磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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「殺すな」と「共生」-大震災とともに考える-

2011年04月08日 | 読書日記など
『「殺すな」と「共生」-大震災とともに考える- 岩波ジュニア新書 252』
   小田実・著/岩波書店1995年

地震に巻き込まれた小田実。下「」引用。

「私の住まいは西宮にあります-略-。私と私の家族も地震に巻き込まれました。さいわい私たちの集合住宅は倒れていませんでしたが、集合住宅の玄関は破壊され、住まいのなかでもいろんな物がこわれ、今は一見安泰に見えていますが、じつは一度、要注意の札が張られたりするくらい被害を受けました。-略-」



「絶対平和主義」と「平和愛好主義」……。下「」引用。

「「平和主義」は、たんに「平和が好きだ」というぐらいでの「平和愛好主義」ではありません。英語で言うなら「パシフィズム」で、「絶対平和主義」とより正確に言ってもいいですが、戦争には正義はない、問題を武力で解決することはまちがっている。解決はすべて「非暴力」の原理に基づいて行なうべきだ、暴力行使の最大、最悪は戦争だ、戦争を絶対にしない、武力はもたない--これが平和主義ですが、「戦後」、日本人の多くが、こうしたつきつめた思想としてのものではなくても、多かれ少なかれこうした考えをもったと思います。それゆえにこそ、この平和主義を原理としてた「平和主義」を日本人の多くが受け入れ、今日に至るまで支持して来たのですが、民主主義と平和主義の結びつきによって、ほかの国にない民主主義--アメリカ合衆国の民主主義ともちがうし、イギリスの民主主義ともちがう、日本独自の理想的な民主主義をもった、いや、それをつくる土台はできたことになります。」

その後、小泉純一郎たちに、かなり破壊されたといっていいかとボクは思います。

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戦中さながらの「難死」……。下「」引用。

「阪神大震災で、五五○○人余りの人がまさに戦争中さながらに、「難死」としか言いようのない死をとげました。大地震自体はたしかに天災です。しかし、もうちょっと踏み込んで考えてみると、いったいほんとうに天災だったのだろうかという気持ちが私は非常に強くします。
 いろいろな人が、多くの人が事後の対策のまずさを指摘しています。-略-」

一等席から落ちた神戸……。下「」引用。

「私が一等席だというのは、神戸、芦屋、西宮あたりの都市は、日本でもっともゆたかな地域だといわれていた場所だからです。なかでも神戸というのははなやかな国際都市で、万博みたいなことをたくさん開催して、きれいな建物がたくさんある、日本のゆたかさの象徴としてあった都市でした。その豊かさの象徴の部分が突然欠けて落ちてしまって、落ちていった先がルワンダみたいになってしまった。」

乱開発のツケ。下「」引用。

「-略-この地域では民間企業ではなく地方自治体が主体になって、人びとの税金を膨大に使って、乱開発をすすめて来たのです。「神戸株式会社」とよくあだ名でいわれたのですが、私はその「神戸株式会社」の乱開発のツケが今度の大震災にまわった、すくなくともそのひとつの大きな要因になったのではないかと考えるのです。」

「防災神戸」と「人間の国」……。下「」引用。

「火事場泥棒の「防災神戸」づくりに巨額の税金をまたぞろ使うのなら、どうして、その「公」のお金で民間の住居、アパート、ホテルなどを借りないのか。あるいは、市のあまたある役所を半分に仕切って住居にしないのか(リストラと呼ばれる昨今です。人間の「リストラ」をやるなら、まず建物の「リストラ」をしなさい)。いや、そんなことをすれば、せっかく高層建築がたち並び、車がゆったり通れる広い道路ができるという「防災都市」の美観がそこなわれるという言い出す人がいるかも知れませんが、たとえ、そうした美観をもたなくても、こちらほうがはるかに「人間の国」の姿かたちを示しています。」







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