磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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被爆地長崎の再建

2009年02月02日 | 読書日記など
『被爆地長崎の再建』
   片岡千鶴子・著/長崎純心大学博物館1996年

永井隆は立派だっただけではないと思う……。
--構造的暴力とも戦っていたとも思う……。
だから、権威主義の人たちに攻撃されたのではないか?
そう思えてならない……。
--権威主義者は、同じカトリックでも永井隆がいっていることも理解できないようだ……。



永井批判に対して、永井のことを書かれている。

摂理が大きな問題のようだ。下「」引用。

「特に永井批判の根拠になってきた『長崎の鐘』のなかにある「原子爆弾が浦上に落ちたのは大きな御摂理である。神の恵みである」ということばの真意を究明することを中心にこの本を編集した。」

だけど、簡単なことで、『神の摂理』を共産主義者や関連の人たちが『人(共産主義者)の摂理』にしているだけと思う。

そもそも、宗教を否定している人たちが、宗教理解もできず、批判するなんて、卑劣すぎると僕は思う。

排他的なイデオロギーは平和をつくるものでもないと僕は思う……。


「永井博士の臨終」……。下「」引用。

「-略-この頃、もう博士の容態は非常に悪く、心臓も弱り、体力も全く衰えていた。死後解剖の結果、判明した事であるが、心臓の筋肉に既に白血病の作用があらわれていたという。
 書き上げられた原稿に欠字や文法の誤りが多いのを見て、博士自身、驚いてたということである。
 翌々二十五日には、右肩甲部に、内出血したために、右手が全く使えなくなった。
「僕は寝込んでしまったが、腕と指はまだ動く。だから書くことは出来る。そして書くことしかできない」といって瀕死の重病の床で、五年間に十四冊の本と、一万通に近い手紙と無数の絵を書いた彼も、遂に腕と手を動かす事が出来なくなって、仕事を止めた。-略-」

久松婦長の永井博士との思い出も書かれてあります。

画板……。下「」引用。

「八月三日から十二日まで長崎博物館で開催されている「永井博士遺品展」の中に、博士遺愛の画板がある。普通人の三十五倍も大きい脾臓と、三升三合の覆水がたまって、はち切れる程ふくれていたお腹を抱え、独りで、寝返りもうつ事の出来ない体を仰向けにしながら、博士はこの画板に紙をはさみ五年の間に、十五冊の本と、一万通の手紙とたくさんの絵を書いたのだった。」

政党や労組系列……。下「」引用。

「「政党や、労組系列の政治勢力拡大活動としての原水禁運動には共鳴できない」という声を私は長崎の指導的良識人から幾たびも聞く。その具体的反映として七月二十三日には、「長崎市水協」が結成された。政党の干渉や支配を排除した、一般市民による組織というのがキャッチフレーズだ。-略-
 もし、誤って原爆体験が憎悪や恨みの心をあおる形で訴えられたら、それは平和と結びつくであろうか。憎悪は時を得れば復讐心(ふくしゅうしん)と化し、戦争を招く有力な素因となり得るだけではない。憎悪や力の圧力によって維持されるまやかしの平和は人類の幸福たり得ないであろう。」

ボクは政党や、労組が平和をつくりだす有力なメンバーになりうるだろうとも思う。

また、宗教者も同様に有力な人たちや、団体があったことも歴史……。

構造的暴力を見もせず、平和といっている人たち、どこの誰であろうが信用できるものではない。

徒党を組むのは、政治だけでなく、宗教もである……。

カトリックの歴史をみれば、神聖ローマ帝国という、ある意味、当時の靖国神社をつくっていたのもカトリックではないのか?

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それと大きく異なる人物がいる。

その最大が、イエス・キリストであり、病んでからの永井隆博士でもある。

--どちらも、貧乏人、弱者にもやさしかった……。

もちろん、永井は人間なので、しくじることもあっただろう……。

そして、悔恨の涙を流したこともあっただろう……。

永井隆は人間だった!

--それ以上のことは必要ないとボクは思う……。

神の摂理は神のみが理解することであり、人が理解できないもの……。

それを楯にとれば、カルト教団と変らぬものともなろう……。

わからないことを、わからぬままに、永井隆は語っている……。

--信心としては、それでこそ正しいとも思う……。

それが理解できるのは、同じ信仰心のある者たちでもあろう……。

しかし、井上ひさしや、曾野綾子などが理解できるとも思わない。

カトリックも一枚岩ではないと思う……。

大切なのは人間だろうと思う……。

やはり、ジョン・レノンはすごいと思う。


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あるイデオロギーの人たちのように、新しい構造的暴力をつくろうなんて、これっぽちもしなかった……。






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