磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

原爆民衆史

2006年11月04日 | 読書日記など
『原爆民衆史』
    長岡弘芳・著/未来社1977年

原爆小文庫をつくられた長岡弘芳の本です。
いろんなことをされていたようです。



日本政府の顔というのは、二つの顔をもっていると書いておられます。下「」引用。

「ところでさて、日本政府は二つの顔をもつ。一つは戦争放棄条項を含む憲法のもと平和愛好国家としてのそれであり、もう一つは、にもかかわらず既に世界有数の軍隊を保持し、自衛の為の核武装は憲法違反にならぬと公式言明を繰り返し、従って中国をはじめアジア諸国から、再度の軍国主義化が厳しく警戒されている国家としての顔である。」

1953年、杉の子会がつくられ、1954年《水爆禁止署名運動杉並協議会》が結成されという。

きのこ会の活動についても書かれていました。

栗原貞子との文通や、交流が書かれてありました。

沖縄での小原爆展を1969年にひらかれたようです。

沖縄で原爆を伝えるということは大変困難であったようです。同。

「五二年、前年設置されたばかりの琉球大学学生たちは、那覇市内で「アサヒグラフ・原爆被害の初公開」号をパネルに仕立て、「原爆展」を開催する。そのことが流大初の学生処分に際し、処分理由の一つとなった。」

まだ、日本に復帰していない時代ですね。

秋月辰一郎のことも書かれてありました。同。

「私が秋月さんを拝見したのは一九六八年夏、《長崎原爆展》が東京で開かれたとき、秋月さんの講演を朝日講堂できいたのが最初である。当時は石原慎太郎なんかが、しきりに《核アレルギー解消論》などを唱えていたころで、そのことに触れ秋月さんが、
〈アレルギーとは医学上の用語だ。どういう状態をアレルギーというのかは、専門家である私の方がよく知っている。素人が生半可にむやみに使うのはよくないことだ〉と、持ち前の淡淡とした口調ながら、そこだけは頬を紅潮させ声を高められたのが、今も強く印象に残っている。」

大田洋子のことも書かれてありました。同。

「数年前、あなたの作品を探すべく、私は古本屋街を歩き廻りました。時にあなたの作品はないかと訊ねてみる。すると古本屋のおやじ達は、戦後も生々しいころ心中して果てた人気作家の元愛人、当時父に関する手記めいたものを発表していたその娘、あるいは過去に自らのよろめきのしかじかを作品化していたあなたと同姓の某女流作家、等々の名とあなたとを混同し私に告げたものでした。以後私は黙ってあなたの作品を探すことに決めたのでした。」

やはり大田洋子の評価は高いです。

正田篠枝さんの『さんげ』のことも書かれて有りました。

原子力についても書かれてありました。同。

「今年(七六年)早々に強行されるはずであった、原子力委員会と日本学術会議による「原子力シンポジウム」、つまり中央公聴会は、現地反対運動の強力な抵抗により遂に聞くことができなかった。
 されば、というわけでもないだろうが、去る九月一一・一二日に開催された日本平和学会第四回研究大会は、第一日午後のプログラムにシンポジウム「原子エネルギーの未来」を組んだ。
 広島女学院大学の庄野直美、原子力産業会議の事務局長・森一久が座長、報告者は板倉哲郎(原子力発電会社)、小野周(東京大学)、岸田純之助(朝日新聞)、田島英三(立教大学)、服部学(立教大学)、安田八十五(神戸商科大学)の五人。
 事情通は顔ぶれを見るなり、「これはウサンくさい」と言下に断定したが、そうした人々によるシンポジウムであったのである。」

バーバラ・レイノルズさんが、ウィルミントン大学で原爆文庫をつくったという。

その仕事で、ラマーズさんと、著者は文通していたそうだ。






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廃炉に向けて 女性にとって原発とは何か

2006年11月04日 | 読書日記など
『廃炉に向けて 女性にとって原発とは何か』
   綿貫礼子・編/新評論1987年、1988年第3刷

この本も古いですが、今も問題は変わりませんね。
そして、このような問題でも歴史を忘れてほしくありません。
たぶん、刹那主義で歴史など考えない人たちの方が多いと思いますが……。



表紙の裏にかかれてあります。下「」引用。

「●胎児を大人とくらべると、大体一○○倍ぐらい放射線に対する感受性がちがう。幼児と大人では一○倍、したがって大人にくらべると幼児は放射線に一○倍弱く、胎児は一○○倍弱い。  ●(市川定夫)
●たとえあなたたちが新婚であっても、「いま子供をつくってもらっては困る」。それからお母さんのおなかの中にいる胎児だったら、胎児に、「あなたはいま生れてきてもらったら困る。母乳だって牛乳だってないんだから」。そういうふうなことをいわなければならない状況が出てきている。   ●「綿貫礼子)」


