『にんげんをかえせ-峠三吉全詩集-』
峠三吉・著/風土社1971年
クリスチャンだったけれど、峠三吉は辞めたと日本共産党関係の人は書く……。
--でも峠さんなら、今の日本共産党もやめているだろうとボクは思う。
ソ連の武器は平和の武器を峠さんが許したとはボクにはとうてい思えない……。
「にんげんをうばうな!
磯野鱧男パロディー作品
にんげんをうばうな!
ちちをうばうな! ははをうばうな!
としよりをうばうな! こどもうばうな!
わたしをうばうな!
わたしに つながる にんげんをうばうな!
平和の名のものとに にんげんのこころをうばうな!
にんげんのこころをとりもどせ! 抑止論者よ!」
日本共産党は辞めても……。
--それでも峠三吉は詩はやめなかっただろう。
社会の不合理を許せない人間だったという……。下「」引用。
「しかし、いわゆる「原爆詩人」として知られる峠三吉が、決してそれだけの詩人ではなかったことはあまり知られていない。病弱で優しい愛をうたっていた詩人が、歴史の歩みのなかで己の信ずるところにしたがって生き、自己変革を重ね、社会の不合理を許すことのできない己にまでつきつめていったときに、死をまねかざるを得なかったその生涯は、美しく痛ましい。」
「お空に住んでいるもの」というタイトルの詩も残している。下「」引用。
「お空に住んでいるもの
私よりも よく笑い
私よりも よく沈み
私よりも 遊び好きで
私よりも よく泣く、
それは とっても大きいけれど
でも 何時も 怒りはしない。」
「怒り」を美化してしまうような人物ではなかったようだ。
「劇団プークに捧ぐる詩」、「斎美小学校戦災児童の霊」というタイトルの詩も書いている。
「斎美小学校」というのは、軍人の子弟のみを集めていた学校だという。
刊行のことば。下「」引用。
「峠三吉の不慮の死のあと、和子夫人から依頼されて且原純夫が預っていた詩稿を、ようやく刊行することができた。青木書店のご好意により、『原爆詩集』をこの全詩集に収録する了解もいただき、また、『原爆詩集』の解説を書かれている中野重治氏、峠三吉がもっとも信頼していた壷井繁治氏から、この全詩集のために執筆していいただくことができた。
また、校了直前に、増岡敏和氏の『八月の詩人--原爆詩人・峠三吉の詩と生涯』(東邦出版社)が刊行された。『追悼集』を基にして作成したこの年譜も、それにしたがって校訂することができたことも併せて、厚く感謝します。
なお、はじめて活字になった峠三吉の詩「幻影」以前に、数篇の詩作品のあることがわかったけれども、ここには収録できかなかった。」
全詩集ではなかったようです。
--でも、そんなこといったら、全集のほとんどウソになるでしょうね……。
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もくじ
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峠三吉・著/風土社1971年
クリスチャンだったけれど、峠三吉は辞めたと日本共産党関係の人は書く……。
--でも峠さんなら、今の日本共産党もやめているだろうとボクは思う。
ソ連の武器は平和の武器を峠さんが許したとはボクにはとうてい思えない……。
「にんげんをうばうな!
磯野鱧男パロディー作品
にんげんをうばうな!
ちちをうばうな! ははをうばうな!
としよりをうばうな! こどもうばうな!
わたしをうばうな!
わたしに つながる にんげんをうばうな!
平和の名のものとに にんげんのこころをうばうな!
にんげんのこころをとりもどせ! 抑止論者よ!」
日本共産党は辞めても……。
--それでも峠三吉は詩はやめなかっただろう。
社会の不合理を許せない人間だったという……。下「」引用。
「しかし、いわゆる「原爆詩人」として知られる峠三吉が、決してそれだけの詩人ではなかったことはあまり知られていない。病弱で優しい愛をうたっていた詩人が、歴史の歩みのなかで己の信ずるところにしたがって生き、自己変革を重ね、社会の不合理を許すことのできない己にまでつきつめていったときに、死をまねかざるを得なかったその生涯は、美しく痛ましい。」
「お空に住んでいるもの」というタイトルの詩も残している。下「」引用。
「お空に住んでいるもの
私よりも よく笑い
私よりも よく沈み
私よりも 遊び好きで
私よりも よく泣く、
それは とっても大きいけれど
でも 何時も 怒りはしない。」
「怒り」を美化してしまうような人物ではなかったようだ。
「劇団プークに捧ぐる詩」、「斎美小学校戦災児童の霊」というタイトルの詩も書いている。
「斎美小学校」というのは、軍人の子弟のみを集めていた学校だという。
刊行のことば。下「」引用。
「峠三吉の不慮の死のあと、和子夫人から依頼されて且原純夫が預っていた詩稿を、ようやく刊行することができた。青木書店のご好意により、『原爆詩集』をこの全詩集に収録する了解もいただき、また、『原爆詩集』の解説を書かれている中野重治氏、峠三吉がもっとも信頼していた壷井繁治氏から、この全詩集のために執筆していいただくことができた。
また、校了直前に、増岡敏和氏の『八月の詩人--原爆詩人・峠三吉の詩と生涯』(東邦出版社)が刊行された。『追悼集』を基にして作成したこの年譜も、それにしたがって校訂することができたことも併せて、厚く感謝します。
なお、はじめて活字になった峠三吉の詩「幻影」以前に、数篇の詩作品のあることがわかったけれども、ここには収録できかなかった。」
全詩集ではなかったようです。
--でも、そんなこといったら、全集のほとんどウソになるでしょうね……。
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