磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

出口のない核燃料サイクル-世界のプルトニウム・廃棄物政策-

2008年06月19日 | 読書日記など
『出口のない核燃料サイクル-世界のプルトニウム・廃棄物政策-』
   原子力資料情報室1993年

この本も古いものですね。
--最近のNHKニュースでは、フィンランドでフランスが原発を建造しているとか……。

しかし、この本のテーマは核燃料サイクルですね。



世界の流れにさからうものであったという。下「」引用。

「国内はもとより世界中の反対の声を無視して、一・五トンものプルトニウムが日本へ運ばれました。今回の輸送は、さまざまな問題点や謎を残しているものの、日本がプルトニウム大量利用時代に入ったことを示しました。これは世界の流れに逆らうものです。そこで、私たちは、世界の動向をまとめる形でパンフレットを作ることにしました。」

ナトリウム火災(フランス)で計画中止。
--日本でも高速増殖炉「もんじゅ」で、ナトリウム火災があったけど、中止とはならず、未だに運転させようと試みているようだ……。

そして、フランスでは、軽水炉でMOX燃料を使用。
MOX燃料はウラン燃料の加工の約10倍の費用がかかるという……。

イギリスではクリプトンが放出されていることが問題となっていると書かれてあった……。
--ゴミ捨て場となっていたので、返還することになり、日本に運ばれてきたという。下「」引用。

「再処理をビジネスにしてしまったイギリスには、外国から使用済み燃料がどんどん送られ、さながら世界の核のゴミ捨て場となっている。ソープの計画が持ち上がった七六年当時、すでにこの問題が取り上げられ、エネルギー大臣は、それ以後再処理契約には廃棄物を「発生国に返還する」条項を入れることを約束した。」

「ドイツ 再処理も高速炉も挫折」
--代替エネルギー開発に計画をかえたドイツは環境先進国といわれている……。
そして、日本は化石国といわれているという……。

この時のフィンランドの原発。下「」引用。

「フィンランドの原発は、旧ソ連製PWR二基のロビーサ発電所、スウェーデン製BWR二基のオルキルオト発電所である。-略-」

フィンランドも完璧な民主主義国ではないようです。

以前、紹介した本についての記事でこの点で間違いがありました。

フィンランドのジェンダー・セクシュアリティと教育

原発ないか、廃止とばかり思い込んでいました……。

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関連記事

アメリカの再処理は放棄されたという。

インドのことも書かれてありました。下「」引用。

「粗製爆弾とはいえ、「平和利用」の施設を使って核がつくられた衝撃は大きく、アメリカをはじめとする各国の核不拡散政策に強い影響を与えた。インドは、核不拡散条約は不平等であるとして、現在も加盟してない。」









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【小説】原発事故 チャイナシンドローム

2008年06月19日 | 読書日記など
『原発事故 チャイナシンドローム』
   バートン・ウォール(著)/関口幸男(訳)/廣済堂出版1979年

同名の映画はとても話題になりましたね。
--振り返ってみれば、チェルノブイリ事故を起こした人たちも、この時TMIのようなことは起こらないといっていた……。しかし、それは心理的な問題で起こったとはならないと思う……。事故は起きてほしくないが、起きてしまうものだ……。それも予想外のことで……。1000円の部品からも、大事故は起きるし、巨費をかけたからといって、事故をなくすことはできないという人のいうことが現実だとボクは思う……。



この原発というものが、戦争から派生したことがこの会話でも理解できる。下「」引用。

「原子力潜水艦からなんだよ。一度か二度、兵役をおえたあとの連中をだ。この種の仕事の経験をつんだ人間が、ほかにどこから見つけられると思う?」

今、小説で性差別のことをテーマにしていますが、野蛮なことは米国も同様ですね。下「」引用。

「彼らは、キンバーリー・ウェルズのオッパイとおしりのために給料を払っているのだ。それだけのことだ。」

小説が先か、映画が先か?……。下「」引用。

「本書は、映画「チャイナ・シンドローム」の脚本をもとにして小説家(ノベライズ)された作品である。ノベライズ物は一般に、平板で、薄味で、書込みのたりものが多いといわれるが、それはたぶん、映画と小説とには本質的な相違があって、むしろ映画を忠実になぞろうとする無理、人物および情景描写の不足からくるものである。」

