゼロサムゲームをされていて、その思想なら自然と戦争になるという説がやはり正しいと思う……。

天皇家は帰化人という説もあり、どこから日本人であるかは規定するのは難しいという人もいる……。下「」引用。

「第一、「内地」でも「外地」でも誰と誰が闘っているのかわからないほどに戦線は入り乱れ、こんがらがっている。この戦線をきれいな図式で説明するヤツほど信用がおけない。われら「雑居人」を志す者は、物事の裏、裏の裏、そのまた裏をかぎまわり、いぶりだしてみようじゃないか。それはたぶん、何よりも「自分」をいぶりだすことになるだろう。副産物として、「民族」とか「国家」だとかいうエタイのしれないものがいぶりだされてくるかもしれない。」

日本国籍がある人が日本人というのは、わかりやすいですね。

「「原爆」の清算」下田平祐身(東京都立大学・社会政策)・著の記事がありました。
▼古ぼけた書類のヤマ 下「」引用。

「長崎国際文化会館の原爆資料室の片隅に、茶色に変色した、古ぼけた書類の束が積まれている。書類は、爆心地近くにあって壊滅的な打撃を受けた三菱長崎製鋼所のもので、四五年八月九日の被爆後、従業員の死亡者を調査した記録が中心になっている。-略-」

▼長びいた死亡者の確認調査 下「」引用。

「しかし、いざ手をつけてみると、この書類の山は、大へんなシロモノだった。企業が従業員の原爆犠牲者の氏名を大まかに確認するまでに、四五年八月九日の被爆以後、実に一年以上かかっているのである。企業が原爆死亡者の調査に一応の終止符を打つのは、四七年初めであるが、それまでに、さまざまな時点で、十種類以上の死亡確認リストが作られている。-略-」

結局、清算できず……。下「」引用。

「被爆後三五年になろとする現在、あらためて、「原爆」と「戦争」の社会的な清算が持つ意味を問い直す必要があるのではないだろうか。言葉を変えれば、このうよな清算によっても清算しきれなかった問題が、今日に至るまで噴出し続け、「原爆問題」の流れを形成してきたといえよう。そのことと、今日の核エネルギーのなしくずし的な浸透の問題を結びつけてとらえなければならないと思うのだ。(この話についてもっと詳しく知りたい方は、下田平稿「企業と原爆」を見ていただきたい。雑居学会事務局取り扱い)」

index

このような雑誌が続いて、売れていたら、今の日本より住みやすい社会になっていたのではないでしょうか?







もくじ





エンタメ@BlogRanking




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。