磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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「つくる会」歴史・公民教科書-使ったら危険

2010年06月21日 | 読書日記など
『「つくる会」歴史・公民教科書-使ったら危険 子どもを戦争にみちびく教科書はいらない!-』
   上杉聡、大森明子、高嶋伸欣、西野瑠美子・著/
     明石書店2005年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「改憲と核武装を
目指す人びとの願望を
子どもたちに押しつける
有害教科書の本質を暴く」



フジの子会社、扶桑社(当時の「つくる会」教科書の出版社)。産経新聞社と兄弟関係。

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「つくる会」教科書・白表紙本大量配布、国会質問。教科書をめぐる不正が、白昼公然と行われていたという。下「」引用。

「これにより、配布の主体が扶桑社自身であること、文部省の指導にもかかわらず、同社が配布を続けてきたことが判明したのである。-略-「つくる会」は、文部科学省に対し、他社の手を縛るよう働きかけておいて、自らは堂々と法令に違反する行為を行なっていたことになる。-略-
 これに対して文科省の教科書課長・片山純一氏は三月一七日、白表紙本の漏出を「違法な状態」であると認め、厳正な処置を約束したが、同省はその後実質的に何もせず、今回、検定をパスさせたのである。しかも、右に述べた三度にわたる指導を文科省はひそかに行ない、何のペナルティも科していないことが検定後に判明したのである。」

9・11による分裂。下「」引用。

「旧版は、彼ら自身が反米と親米の間で揺れていたのだが、今回は明確 に親米へと一本化したことになる。この転換経緯については、9・11事件をきっかけに反米を主張した小林よしのり・西部邁両氏と、それと対立した西尾幹似・藤岡信勝両市の論争があり、その後、前二者が二○○二年二月に脱会することで決着した。
 この脱会にいたる論争の背景には、もう一つ、アメノウズメの記述や好戦的な戦闘シーンを執筆担当した小林よしのり氏を、教科書の本格的な書き換えを計画していた藤岡信勝副会長が追放しようと、あえて小林氏に対立を仕掛けた側面がある。」

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皇国史観……。下「」引用。

「また、彼らの考えは、皇国史観の源流である国学の影響を受け、さらに運動の上でも神社本庁系の神道に属する宗教団体が主な基盤となっているため(拙著「日本における『宗教右翼』の台頭と『つくる会』『日本会議』」『機関戦争責任研究』39号)、「鎖国」への原因となつたキリスト教への敵がい心で武装されている。」

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女系の血筋はなるべく小さく評価しているという。

「他国への優越感と自国中心主義」

自国が犯した加害について語ることは、名誉を汚すこと……。下「」引用。

「自国が犯した加害になついて語ることは、後世に記憶していくことは「日本の名誉」「日本人の名誉」を汚すことなのか。彼らは「慰安婦」問題は「日本の恥部」だというが、恥すべきはアジア各国の女性を制度例にし、あるいは性暴力を加えた上、戦後もそれが過ちだったことを認めず、被害回復を訴えている被害者の声に耳を貸そうともせずに「商行為」などと責任転嫁を行ない、被害者の苦しみを放置し続けている姿勢であり、自らの国が犯した加害の過去を隠し、なかったことにし、それにより被害者を更に冒瀆するその行為ではないか。」

自民党が組織的に「つくる会」教科書の採択運動を進めている。その中心は安倍晋三幹事長代理。

核武装……。下「」引用。

「『新訂公民』は、安倍晋三氏が自認している通り、核武装さえ視野に入れた改憲“タカ派”の主張で、中学生を洗脳しようとする“危険な教科書”としての性格を一層鮮明にしている。」

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戦争国家日本=小泉答弁。下「」引用。

「小泉答弁は九三年の内閣官房長官談話は現在の日本政府の見解であることを言明するものだった。「つくる会」教科書の歴史認識や過去の加害をなかったことにする政治思想は、こうした日本政府の見解 に反するものであり、アジアとの信頼を断ち切る動きである。偏狭な「愛国心」教育を推し進める先に待ち構えているのは戦争国家日本であり、東南アジアの平和と安定を脅かす未来でしかない。」

