磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

11.駄菓子屋

2005年06月18日 | 【作成中】小説・メリー!地蔵盆


一、出会い

11.駄菓子屋





 帰り道は遠回りをした。
 駄菓子屋さんは、平安湯に行く途中の道にあり、太ったおばさんが一人でやっていた。二階建ての一階部分で駄菓子屋をしていた。

「ジョンさん、駄菓子屋さん入ったことある?」
「ありません。駄菓子屋さんですか。聞いたことはあります」

「入ろう、入ろう。『百聞は一見にしかず』って言うやん」
 ガラガラと戸を開けて入る。

「いらっしゃいませ」
「おばちゃん、怪獣の写真きているか」
「うん、入っているわよ」

「これなあ、ジョンさん、緑の紙で隠されているから、何が入っているか、わからへんねん。だから同じ写真を何枚も持っているねん。そやから友達と交換しないといけないんや」
「そうですか、お友達と交換するのですか」

「ジョンさん言わはるのですか。ここは、けっこう外国の人も来はるのですよ。ほれ、凧とか、独楽とか、日本の玩具がありますねん」

 おばちゃんは意外に商売熱心である。ジョンさんと歩くと思うのだが、けっこう京都の大人は外国人好きである。いろいろなことを説明してくれる。雄二は、ふだん知らなかったことも、そこで聞くことになる。

 ジョンさんはうれしそうに聞いている。そして、大人たちもうれしそうに京都の文化を話している。文化っていっても、学校の勉強とちがってどちらも楽しそうでたまらないという顔をしている。
 しかし、すべての外国人にそうなのかはわからない。もしかしたら、ジョンさんの温和な感じがいいのかもしれないと思った。

「そうですか。独楽ですか、いいですね」
「ビー玉もあるし、日本の子どもの城なのですわ。大人で来る人もいはるのですよ」
「滅多にいないけどね」

「わたし、するめが食べたい」
「ぼくも」
「わかった、わかった」
 おばちゃんはガラスの入れ物に入ったするめを出してくれる。
 雄二らはするめを食べる。

「駄菓子屋いうたら、一番人気があるのは、当てもんですねん。くじ引きでするのですわ。でも、はずれといっても何もないというわけでなく、ギャンブルではないのです。外国の人もしてはりますで。特にこの飴の当てもん、糸引きあめは外国の女の人に人気があります」

「そうですか。私もそれします。幸江と雄二にも、おごってあげます」
 ジョンさんは一人でするのは、遠慮があるみたいなので喜んでおごってもらった。

「ジョンさん、メロン味やないの。私、メロン味がいいわ。交換してよ」
 幸江がジョンさんにねだった。
「苺は、一番当たるんや」
 雄二はジョンさんに説明した。

「それ、一番人気あるから、多くしてあるんやで。はずれが一番人気あるんや」
 おばちゃんは笑っている。
「私、苺あじがいいです」
ジョンさんと幸江は交換した。

 口から糸を出して、飴を食べる。
「ただ食べるだけじゃなくって楽しいですね」
 ジョンさんは嬉しそうだ。

 ガラガラと戸の音がした。池山の三兄弟が顔をだした。
 「おっ、池山」と、雄二は声をかけた。

 池山は雄二を無視して、下をむいたまま、「帰ろう」といって池山は戸を閉めた。
「お兄ちゃん……」
と、恭子と吉坊の文句をいっている声がした。

「何や、あの子ら」幸江が眉根を寄せている。
「ほんまや、せっかく来たくせに」
 駄菓子屋のおばちゃんも残念そうだった。雄二はなんか変だなと思う。池山はジョンさんを避けているとしか思えなかった。バテレンといっていたし……。感じ悪いなあーと雄二は思った。





↓1日1回クリックお願いいたします。

ありがとうございます。





もくじ[メリー!地蔵盆]


当時の糸引き飴は三角錐でしたが、現代ではフルーツを形をしているみたいですね。


コメント