一本指の被爆者の詩

『一本指の被爆者の詩（うた）－田坂元詩集－』
　　　田坂元（はじめ）・著/
　　　　　ＭＢＣ２１大阪東支局・遊糸社1997年

帯に書かれてあります。下「」引用。
「原爆投下によって地獄絵と化した少年時代の原風景
吹き飛ばされ、焼き払われた荒野の中から
世界を認識しはじめた者の
現代社会への辛辣なる警告の歌！」



不自由な手でワープロを打っているという。下「」引用。
「序文を書くということは、面倒な作業である。特に私ように不自由な手でワープロを打つ者にとっては。当然のこととしていい加減なものとならざるをえぬ。そういっても内容までいい加減といったようなものでは決してない。」

こんなことを書かれています。下「」引用。
「エノラ・ゲイに乗ってた者たちは
母から生まれたんじゃないか
故郷には子供もいる父だろ
ロボットだったというのかい
人間ではなくて」

エノラ・ゲイというのは、母の名前ですね。
－－彼らは正義でおこなったという。
彼らは、日本人の多くの生命さえ救ったという。
それも、連合国で日本だけが残っており、もう悲惨な状態にすでにあったというのに……。

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しかし、古い日本人ならいうだろう。
人のことを考えられるから、人間……。
間のないのは人……。
－－母からよく聞いた……。

風呂というタイトルの作品がありました。下「」引用。
「風呂
普通の家には
家湯という名の風呂がついている
棺桶そっくりの」

安穏として生きているけど、核兵器はあるよということなのでしょうか？


医学的にも蘇生というのがあるから、二度苦しむ人もいると思う。下「」引用。
「死（二）
人間は一度死ぬば
二度と死ぬことはない
したがって死の苦悶も
二回味わわずにすむ」



被 爆 体 験 記　田坂 元









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