【一部のみ】

女性はわずか7人(262人中)しか登場しない「つくる会」教科書。

ことばを奪う。そして、認識を破壊しようとする「つくる会」。

軍隊とレイプ……。下「」引用。

「軍隊は「男らしさ」の儀式といわれる。「つくる会」風の“伝統”でいえば「武士道」だろう。とりわけ、戦争がはじまると最前線で戦わなければならない海兵隊には、人間性を忘れさせ、人を殺し村を焼きつくす訓練がほどこされている。その訓練の中で、自分の母、姉妹を含め、女性を軽蔑するマインドコントロールもあると聞く(元海兵隊員証言)。「男らしさ」「マッチョ」を確認するには、その軽蔑の対象である力の弱い女性を襲うのが最も手っ取り早い。軍隊は構造的な暴力集団なのである。「公民」の教科書で、あらゆる分野において男女が平等であるとする「男女共同参画社会基本法」に対し、「性差と男女平等を混同し、男らしさ・女らしさという日本にの伝統的な価値観まで否定している」(白表紙本)とのたまう彼らには、黄色い声の女性たちに囃されながら、筋肉むきむきの「マッチョさ」でポーズをとっている姿がわ最もよく似合う。」

改憲論……。下「」引用。

「それは一つには、国内で急に改憲論がにぎやかになったのと歩調を合わせるように、同書が改憲を当然とする編集方針を鮮明にしている点によっている。-略-」

「ロボロット型人間育成をめざす洗脳教育の危険性」

歴史学者……。下「」引用。

「とわけ同歴史教科書の編著者の歴史学者・伊藤隆東京大学名誉教授の場合は、旧版の時から監修者として参加している。同氏は、現役の教授だった時代、歴史学の根本は何よりも事実を厳密に確定することにあるとして、若手を厳しく指導していた点で、専門外の分野からも高く評価されていた。それだけに、晩節を汚し続けているこうした事態は、惜しまれる。他の編著者にしても同様だ。
 ところが、こうした編著者たちの責任とは別に、誤記誤植を正すという最低限の役割さえ果さなかった検定審議委員や検定官たちの責任も重い。」










もくじ

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非核と先住民族の独立をめざして--太平洋の女性たちの証言

2010年06月21日 | 読書日記など
『非核と先住民族の独立をめざして--太平洋の女性たちの証言』
   ケイト・デュース、ゾール・デ・イシュター(編)/
     岩崎裕保、大場里美、石堂良人(訳)/
       現代人文社2001年

この一帯は、かつての植民地よりひどいかもしれませんね……。
アメリカ、フランス、イギリスが支配しています。常任理事国すべての国が核兵器保有国であり、「死の商人」の国ですね……。
--これでは、平和がつくられるわけがありませんね……。



生存の物語……。下「」引用。

「『非核と先住民族の独立をめざして』は、信じがたい困難に立ち向かった抵抗の物語集です。それは、彼女たちがいかにして生きのびたという生存の物語りであり、また彼女たちの内部に秘められた強さの物語です。-略-
 信じがたい暴力に苦しめられながら、先住民族の女性たちは先祖から受け継いだ血からと思いやりを持ち続けてきました。これらの物語は、昔から彼女たちの命を支えてきた土地と水に結びついたものです 。沈黙することは侵略や妨害を隠すことにしかならなかったのですが、この女性たちはこのように、物語を語り始めたのです。彼女たちが望んでいるのは、世界中の人びとが太平洋で何が起こっているかを知って、勇気をもって彼女たちを支え、連帯して行動することです。-略-」

島民は実験動物(三つの常任理事国による実験)。下「」引用。

「1946年以来、国連のり西側常人理事国、すなわちアメリカ合衆国、連合王国(イギリス)、およびフランスは、太平洋地域で317回の核実験を行いました。民族差別と植民地主義のこの究極の形態は、未来の世代への継続的な影響をも含めて、おそるべき健康被害という遺産と、広範におよぶ環境破壊をもたらしました。」

しかし、実験動物とちがって、世話もしてくれない。無料の都合のいい実験動物と表現する人もいますね……。

ジェリーフィッシュ(クラゲ)・ベビー。下「」引用。

「そして、何百人ものマーシャルの女性たちがどうして「ジェリー・フィッシュ(クラゲ)ベビー」、すなわち人間の形になっていない赤ん坊を出産することになってしまったのか、また流産でいかに苦しんできたかということを語っています。」

「ロンゲラップの苦しみを繰り返さないで」 下「」引用。

「-略-1954年、ビキニで水爆実験「ブラボー」が行われたとき、わたしは8歳でした。3月1日はわたしの誕生日でした。朝とても早く、明るい光が目に入って目覚めたのを覚えています。-略-」

「ミラルのウラニウムを掘るな」ジャッキー・カトナ--オーストラリア。下「」引用。

「-略-カカドゥに多量のウランがあることがわかると、土地権法は政府にとってジレンマとなりました。鉱山業者のロビー活動[議員に議案通過または阻止のためにら働きかけること]は大変強力なもので、採掘を認めるように政府に執ように圧力をかけました。このような有害な開発に対してアボリジニは拒否できる権利が認められていますが、「その権利を削除せよ」というのが、その圧力の具体的な内容でした。-略-ジャピカル合意は1982年に調印され、圧力団体であった鉱山会社という私企業に政府は最大の利潤をもたらす確約をしたのでした。ミラルの人びとには強制執行が適用され、かれらはジャビルカがそのまま開発し続けられることに同意せざれるをえなかったのです。選択の余地はありませんでした。」

