磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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新潮文庫 東京大空襲の記録-写真版-

2009年06月13日 | 読書日記など
『新潮文庫 東京大空襲の記録-写真版-』
   早乙女勝元・編著/新潮社1987年

写真版というだけあって、写真が豊富です。
--ヒロシマとちがってカラー写真がないのでしょうか?
むかし、見たような気もしますが……。



東京の都心で人骨が発見されたという。下「」引用。

「年の暮もつまって、冷えこみのきびしいその朝、東京・墨田区の菊川公園で排水管埋設工事現場をぶらついていた一中学生が、奇妙なものを発見した。かなりの大きさの、赤茶けて古木の枝を思わせる骨である。
 少年は、たまたま現場を愛犬と散歩中であった。その犬が、ふとしたはずみに掘り起こされて山となった土砂のなかからくわえてきたのである。犬が放り出した骨を、少年は手に取って見た。軍手をはめていたし、それに一見してなまなましさはなかった。もしかして人骨ではないかと、彼が疑ったのは、もよりの菊川小学校在学中に、担任の関口照治先生が熱心にこの地域における東京大空襲の惨禍を語ってくれたからである。」

そして……。下「」引用。

「まもなく学校からの急報によって公園の管理者である墨田区役所公園課の職員がきた。何人かで土砂を崩してみたところ、ほんの数分で人骨らしきものの七、八片が発掘され、かけつけた警察鑑識課調査で戦災遺骨であることが確認された。戦後三八年目の、一九八三(昭和五八)年一二月二三日のことである。」

東京大空襲では、消防士も殉職……。下「」引用。

「火を消しにいったはずの消防自動車一五台も、みな大火流に呑まれ、大勢の隊員は車もろとも焼失して殉職しなければならなかった無念の心情が、都消防部「消教務第二三一号」報告書にしるされている。
 しかし、殉職者を出したのは、深川署だけにとどまらなかった。隣接した本所消防隊では七隊が出動、これまにない深刻な非常事態に応援たのむと近隣の三○隊に緊急要請したが、応援隊は待てどくらせど一隊も到着せず、決死的な敢闘もむなしく、消防自動車七台と、隊員一○名とを失った。-略-」

空襲で一命をとりとめたけれど、破傷風で亡くなったという……。

生きのびた人々を、飢えの恐怖が襲う。

「本書は新潮文庫のために書下ろしたものです。」と書かれてあった。








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