磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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廣島原爆誌

2008年10月26日 | TOP【もくじ】
『廣島原爆誌』
   中国電気通信局・編/中国電気通信局1955年

テレビやPCのない時代……。
--でも、電話はあった……。
今ではNTT……。



■目 次■

写真
 原子雲  9
 一瞬廃虚と化す  10
 原爆の恐怖  22
 時は流れて  26
 復興のいぶき  30
 平和都市の建設  34
 躍進する電信電話  40
 慰霊碑  49
記事
 第一章 原子爆弾炸裂す  51
  被爆前の広島  53
  当時の電気通信事業  53
  原子爆弾炸裂す  60
 第二章 被爆前後における在広各機関の情況  67
  広島逓信局  69
   広島逓信講習所  84
   広島逓信病院  89
  広島電信局  95
  広島駅前郵便局  111
  宇品郵便局  117
  広島中央電話局  117
  広島電気通信工事局  139
  広島搬送電気通信工事局  157
  広島無線電気通信工事局  174
  西部逓信総局  178
  その他  178
   中部防衛通信施設部  178
   西部防衛通信施設部  178
   中国地方総監府  179
 第三章 広島の復興  181
  電気通信施設の被害状況  183
  応急復旧工事  193
 附録 原爆体験記  219
 あとがき  229
       題字  大泉周蔵


「広島電信局長の死」 下「」引用。

「局長岩田実氏は広島郵便局電信課長として戦時下における電気通信の運営に不断の努力を続けていたが、戦局の深刻化と共に重要通信の増嵩、就中防空通信は日々に増加し、反面運用要員は従軍、応召その他六分室の開設に伴い、各分室に要員を配分する等の事情により極めて逼迫し、円滑な運用確保に困難を極めていたので、率先所属課員を指揮督励して重要通信そ(*ママ)通の確保に努めていた。
 偶々八月一日広島郵便局電信課は広島電信局として独立のこととなり、同氏は電信局長に昇任され、その責任は益々加えられるに至った。
 同氏は新たな責務を遂行するため、電信局の要員の配置、補充その他諸般の整備に、多忙の日々を重ね八月六日に至ったのであった。八月六日は局長官舎から徒歩出勤の途中、県庁橋中間に在って被爆し人事不省に陥ったのである。
 数刻後救護班により救助され、陸軍病院江波分院に収容された。-略-八月十二日、遂に氏の取引希望も実現しないまま原爆の犠牲者として死亡された。
 なお氏の夫人もまた八月六日自宅で被爆、死亡されたのであった。」

「附録 原爆体験記」 下「」引用。

「これは特に募集したものではなく、原爆誌編集のための資料、および個人への質問書などに記載してあったものなどのなかから、適宜抄録したものである。
 八月六日の水筒  中井秀基
 原爆症の彼方  植野サダ子
 水槽の中に  本広勇
 精根つきて  田頭嘉雄
 火焔に追われて  二川正彦
 防空頭巾  時森実」

厳し過ぎる体験記。下「」引用。

「一週間というものは三十九度前後の熱に苦しみました。左手及び胸部、背中にかけてガラスの破片が三十個所以上突きささっており、麻酔もなくピンセットでつつき出される痛さは忘れられません。左肩から肘にかけてほとんど筋肉はなくなっておりました。傷は赤チン、リバノールで処置されました。十三日頃より頭髪が抜け始め十五日にはまる禿となりました。
 十六日午後九時頃鼻血がではじめ、これが止まらず、鼻に綿をつめれば口から出るという始末で、正午頃までこの状態が続きました。ゴボゴボと音をたて耳のあたりに血が上る感じのまま意識不明となりました。
 十八日気付いたときは左右の聴力を全く失っておりました。とうとう左右全聾を免れることはできませんでした。二十七年末頃までは三半規管に異常があり、まともに歩くことは困難でしたが、二十八年に入ってから次第にこの状態を脱することができて、現在ではピンポン玉を追うこともできるようになりました。(広島電報局庶務課、当時電信局員)」

電池は使用不可能だったという……。下「」引用。

「一番に電力室に行って見たら配電盤や壁は黒々となり、保守員はたおれて即死して居りました。
 電池が使用不可能とわかりましたので、機械室に引返して磁石式電話機で、倒れている本配線盤の線番表をさぐり防空通信用の弾器に呼出し試験をやって見たら、中国軍管区の通信隊(地下通信隊)と宇品陣地が応答したが、どちらもこの電話で事態を知ったらしいです。」


磁石式電話機というのは、手回し式のようです。








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