そのウランは日本も購入。下「」引用。

「ERAの株式の10%は「日豪ウラン資源開発」(東京)が保有している。この会社は関西電力50%、九州電力25%、四国電力15%、そして伊藤忠商事10%の出資で設立された。日本の電力会社では関西電力がカカドゥからの購入も最も多い。-略-」

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「独立は奪うことのできない権利」タマラ・ボッブ・デュポン--テ・アオ・マオヒ(フランス領ポリネシア)。
守られない約束。下「」引用。

「フランスは金を投入してくれていると言われていますが、その倍以上ぶフランスに返送されており、核実験のことは考慮に入れてはいないのです。フランス領ポリネシアは、フランスにとってまったく金がかかっていないだけではなく、フランスの経済発展に貢献し、世界における、とりわけ太平洋にける重要な戦略的拠点となってきたのです。」


「大統領を相手に起こした裁判」下「」引用。

「この協定が承認されるには、パラオの下院と上院で3分の2の票を得なければなりませんが、それは決して実現しませんでした。しかし、わたしたちの大統領は、協定を批准しそれを合衆国大統領のレーガンに送りました。レーガンはそれを批准し、そしてそれは合衆国の議会に送られることになりました。そのとき24人の女性たちがパラオの大統領を相手に訴えをお子増した。大統領が憲法の規定に基づかずに協定を批准したからです。それは1987年のことでした。-略-しかしわたしたちは負けました。-略-」

そして急変した島。下「」引用。

「たった1回の「イエス」が、少なくとも50年、もしかするとす永遠に、わたしたちを合衆国の軍事圏に引きずり込んでしまったのです。協定は合衆国に、軍事基地の建設と核搭載可能艦船・航空機を持ち込む権限を与えています。合衆国は60日の事前通告によってどの土地でも接収することができ、そしてその土地は合衆国に与えなければならないという規定になっているのです。そしてその場所は合衆国が好きなように変更して使用でき、もう用済みになった時点でももとに戻す義務はないのです。合衆国政府はパラオと合衆国の環境政策や規則に従うと約束していますが、それすら合衆国の大統領が取り消すことができるしかけになっているのです。」

アメリカが横暴で傲慢なのは沖縄だけではありませんね……。







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日本軍「慰安婦」を追って-元「慰安婦」元軍人の証言録-

2010年06月21日 | 読書日記など
『日本軍「慰安婦」を追って-元「慰安婦」元軍人の証言録-』
   西野留美子・著/マスコミ情報センター1995年

中国の土饅頭……。下「」引用。

「三年前、中国東北地方に、仲間と「慰安婦」の調査に行ったことがある。
 ロシアとの国境の小さな村東寧にも、日本軍の慰安所は作られていた。その部隊にいた元軍人の証言がきっかけで、私たちは亡くなった朝鮮人「慰安婦」が埋葬されていたと思われる土饅頭を見つけることになった。-略-」



克復するために……。下「」引用。

「「なぜ裁判を起こしたのか」という私の問いに対して、こう答えてくれた。
「医者は私がこの苦悩を克復するためには、その原因を知ること、そしてそこから逃げないことだと教えてくれました。その治療の中で、私はようやく自分の体験を人に話すことができるようになりました。おそらくこの事件が解決すれば、私は平和に暮らすことができるでしょう。そして私は、日本人が私の国に来ることも、きっと受け入れられるようになると思うのです」」

これは、元米兵も同様でしたね……。

もくじ

--日本人「慰安婦」。下「」引用。

「戦地にはかならず将校が足を運んだ料亭や慰安所があり、そこには日本人「慰安婦」の姿があった。彼女たちは「日本ピー」と呼ばれ、朝鮮人「慰安婦」や中国人「慰安婦」よりも「上のランク」にされてはいたものの、投げ込まれたそこが軍慰安所であったことを考えれば、そして投げ込まれる社会背景を見つめるならば、そして慰安所政策の犯罪性を見るならば、日本人「慰安婦」の存在を排除して考えることはできようはずもない。」