映画が先のようですね。

カレン・シルクウッド事件をモデルにしているシーンもあるという。下「」引用。

「カメラ助手が自動車事故を装って殺されるくだりは、カレン・シルクウッド事件が下敷きになっている。カレンはオクラホマのプルトニウム工場の女性研究員で、工場の安全基準に疑問を持ち、一九七四年四月、資料を新聞社に手渡そうと出かけた途中、謎の事故死をとげた。資料はいつのまにか彼女の車から消えていた。ジェーン・フォンダはかねてからこの事件に興味を持ち映画化も考えていたという。」

スリーマイル島事故で、この映画はさらに話題になったとボクは記憶する……。下「」引用。

「去る六月四日、NHKでこの事故を扱った「原子炉溶解の恐怖」(再現スリーマイル島の四日間)が放送された。ご覧になった方もおられると思う。原発事故の恐ろしさを生なましく伝えてくれていた。これでまた、もう一度皮肉にも、この原発を運営しているメトロポリタン・エディソン(ME)社の広報担当物が、事故収拾後の会見で「今回の事故で死者はひとりも出なかった」と発言していたのが印象的であった。ME社の社長は、原子炉が爆発するようなことはありえないともいっていた。」









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日本発見 10-'63,No.4

2008年06月19日 | 読書日記など
『日本発見 10-'63,No.4』
   日本発見の会・編/長谷川龍生・編/日本発見の会1963年

--雑誌のようです。
平和に関する雑誌ではありませんが、ヒロシマの体験記が一つ掲載されていました。




「炎の記録-廣島・ヒロシマ」桂芳久・著。

学童疎開にも、縁故疎開というものもあった……。

縁故疎開に出たY子さんのかわりに、著者が下宿したという。
Y子は原爆孤児になり、著者の家で育ったという……。

その下宿は市内の中心、本通りの裏手にあたる新川場(しんせんば)町にあったという。

下宿先の家族は一人だけしか生き残れなかったという。下「」引用。

「家族は主人夫婦と、女学校のナギナタの教師をしていた長女、市立高女の一年生の次女、国民学校三年生だった三女、それに主人の姉をふくむ六人家族だった(このうち五名は死亡した)。」

著者の生家は吉田町にあったという。下「」引用。

「町の人々は芸州吉田という名に誇り高いものを持っている。毛利家が山口に移封され、明治維新の原動力となるが、近代日本を造った人材は、もとをただせば吉田の里から生まれた子孫たちだと考えているからである。」

秘密兵器の軍需工場で働いていたという。下「」引用。

「昭和十九年五月、私たち中学三年生にも学徒労働令が発せられた。-略-後ほどわかったことだがねそれは旭兵器が小さな会社だったからというよりも、秘密兵器の生産工場だったからである。旭兵器は呉海軍工廠の傘下にらある会社で、首相時代に東条英機がわざわざ視察にきた最重要工場の一つでもあった。対空兵器の生産が主力であった。」

高角砲弾を造っていたという。下「」引用。

「十五歳の私たちは旋盤やボール盤にとりくみはじめた。十二センチ高角砲弾の製造である。少年たちの腕よりも高角砲弾はずっと太かった。」

--原爆投下。黒い豪雨の中を歩いたという。
その後の青空が、美しいと思ったという。
そして、己斐駅の近くで、小型の手押ポンプで消火活動をしている人がいたという。










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21世紀への遺言 原爆許すまじ

2008年06月19日 | 読書日記など
『21世紀への遺言 原爆許すまじ』
   肥田舜太郎・編/埼玉県原爆被害者協議会1987年

冊子といっても、二段組で180ページあります。
--戦争というものは、原爆というものは……。
これに反対せずして、人類であるのだろうか?
読んでいて、そう思いました……。



表紙の絵について書かれてありました。下「」引用。

「表紙の原爆ドームの絵は、昭和四十七年十月二十一日、現地で、田島竹之助氏がご自分で撮影したものを、自ら模写されたものです。
又、本誌中に挿入されているカットは、全部田島竹之助氏の筆によるものです。」

肥田舜太郎医師が「発刊の言葉」で書かれています。下「」引用。

「この冊子が次代を担う若い世代をはじめ、多くの方々に読み継がれ、核兵器のない平和な世界づくりのための資料となることを願って、体験集「原爆許すまじ」発刊の言葉とします。
  一九八七年五月一日
    埼玉県原爆被爆者協議会会長 肥田舜太郎」

「阿鼻叫喚」田中儀作・著。下「」引用。

「この“あびきょうかん」という言葉は、現在は人々の間で、殆ど忘れられている。
 それというのが、仏教で人間の粗暴な一面を矯正するために因果応報を説き、善いことをすれば善い報があり、悪いことを行なえばその人は悪い最後を招くので、死後は地獄に落ち、そこは絶えず火煙が燃え盛り、熱湯が湧き上がっていて、そこに住む青鬼、赤鬼という凶暴な動物から恐ろしい責苦を受けるので、この責苦の辛さに泣き叫ぶことを阿鼻叫喚と呼ばれたのである。」