子どもは女性だけのものではありませんね。
でも、日本ではそうとはいえないかもしれませんね。

多くの問題が精神構造としては差別から生れていますね。
外国の方で「民主主義のないところに公害と原発はある」と
語られているのは事実のように私には思えます。

また、「戦争は究極の差別」といわれている方もいます。
ガン細胞のように他のエネルギーをうばう、特権階級。

差別は民主主義の敵といっていいとボクは思います。
逆差別というものもありますが……。

帯にはこう書かれてあります。下「」引用。

「「史上最悪の事故」として、いまだに測り知れない影響を国内のみならず国外にも与え続けてきているチェルノブイリ原発事故。われわれは原発を含む巨大技術にどのような態度で臨めばよいのか。われわれは原発を含む巨大技術にどのような態度で臨めばよいのか。身体に最も影響を受けやすく、「生命」と密接な関わりをもつ女性の立場から「廃炉」=原発廃絶への道を提唱する。」

原発の解体は三百億円以上かかることも書かれてありました。どの原発も寿命がきて廃炉になるので、いずれは推進していても、この費用もかかるということですね。

書きたいことがたくさんあるのですが、紹介ですので、後一つだけ。日本平和学会について書かれてあるのが印象的でした。浮田久子さんが語られています。下「」引用。

「七六年、ちょうど一○年前に、日本平和学会で「原子力エネルギーの未来」というテーマで原発の問題を取りあげたことがありましたね。その時に、あれはどなただったかちょっと忘れましたけれども。長岡弘芳さん(原爆体験を伝える会会員)がフロアから立って当日、草の根の被爆体験の立場からみると、大変ズサンで強引な原発容認論が展開されているのを、怒りをこめて批判されたのに対して、「素人のセンチメンタルな論議はもういいかげんにやめにしてもらいたい」といった趣旨のことを放言された。
 私はその時黙っていられないで手を挙げました。「素人の……」ってそういう科学技術者の奢りがまかり通っている。しかも、平和研究の場で、ですよ。平和研究なら、原発についてまったく別の視点から考えられるはずではないかと……。日本の平和研究というのはいったい何なのかと、そのあとしばらく深刻に考えましたね。」


ピラミッド社会の平和学には、あまり期待はできないかもしれませんね。


原爆民衆史




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013ヤキトリ屋でいっぱい

2006年11月04日 | ライト小説
アカネさんシリーズ001
恋のタイムマシーン

二、下宿へようこそ!



013ヤキトリ屋でいっぱい


「せっしゃ、焼き鳥が好きでござる」

「へぇー、ぼくもです」

小一郎とオカネスキーは肩をくんで、競馬場を後にした。

まだ、ちょっともお酒を口にしていないのに、二人ともすっかり飲んだようにも見える。

ネアカなのも、ここまで行けば、時と場所によっては、社会適用も困難かもしれない……。


焼き鳥屋でオカネスキーと小一郎はすっかり盛り上がっている。

「どうして、オカネスキーさんはオッカネーのところで働いているんですか?」

「おお、いい質問ですね。わたしの国は小一郎も知るとおり、お金がありません。ですから、出稼ぎに来ているわけです」

「出稼ぎですか」

「そうです。小一郎は上京して勉強しているわけですね」

「そうです」

「オカネスキーさんと話すの愉快だな。どうですか、ぼくの下宿に来ませんか?」

「小一郎の下宿にですか?」

「そう、ぼくの下宿には仲間がいて、オカネスキーさんのように科学者になりたがっている者もいるんですよ。ぜひ、いろいろ話してやってくださいよ。それに、ここより、下宿で飲んだ方が安上がりなんですよ。ぼくもこの一万円は学費に回したいし……」

「おお、小一郎もお金ないのですね」

お互い、お金のない者どうしとわかって、下宿に誘った小一郎。

下宿といっても、食事はでない。でも、学生寮というほど恵まれてもいないアパート。








閑話休題

勝ち組、負け組、
負け犬……。

こんなことをいう人たちは、
昔は大人に叱られたものですね。

とんでもない人たちが、
偉い人、権威ある人になって
おられるわけですね。

11月3日、オノ・ヨーコさんが、
ラジオ出演されました。

いじめのことでも、
コメントをだされていました。

オノ・ヨーコさんは、
常陸宮さまのご学友でもある方です。

とても、いいところのお嬢様らしいコメントでした。

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