日本人「慰安婦」を問題にしたいか? 下「」引用。

「私がなぜ日本人「慰安婦」にこだわるのかと言えば、慰安所制度を公娼制度と並べて、依然として肯定しようとする意識が、まるで暗黒のひだに潜むかのように、日本人のあいだに勢力を持っているからだ。日本人「慰安婦」に関わる問題を見つめることを通して、慰安所政策が遂行された背景には、性差別・階級差別・民族差別が構造的に関与して後押ししていたことを見据えたいと思う。」

家族を養うために……。下「」引用。

「ところが母が死んでから四年後に、今度は父が脳溢血で倒れ、そのまま亡くなってしまいました。弟たちの面倒は、長女の私にすべて降りかかってきたのです。父が残したお金はすぐに使い果たし、食べていくために私は働きに出なくてはなりませんでした。といって、その頃六人家族を支えるような給金をもらえる仕事は、そう簡単に見つかりませんでした。」

戦後、結婚……。下「」引用。

「警察が私の借金の残額を調べてくれたことがあり、もう返済が済んでいることが分かっていたんです。それで私はその人と結婚し所帯をもちました。一緒にいた女の中にはそのままGHQ相手の慰安所に残った人もいます。
 でも、私の幸せも束の間でした。四年後に夫は事故で亡くなってしまったのです。何年かして再婚しましたが、結局子どもは生れませんでした」

時代の犠牲。下「」引用。

「慰安所政策が推し進められた裏側には、女たちの人生の苦悶がある。経済困窮を背景に遊廓に吸収されていった日本人女性のケースも、たとえ騙されたり強制的徴集ではなかったにしろ、時代の犠牲としてだけ見つめるには、彼女の苦悶はあまりに出口なき彷徨ではないだろうか。」

貧困家庭を狩り集めた……。下「」引用。

「そのとき軍に委託さたれ業者は、遊廓にいる女だけではなく、千円の前借金で貧困家庭の娘たちを狩り集めた。国内でも九州は、天草をはじめとして「慰安婦」にされた女が多い地区だった。この遊廓街は、もともと炭坑の町として栄え、ここに足を運ぶ男たちは、主に炭鉱労働者だったというう。それは、戦時中も変わらなかった。」

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もくじ

心中、マイト自殺。下「」引用。

「病気だけじゃなくて、心中しよった女もおったわね。好きでも借金抜けんから一緒になれない。それで心中するわけ。マイト自殺よ。炭坑で使っているのを持ってきて、二人で抱き合ったまま体をくくって、それでダイナマイトを爆発させるの。すごい音でね。壁に飛び散った肉がひっついて、そりゃ無残な光景よ。」

もくじ

軍隊慰安所は儲かった。

企業の手先となった朝鮮人。下「」引用。

「三菱炭坑に強制連行された在日韓国人T氏は、「慰安所に行けた朝鮮人は、企業の『手先』になったものだった」と語る。企業側に協力的である者は選別され異なった待遇を受けることにより、結果的にそれは同じ朝鮮人労働者の中に上下関係を作り、「分断」を啓発していく手段になったといっても言いすぎではあるまい。」

【戦後】共通の心身状態。下「」引用。

「ナチス・ドイツの強制収容所に収容された体験をもつ人が、戦後どのような精神状況にあったかについて書かれた書物を読んでいた私は、それが、あまりにも性的奴隷を強いられた女たちの戦後の精神状況と酷似していることに驚いた。
 強制収容所の抑留者たちの共通の心身状態は、「多彩な自律神経失調症状、不安、焦燥、持続性神経過敏、恐怖感などを示す情動不安定、及び神経衰弱あるいは抑うつと表現されるような消耗・疲弊・無気力状態」が指摘される。それが家庭生活や社会生活に適応することを困難にし、それによる孤立は社会的秩序や人間関係の中に根をおろすことに失敗させ挫折させることにもなった。それらは、多くの「慰安婦」体験をもつ女たちの話にも当てはまるものである。」

オランダ人女性2人のことも書かれてあった。

正義の否定……。下「」引用。

「西野 ドイツでは、被害者が亡くなるのを「生物学的解決」といって、そうした時期を待つことは望ましい解決とみなされていないですね。
戸塚 世界中どこへ行っても、被害者が死ぬのを待つという解決は「救済・正義の否定だ」ということが言われています。-略-」

小沢一郎「北朝鮮はすでに核武装している」(1994年2月7日)。






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【絵本】あいしているから

2010年06月21日 | 読書日記など
『あいしているから 評論社の児童図書館・絵本の部屋』
   マージョリー・ニューマン(文)/
     パトリック・ベンソン(絵)/
       久山太市(訳)/評論社2003年

原書名 Mole and the baby bird



もぐらのモール。

巣から落ちたことりを見つけた。

鳥は空があっていますね……。

もぐらは地中かな?






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えほん

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