そして、後にこう書かれています。下「」引用。

「広島各所に発生した阿鼻叫喚を現実に見たし、それがその人の善悪に関係なかったことを知ったのである。」

当然そうだとボクも思います……。

何が残るのか……。下「」引用。

「核の保有量で国との威圧を仕合っていてた時代はもう過去の事です。今はボタン一つで人類破滅の時が来ています。フォークランド紛争であきらかな様に戦争をして結果的に何が残るのでしょう。可愛いい我が子を失い悲劇が残り国家は貧する。可愛いい我が子を戦争の渦中に絶対に巻き込んではなりません。」

残るものは、やはりいいものではないでしょう……。

「広島の消えた日」肥田舜太郎・著。
--軍医として被爆されたことを、一人の人間として書かれていると思います。








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同時代叢書 読売新聞日本テレビグループ研究

2008年06月19日 | 読書日記など
『同時代叢書 読売新聞日本テレビグループ研究』
   征矢野仁・著/汐文社1979年

正力松太郎はナチスを崇拝していたという。
--力は正義の人物だったといわれても否定できませんね……。
田中角栄との関連も書かれてありました……。



新しいファシズム……。下「」引用。

「「日本の民主主義が上っつらだけになっているのは、戦争責任が追求されていないからです。支配層の戦争体質を洗い出さないと、本当の戦後も民主主義もこないと思う。いまからでも遅くはないんです」
『性的非行』、『暴力非行』の著者、千田夏光の言葉である。
 いま、青少年の非行などを云々しつつ、支配層は、新しいファッシズムの体制をきづき上げている。」

このグループからは桜井よし子さんなどを輩出していますね。

マスコミはこのようなことは意識していないのでは? 下「」引用。

「マスコミの報道は、汚職の構造のかげにかくれた死の商人たちの、世界的な政治・経済・軍事上の陰謀に、どれほど迫りうるものだろうか。そして、その仕事をやりとげるための、はたらき手であるマスコミ労働者の状態は、どうなっているのだろうか。」

そして、強大で狂暴な日本のマスコミ……。下「」引用。

「それにしても、迫れば迫るほど、日本のマスコミは強大で狂暴さを秘めている。
「『オイ、新聞を敵にするなよ。新聞というのは、お前なんか一ヒネリにしてしまうほど強大なんだ。何を書いても勝手だけど、決して、新聞を敵にするなよ』……」(『最後の事件記者』二七三頁』」
 かつて、読売新聞社社会部の花形記者だった三田和夫に、「友人」が忠告した言葉である。ここに、あえてその愚を犯す次第であるが、読者の御賢察に待つほかはない。」

正力松太郎という巨悪……。下「」引用。

「正力は、アメリカ軍政下の日本で、本国の国防総省を動かし、または動かされて、日本全土にテレビ網をつくろうとした。戦前、戦中には、日本の国政の裏工作にかかわりを持っていた。あえていうなら、正力は、相手が戦勝国のアメリカであろうが、CIAの一工作員の手中に汚職の「充分で精密な細部」の証拠を残すような、駆け出し官僚ではなかったのである。すでに戦前、汚職に連座すること数回、下獄したことさえあるというのが、読売新聞中興の祖、正力松太郎の実像である。」

新聞社を経営するにあたって、財閥や政治家から金をもらっていたという。下「」引用。

「ほかにも政治家による新聞への資金投下の例は多いが、たとえば『伊藤博文秘録』であるとか、『原敬日記』であるとか、本人の死後に残された記録で、はじめて表面化している。」

ナチ崇拝者だった正力松太郎。下「」引用。

「まず第一の問題は、正力自身がナチ党やヒットラーの崇拝者だった事実を、必死に、うち消していることである。-略-鳩山一郎が政権を一歩前にしながらも、戦前の著書『世界の顔』に、ナチ崇拝の証拠を残していたことが発見され、一挙に巣鴨プリズンまで、ころげ落ちた。日本国内にも派閥抗争のあるなかで、ナチ崇拝者の烙印は、政治的には死刑を意味していた。」

そして鳩山一郎の孫が、死刑を自動化させようとしている鳩山邦夫法務大臣ですね。

なんと、四世議員のようですね。

この本では、原発のことは書かれてありませんでした。
--他の本では、日本に原発を導入したのは中曽根康弘と正力松太郎という……。

ネットで読めます。

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