磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

魔力DNA鑑定-足利市幼女誘拐殺人事件-

2011年03月05日 | 読書日記など
『魔力DNA鑑定-足利市幼女誘拐殺人事件-』
   佐久間哲・著/三一書房1998年

まじめな、弁護人がいなければ無罪を勝ち取れなかったもしれない。
そして、今では、プアワーカーまででるようになった弁護士さん。
それで、追及なんてできるんでしょうか?
またも、政治の悪意を感じます……。



「こんなの裁判じゃない」 下「」引用。

「閉廷後、傍聴席では、「こんなの裁判じゃない」という声も聞かれ、傍聴席の中には、死刑が確定しながら再審無罪となった免田事件の免田栄さんの顔もあった。」

過去の事件……。下「」引用。

「幼女失踪と聞いた途端、過去の二つの幼女誘拐殺人事件が思い起こされたからである。」

登場したばかり……。下「」引用。

「日本でも登場したばかりの“初期DNA鑑定”が威力を発揮しはじめたころ、足利市で三件目の幼女誘拐殺人事件が発生したのである。」

DNA鑑定を勉強した弁護人。下「」引用。

「DNA鑑定が決め手といわれた足利事件だが、弁護人はDNA鑑定のこしとはまったく知らなかった。手に入る資料を集め、英文のものは知り合いの大学教授に訳してもらった。担当の検察官も、DNA鑑定のことは初耳しらく、一生懸命勉強したという。その結果、弁護人は証拠能力自体に疑問を感じ、DNA鑑定関係については不同意とする。-略-」

DNA鑑定は“初期DNA鑑定”特有の欠陥があることなどが指摘された……。

それにしても、下品で下劣な表現が多くてびっくりしました。
法廷などのイメージが大きくかわりました……。
言論テロリズムの場のように思えてなりません……。
これでは法治国家とも呼べないと思います。







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幼稚園バス運転手は幼女を殺したか

2011年03月05日 | 読書日記など
『幼稚園バス運転手は幼女を殺したか』
   小林篤・著/草思社2001年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「それはDNA鑑定という神話の暴走だったのか?
足利幼女殺人事件裁判が明かさなかった真相に迫る」



証言から作り話と理解できる……。下「」引用。

「この田村の証言の持つ重さに、戸惑った。最初は半信半疑で、細かなことまで執拗に、何度も念押ししながら話を聞くことになった。しかし、彼は、実直な人柄そのままの淡々とした口調で、確かなことだけを語ってくれる。そして、話したことは事実だから、公表してもかまわないと言った。
 ゴルフの宮川、野球の佐藤、マラソンの田村らの証言を重ね合わせた渡良瀬運動公園に、菅家被告とマミちゃんが乗った自転車を走らせてみると、その姿は掻き消えてしまった。菅家の自白は、まったくの作り話でしかない。」

警察犬「チル」のことも書かれてあった。下「」引用。

「それらのルートは誤報であったが、チルの正確な追跡ルートは捜査上の秘密として、三井訓練士は固く口外を禁じられる。しかし、この『殺害現場=砂場説』は、捜査本部はチルのルートとともにいつの間にか捨ててしまう。砂場から遺留品が一つも発見されなかったこともあろうが、捜査関係者たちに質問しても、「犬はあてにならないから」などと曖昧な理由しか返ってこなかった。」

前兆となる事件もあったが、菅家さんとは別人……。

三件目の幼児連続殺害事件とセンセーショナルに伝えるマスコミ。下「」引用。

「『悪夢三度、市民ショック』『また、怒りと恐怖がひろがる』などの大見出しが新聞に躍り、マスコミはこぞって警察を叱咤した。」

DNA鑑定についても書かれてありました。

情報のリークで、世論を操作……。下「」引用。

「なぜ、捜査本部の困惑を承知のうえで菅家の事情聴取を全国紙にスクープさせたのか。問題なのは、こうした情報のリークによって現実を恣意的に操作することである。」







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検証 免田事件-よみがえった死刑囚-

2011年03月05日 | 読書日記など
『検証 免田事件-よみがえった死刑囚-』
   熊本日日新聞社・編/日本評論社1984年

「わが国初再審無罪」だという……。下「」引用。

「昭和五八年七月一五日午前一○時二分。熊本地方裁判所八代支部。「住居侵入、強盗殺人、同未遂事件について被告人は無罪」--河上元康(かわかみもとやす)裁判長のやや小さめの声が廷内に響いた。免田さんは動かない。無表情とも思える姿で裁判長に向きあったままだ。人生の大半を獄につながれ、死の恐怖と闘ってきた男にの「生」がよみがえった瞬間は静かだった。」



「特殊な状況下の人間」 下「」引用。

「東洋大学助教授・稲木哲郎は、社会心理学の立場から冤罪事件に取り組んでいる学者の一人だ。自白を裁判官がうのみしたことから始まったという徳島ラジオ商殺し事件で、『裁判官の犯罪』(晩聲社刊)の本も著している。
「特殊な状況に置かれた人間が考えられない言動を取ることがある。偽りの自白もその一つ。米国で三例の実験データがあるが、ふだんでは信じられない状態になる。その一つに、大学生を模擬刑務所に入れたところ、六日間で異常をきたし強度の発作に襲われた」。稲木によれば、この実験はそこで中止になり、大学生は結局、医者にかかることになったという。」

「日本の巌窟王」=吉田石松事件

「まるで加害者扱い」被害者関係者……。下「」引用。

「-略-再審開始が決まって、報道陣の取材攻勢が始まると、いや応なく、渦中に投げ込まれた。
 いやがらせや匿名の脅迫電話が相次いだ。-略-」

カナダ人の教誨師が、再審を教えてくれたという。

免田は語る。下「」引用。

「死刑を廃止して欲しい。死刑を執行される人の別れの言葉を聞いていますから。できれば死刑廃止運動をやりたい」

「差別社会での構図」 下「」引用。

「わずかな差異が反発を生んでいく。差別する者をつくり出すことで、自らを慰藉していく構造は、例えば水俣病の補償金をめぐっての地域感情にみることができる。それは“攻撃”のはけ口を弱者に向けることで成り立っている。しかし、差別している人間も、実は差別されているという社会だ。そのシステムを、支配する側はうまく利用しているのではないか。」








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INDEX 冤罪関連

2011年03月05日 | 読書日記など
INDEX 冤罪関連


こんなにある20世紀の冤罪[ザ・20世紀]

【免田事件】

検証 免田事件-よみがえった死刑囚-

【足利事件】

魔力DNA鑑定-足利市幼女誘拐殺人事件-

幼稚園バス運転手は幼女を殺したか













【甲山事件】

松下竜一未刊行著作集 5 平和・反原発の方向

■雑誌■

[「冤罪事件を扱った異色の映画」西村雄一郎(映画評論家)]

2011-10









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